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マリア先生 叫ぶ

5-5です。

ご飯を食べ終えたイズは学園の方に用事があるのだと話すので、ナハトはイズについていく事にする。


「主人、本当に重くはないのだな?」


「ええ、昨日も言いましたが全く。

寧ろ安定して非常に良いですね」


メイド服姿に頭にナハトを乗せたイズ。


その後ろには大きな荷車があり、それを押しながら歩いていると、辺りからヒソヒソとした話し声が聞こえてきた。


ナハトは興味を惹かれてそちらの話し声に耳を傾けた。


(やば……天使様じゃん。

はぁ……今日も可愛い)


(天使様、頭に何か乗せてる。

え?ちっちゃいドラゴンとか……かわいすぎ!!)


どうやら噂していたのはイズのファンであるようだ。


キャーキャー騒ぐ女生徒達を見向きもせずにイズは運動場を通って学校方向に歩いていく。


運動場では一部の生徒達が走り込みをしており、その様子をマリア先生が満足そうに見ていた。


「おはようございます、マリア先生」


「これはイズ殿!

おはようございます」


マリア先生は身長2メートルを超える巨漢の体育教師であり、この学校ではファイターの授業を受け持っている。


白のタンクトップに青のジャージという出立ちは実に体育教師らしいのだが、常にフルフェイスの兜を着けていて顔は誰も見た事がないという不思議な謎を持つ教師でもあった。


「こんな朝から自主練にお付き合いですか?」


「ええ、生徒達が率先して動くのであれば、それに付き合うのが教師というもの。

生徒のためとあらば喜んで手を貸しますよ」


「マリア先生は教育者の鑑ですね。

エリー先生にも見習ってほしいものです」


「なんのなんの!

お二人が保健室にいてくださるからこそ、私も安心して生徒を扱き、ダンジョンに送り出す事が出来るのです」


ワッハッハっと豪快に笑いながら(顔は見えないが)生徒達を優しく見守るマリア。


最初こそ異様な風体に距離を取る生徒が多いが、その心情を知り頼りに来る生徒は多い……とても人気のある先生なのである。


「そう言えば……今日はどうでしょうか?

お時間はありますかな?」


「うーん……この後は購買部で装備品の回収して、ダンジョンへの設置。

それとは別件でナハトに学校内を案内してあげようかと」


「おお!我のためにわざわざ……」


それまでは2人の会話に混ざる事なく黙って聞いていたナハトだったが、名前を呼ばれた事で顔を上げて反応する。


それまでは変わった飾りだと思っていたマリアだが、突如動き出したナハトの姿を見るなり、


「か、か、か……かわいいいいいいいい!!」


と叫びだしたのであった。

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