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握手会兼クエスト受注イベント開幕

デアンの姿が何処にも見えなくなったのだが、クレア経由のクラリッサ曰く、人に言えない事情があってギルドの事務所の中で世話しているそうである。


何となく察してしまった5人は敢えて彼女の事は語らず、オヴァーニにギルド内の説明をしていた。


「このクエストボードに主な依頼が貼ってあります。

これらを受けた成果や倒した魔物の数によってランクアップしていくわけです」


「ギルドに併設された食堂では、冒険者なら格安だ利用することができるよ。

ただ、この街ではあまり使われていないみたいだけどね」


ヨーデル姉妹がオヴァーニを案内している間、受付の代理を頼まれたクレアとシゾン。


2人が受付に立つと何故か学園の生徒達が次々とクエストを持って受付に並び始めていた。


「薬草の採取じゃな。

これは最低ランクから受けることが出来るからカードの確認はいら……」


「いえ、偽造の可能性もあるので是非確認してください!」


「自分から偽造したカードを持ってきたと言うものはおら……」


「いえ、是非ともお願いします」


学生のあまりの熱にクレアが一瞬たじろぐと、横にいたシゾンがすかさず耳打ちをする。


「お姉ちゃん、ちゃんと確認したほうがいいよ。

それでカードを受け取るときは……」


「ワシはエメリア嬢にそんな受け取り方されてもらってはおらぬのじゃが」


「それはあの人がベテランだからだよ!

慣れてないんだから大事に受け取らないと」


「そ、そう言うものかのう。

大事にお預かりしますのじゃ」


クレアはそう言うと、学生の出した冒険者カードを、その手ごと両の手で包み込むようにしてから受け取った。


「ありがとうございます!!」


「ど、どういたしましてなのじゃ?」


頭を下げつつ大声でお礼を言う学生に困惑しながら返答をするクレア。


もうお気付きかもしれないが、この場で並んでいるのはシゾンが取り仕切るクレアファンクラブの面々達であった。


彼らは依頼を受けてカードを確認する時にちょっとした接触……握手会のような事が行えると察してここにやってきたわけである。


更にシゾンのアドバイスにより、優しく手を包み込んでくれるサービスまで生まれてしまった。


こうして握手会兼クエスト受注イベントは、ギルドのクエストボードが全て無くなるまで続いたのであった。

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