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4人1組

結局、春休みの期間は短いという事もあり寮で大人しくしていたシゾンとクレア。


同じように残ったヨーデル姉妹やエルフ組と街に出る事もあったが、大人しく自主訓練に励む事になった、


「どうかなシゾン……変じゃない?」


2年生になって初めての登校日、クレアは長い銀色の髪を三つ編みにし、制服を着た状態でくるりと回った。


「うん……私の姉が可愛すぎて尊い」


そんなクレアに対してシゾンは親指を立て、だらしない顔で褒めちぎっていた。


結局、色々と吹っ切れたシゾンは今のクレアを本当の姉だと思って接する事にした。


中身がお爺ちゃんだった頃と違い、普通の姉妹がするような普通の生活を送る。


お互いの髪を整えたりアレンジしてみたり、流行りの恋愛小説を回し読みしてみたり。


そうして接していると段々と実の姉のように思えてきて現在に至っているのであった。


「変なこと言ってないで行くわよ」


そう言ってクレアが差し出した手を掴むシゾン。


最近はこうして手を繋いで行動する事が多くなった事も、本物の仲良し姉妹のようでシゾンが嬉しくなっている要因であった。


2人が教室に入ると、最初はいつも通りだった室内が徐々に騒めき始めた。


入学した頃は少女のような見た目であり、夏休みが終わって14歳前後くらいまで成長したとは言え、老練な雰囲気のせいでファンとして推す事はあっても異性としては考えていなかった。


しかし、春休みが明けて急に上品な女性の振る舞いをし始めたクレアに誰もが目を奪われてしまっているのである。


「おっはよ〜って、なんか空気おかしくない?」


「何かざわついていますね」


「あ、良いところに来た!

2人とも、お姉ちゃんを隠すように座って」


遅れてヨーデル姉妹がやってきたので、丁度良いとクレアを囲むように指示する。


それで全てを察した2人は言われるがままにクレアの姿を囲ってその姿を隠した。


周囲からは落胆のような声が聞こえつつも、各々が本来の生活習慣に戻っていくのを感じる。


遅刻ではないものの最も遅い時間にやってきたエルフ2人も合流させた所でエリーとイズの2人が教室へと入ってきた。


「はいはーい、皆んな今年も頑張っていきましょうね。

早速ですけど、2年生からの仕様変更のお知らせがあります」


「2年生からは4人パーティでダンジョンへと潜って行ってもらいます。

どういう組み合わせにするかは各々で考える事。

人数が足りない場合の対処法も用意してあるので、後で私達に聞きにきてください」


突然のエリー達の宣言にざわめくクラスメイト達。


だが、それをチャンスと捉えたのか、一部の人間はクレアの方をチラチラと見ているのであった。


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