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ゴーレム

土曜日のダンジョン開放日。


購買部で借りられる補充用のゴーレムは値段は安いが、毎週使い続けるとなるとそれなりの出費となる値段設定になっていた。


しかし、彼らを雇う事で探索が効率化するのであればその元は簡単に取れる……そんな値段である。


但し、これは一番安い設定の何の装備も無いゴーレムを借りる場合であり、到達階層に合わせた装備一式までレンタルするとかなりの出費になるように設定されている。


「今日は全部の使い具合を試してみたいからちょっと極端なパーティ編成にしたいんだよね」


ファモがそう言って提案してきたのは3チーム編成での探索であった。


Aチームはクレアとファモにファイターとソーサラーのゴーレム

Bチームはオヴァーニとデアンにファイターとレンジャーのゴーレム

Cチームはシゾンとメローヌにレンジャーとプリーストのゴーレム


各チーム、2人で2体のゴーレムを運用する編成であった。


半分の戦力をゴーレムで賄うために勿論一番安いプランで借り、チームの共有財産として保管していた装備品を使う予定である。


「お姉ちゃんと組みたかったんだけど……まぁ、前にメローヌと組んだ時も面白かったもんね。

今日はよろしく」


「え、ええ、よろしくお願いしますわ」


もっと揉めるかと思ったのだが、ファモ達の予想通りにプライベートとの分別はついているらしく、シゾンはあっさりとこの編成を了承した。


「ゴーレムは指示すれば言うことを聞くらしいよ。

それとあらかじめ入力していたルーティンに従って行動てくれるんだって。

こういうのは同じクラスの人が調整したほうがいいよね」


戦闘用のゴーレムはダンジョンに出てくる巨大な物体ではなく、シゾンと変わらないくらいの大きさで、形も人間に非常に近い姿をしていた。


背中に動作の思考パターンを入力することが出来るらしく、

各々がゴーレムへの行動パターンを入力していく。


シゾン達と比べるとレンジャーが1人多く、プリーストが1人少ない編成なので、レンジャーの設定はファモが頑張り、余ったクレアが全員に声援を送っていた。


こうしてゴーレムの設定が終わって立ち上げると、ゴーレムは自立して各チームの元へと分かれていく。


「あら、この子賢いのね」


自分の元へとやってきたファイタータイプのゴーレムに関心の声をあげるクレア。


「お姉ちゃんのことよろしくお願いするね!」


何も知らずにゴーレムで楽しく騒ぐ2人。


「ここまでお膳立てしたんだから、ちゃんと気持ち伝えてきなさいよ」


「わ、分かっていますわ。

大船に乗ったつもりでドーンと任せてくださいませ」


そんなクレア達を見ながらファモはメローヌへと発破をかける。


「泥舟の間違いでは無いか?」


「しーっ!そういう事は思ってても言わないの」


「やれやれ、そのセリフではオヴァーニもそう思っていることになるぞ」


「……正直不安しかない」


また、エルフ組の2人も心配そうに彼女達を見守るのであった。



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