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体幹トレーニング

「はぁ〜はぁ〜」


「ほらほら、お姉ちゃんしっかり!」


「わ、私の事は良いのでシゾンは先に……」


「私はお姉ちゃんと一緒がいいから!」


性格が変わる前は前衛もこなしていた為に勘違いされやすいのだが、クレアは基本的に体力は低い方である。


前衛での戦いはクレーズの豊富な実践経験により、最小限の見切りで大きく動かなかったからこそ出来た事でもあった。


その経験がなくなった今、クレアが刀や扇での近接戦闘を行わなくなったのは正しい選択だったと言えるだろう。


他の面々がラクにランニングをこなす中で、クレアだけはここで体力の全てを使い果たしてしまう程に根本的に体力が足りていなかった。


「むむ……彼女にはどうやら個別のトレーニングを用意した方が良さそうだな」


その様子を見たマリア先生は体力が低い後衛向けのトレーニング表を用意する。


そこにはゆったりと身体の筋を伸ばしながらバランスをとる事で、体感を鍛えられそうな動きが載っていた。


「一息ついて落ち着いたら先生と一緒にやってみよう」


「は……はいぃぃぃ」


ぜぇぜぇと荒い息を整えながら、マリア先生の言葉に頷くクレア。


「先生!

私も同じメニューが良いです!!」


「君はもっとハードなトレーニングでも良さそうだが……まぁ、良いだろう。


こうしてクレアとシゾンは別メニューをこなしていく事になった。


マリア先生が提案した運動はゆったりとした動きで身体の節々を伸ばしていくというもので、体力の無いクレアにはピッタリであった。


一方でシゾンの方も普段意識していなかった身体の動きを理解して意識し直すきっかけになったらしく、感心しながらこの運動を行っていた。


運動を行う中でピクリとシゾンが顔を動かす。


その視線の先には男子達がおり、シゾンが顔を向けるとネジ切れるのではないかという勢いで首を捻った。


気になってクレアの方を見ると、クレアは胸を張り、背筋を後ろ方向にググッと伸ばしていたのだが、その時にシャツの前が捲れて健康的なお腹が露になる。


その瞬間に再び男子生徒の反応が活発になった為にシゾンは深々と息を吐いた。


「先生、ちょぅと男子達の反応が気になるんですが……」


「む……確かに騒がしいな。

お前達、真面目にトレーニングせんか!!」


マリア先生の一喝によって男子生徒達はトレーニングの戻るのだが、その視線は落ち着かず、チラチラとクレア達の方を見ていた。


「先生、私たちは何処か別室に行ったほうがいいんじゃないですか?」


「……そうだな。

双方の為にならないから次回は別室を用意しておこう」


男子生徒達の気持ちが分からないでもない2人はそう言って深いため息をつく。


その間もクレアは余裕なくトレーニングを行なっていたので、この騒動には気付いていない様子であった。

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