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クレアとオヴァーニの合わせ技

「先ずはみんなを強化するわね」


クレアが扇を持って舞い踊る。


その姿は以前よりも洗練されており、動きにシナが見られて艶やかに感じられた。


「お姉ちゃん、ありがとう!」


「相変わらずかけられた瞬間に実感を感じるほどに凄まじい効果ですね」


「上手くいって良かったよ」


こうしてシゾンを戦闘に先へと進んで行く一行だったのだが……


「あれ、お姉ちゃん、刀はどうしたの?」


「ああ、前の私がなんで持ってたか分からないけど……何だか物騒だから置いてきちゃった。

でも、私にはこれがあるからしっかりシゾンをサポートするからね」


一行がそのまま道なりに進むと、急に辺りの木々が激しく揺れ出した。


「みんな、気をつけて!」


シゾンが背後にいるクレアとオヴァーニを庇うように前に立つ。


その間も木々は激しく揺れており、何かが頭の上を飛び回っている事が予想できた。


いつ襲ってくるか分からない緊張感の中、最初に動いたのはクレアだった。


「もう、バタバタと落ち着きがない……これで頭を冷やしなさい!」


クレアが扇を開いて振ると、そこから突風が巻き起こる。

その風は広範囲に広がって周囲の木々を激しく揺らした。


「ぐえっ!?」


「ぐぎゃっ!!」


木々が激しく揺れた事でバランスを取れなくなったのか、猿型の魔物が2匹、下へと落下してくる。


「氷の槍よ!」


その隙を見逃さずにオヴァーニが即座に氷で作り出した槍を放つ。


そのまま体制を崩した猿の一匹に槍が命中……するかに思えたのだが、猿は崩れた体勢から両手で地面を叩いて身体を浮かせ、強引に身体の位置をズラして氷の槍を回避した。


「すいません、魔法の選択を間違いました!」


「気にしないで。

それよりも2人は後ろからサポートお願い!」


シゾンは叫んで前へと走っていく。


オヴァーニの魔法を受けていない方の猿は既に体勢を整えており、咆哮をあげて威嚇しながらシゾンへと向かっていく。


一方で、魔法を受けた方の猿は未だに動揺しており、慌てて木の上に乗り移ろうとしていた。


だが、後ろから俯瞰で動きを見ているクレアとオヴァーニは即座にアイコンタクトを取りお互いのするべきことを即座に理解した。


「氷の槍よ!」


先程、選択ミスをしたという魔法を再び唱えるオヴァーニ。


猿の身体能力から再び回避されることが予想される。


木に飛び移ろうとしていた猿も余裕ありげに回避しようと動き出していた。


しかし、その瞬間に氷の槍が一気に加速する。


予想外の加速に驚いた猿の胴体に氷の槍が突き刺さった。


「まさか、扇からの突風で魔法を押し出すなんて思いませんでしたよ」


「魔法で作られていると言っても相手に突き刺さるんだから物理的な干渉は受けると思ったの。

上手くいって良かったわ」


残り一体となった猿の魔物はシゾンが抑え込み、その隙を突いてクレアとオヴァーニの攻撃がヒットした事で直ぐに沈黙する。


(お姉ちゃんが前に出なくなったけど……これはこれでやり易いかも)

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