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意外な救援

遠くから爆発音が聞こえる。


「これが合図?」


その音を聞いたシゾンが誰に尋ねるでもなく呟く。


「ええ、間違いありませんね。

間もなく救援が……」


イズがそう言いかけた時、イズの牢屋の格子の一部が細切れにされて1人分通れるスペースが出来た。


「お待たせしました。

皆さんの武器はこちらの方で回収していますので、取り敢えずここから出ましょうか」


そう言って現れたのはギルドの受付嬢エメリアであった。


「すいませんね、貴女の手を煩わせる事になってしまって」


「いえ、元はと言えば姫様がやらかした事が原因ですからね。

いつだったかも分からないほどに昔の話が今になって再燃するとは思いませんでしたよ」


エメリアはそう言いながらも全員の牢を回って、イズの時と同じように格子を切り裂いて人が通れるスペースを空けていった。


その太刀筋は鋭く、速い……シゾンの目を持ってしても全く視認する事が出来ない。


神速の太刀とはこういう事を言うのだろうと思わせる程の剣技であった。


「まさかエメリアさんが動くとは思わなかったよ」


「お久しぶりです」


「はい、お久しぶりです。

ですが今はのんびりお話ししている場合ではありませんからね。

急いで神殿に向かい術式を組み込んだ仕掛けを破壊しますよよ」


アンデルスト家に仕える前にエメリアと面識があったカプスとイリス。


驚いたように声をかける2人を制しつつ7人を誘導し始めた。


エメリアに導かれて、牢屋を脱出した7人は駆けていく。


その途中でエルフ達の妨害があっても良さそうなものだが、里の中は不気味なほどに静まり返っていた。


「人の気配が全くせぬな」


「姫様が張り切ってらっしゃいましたからね。

殺してはいませんし、最終的には元気になる筈なので気にしないでください」


「お兄様……本当に大丈夫なんですか?」


「エメリアはんが大丈夫言うならそうなんやろ。

ええか……間違ってもあの人に逆らおうとか思うんやないで」


キンハーは普段の軽薄さを捨て、真剣な顔でオヴァーニに告げる。


彼女もその雰囲気から感じ取ったのか、真面目な顔でコクコクと頷いた。


「皆さん、あそこが神殿です。

壊すべき紋様は全部で4つあります。

神殿内を把握しているのは私、キンハーさん、オヴァーニさん、後はイズさんも行けますよね?」


「はい、案内しようと気合い入れてる人が見えてますよ」


「私は1人で大丈夫なので皆さんは適当に分かれてください。

壊したら中央の祭壇の間にお願いします」


エメリアはそう言って神殿内に突入していく。


「ほんなら案内は任せたり」


「私も頑張りますね!」


こうして4組に別れたエメリア達は特に手間取る事なく術式を破壊し、ほぼ同時に祭壇の間へと突入したのであった。

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