女神の祝福
本日一挙五話更新予定です。
「うーん……何から話したら良いのかな」
「先ずは私が女性になった話を詳しくした方がいいかしら」
「魔大陸の瘴気を払ったことを讃えて叶えてもらった望みという話じゃったな」
先ほどのダンジョンで聞いた話を思い出したナハト。
そんなナハトによく出来ましたと言わんばかりにイズが頭を撫でた。
「そうなんだけど……元々、私は女神の祝福っていう加護持ちだったの。
瘴気を払う役目を担う代わりに、瘴気耐性に加えて各種能力の増加やら何やらと様々なボーナスが貰えるっていうね」
「それがエリー殿の強さの秘密であったか……道理で我が出会った者達よりも遥かに強い訳だ」
「それで私の役目も終わって無事に望み通りの女性の身体を手に入れて、女神の祝福も無くなるかと思ってたんだけど……しっかり残っていたのよね。
それも効果が少し増えた状態で」
「む……それはまさか……」
「そう、女神の祝福の中に性別を変化させるというのが加わっていたのよ。
私はこれのお陰で今も女性でいられるって訳」
自身の大きな胸を張ってそう答えるエリー。
彼女にとって、祝福がかけがえのないものだという事がよく分かる。
「なるほど……それでは主人もその祝福を受けたという事じゃな。
しかし、瘴気を払った後に祝福を受けたというのか?」
女神の祝福とは女神が瘴気を払える素質を持つ勇者に与えた加護である。
しかし、先ほどのイズの話しを聞く限り彼は学校に入学してから加護が与えられた事になるのだ、
そして、このエルリック冒険者育成学校では瘴気の無くなった魔大陸を探索する為の人材を育て施設である。
その事に矛盾を感じたナハトが素直に疑問を口に出した。
「ここからは私が話しますよ。
今なら言えますが、全部僕に責任がある話ですから」
「イズちゃん……」
「大丈夫ですよ。
そのお陰で今の私があって、こうして楽しく幸せな生活を送れている訳ですから。
あの時の自分の行動を赦す気はありません。
でも、この生活を与えてくれるキッカケになったイズモには感謝しているんです」
そう語るイズの姿はまるで無理にイズモという人物とは別人であることを演じようとしているように見えた。
イズモが犯した罪だけは背負って。




