とある一般生徒の呟き 1
モブ目線での学園生活復習回です。
私の名前は……別にどうでもいいですね。
一年生の中では平均的なモブの1人ですから。
何故か夏休み明けで急激に成長したクレアちゃんや、その相棒でもあるシゾンちゃん。
この2人といつも一緒に行動しているヨーデル姉妹。
初日から色んな意味で存在感を出したテッド君。
更には転入してきたエルフの2人などというキラキラとした人達とは違いますから。
二学期も始まった事で気持ちも新たに授業を選択していきます。
この学校では月曜から金曜までは自分が選択した授業を受けることになります。
私はソーサラーなのですが、攻撃系統の魔法に特化するのも良くないので、ソーサラーとプリーストの授業をメインに受けています。
ソーサラーの授業では魔法についての理解を深める講義と、自身の魔力を高める瞑想。
プリーストの授業では神に対する理解を深める神学の講義と、人体の構造の勉強がメインとなります。
幾ら不思議な力で治せるとはいえ、人体のどの部分にどのように作用しているのか?
それらを学ぶ事で魔力の消費量は少なく、されど効果は上がるというのですからヒーラーには必須の授業と言えるでしょう。
ただ、冒険者になるには体力は必須ですので、これらの授業にファイターの授業を織り交ぜていきます。
ソーサラー・プリーストの授業では元冒険者の先生方が受け持ってくれていますが、ファイターの授業はマリア先生が1人で担当されています。
マリア先生は常に頭にフルフェイスの兜を身に付けている変な先生です。
ですが、生徒一人一人に合わせたプログラムを組んでくれており、親身になって接してくれる素晴らしい先生です。
男子・女子に関わらず人気のある先生なのですが、結婚していて愛妻家らしいのですよね。
いつも奥さんの手料理の弁当を持参して美味しそうに食べています……兜を脱がないので実際には分かりませんが。
なぜ兜を付けたまま食事が出来るのか……この学校に纏わる不思議な話の一つなんです。
人気の先生といえば、一学期はあまり見なかったエルフの先生が偶にソーサラーの授業をしてくれます。
エルフだけあって金髪の美形な先生なのですが、喋ると3枚目で、独特の喋り方であっと言う間に生徒達の心を掴んでしまいました。
そう言えば新しく転入してきたオヴァーニさんは、このキンハー先生の妹なんだそうです。
兄妹揃って美男美女なのは羨ましいですね。
こうして平日は授業に費やし、土曜日は週で唯一のダンジョン開放日に実戦経験を積むのです。