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シゾンとメローヌの気持ち

3つのチーム其々に13階層を踏破していないメンバーがいるので、全員が13階層から出発する。


「今日はレンジャー君がいるからこの間みたいに突っ走らないようにしないとね」


「そ、そうですわね。

先導お願いしますわ」


「…………」


2人がレンジャーゴーレムに語りかけると、早速辺りを探知し始める。


「あれ……なんだろう?」


「地面が赤く光っている気がしますね」


「これってレンジャー君の力で、あそこに罠があるって事なのかな?」


「…………」


シゾンがレンジャーに尋ねると、何も話さないが肯定するように首を縦に振った。


「喋って教える事が出来ない代わりに、パーティで感知した罠を共有できるって事かな?

これだけで既に価値があるんだけど」


「これ、想像以上に使えますわね」


罠の多いこの階層で、罠が探知できるというだけで価値があるレンジャーゴーレムであったが、密林というフィールドを活かして奇襲をかけてくる魔物達にも見事に対応してみせた。


レンジャーゴーレムがいち早く魔物を察知し、ファイターの中でも守りに長けたシゾンが抑え、攻めに長けたメローヌが魔物を屠る。


そして、シゾンが受けた傷は戦闘後にプリーストゴーレムが回復させる。


極めて順調に進んだ探索はあっという間に14階層の階段を発見するという結果をもたらした。


「すごい……こんなにやり易い探索久しぶりだよ」


「この子達が頑張ってくれてますからね」


メローヌはそう言ってゴーレム達を軽く撫でる。


その様子から最初は物扱いだったが、すっかり情が芽生えて頼りにしているのがうかがえる。


「ゴーレム達も凄いけど、私はメローヌとのコンビが戦いやすかったかなって。

やっぱり私達って気が合うんだなって思うよ」


「え、あ、その……私もそう思いますわ。

私達は気の合うと、友達ですからね」


「そうだよ!

だから、卒業したらファモとお姉ちゃんと……オヴァーニにデアンも加えて冒険に行けたら絶対に楽しいと思うんだよね」


「クレアさんだけじゃなくて良いんですか?

ずっと一緒にいたいんでしょう?」


メローヌがそう尋ねるとシゾンは屈託の無い笑顔を見せる。


「そりゃ、お姉ちゃんとは一緒にいたいよ。

でも、みんなとも一緒にいたい……ずっとは無理でも卒業したらさよならなんて寂しいじゃん」


「私も……私も皆さんとずっと一緒にいたいですわ」


メローヌは素直に自分の気持ちを吐き出した。


シゾンの言葉はメローヌの中でモヤモヤしているものを取り払う光の言葉であったのだった。



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