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エルフの生態

「わいの話をする前に姐さんにはエルフという存在を知ってもらう必要がありまんねん。

姐さんはどこまで知ってはるかにもよりまっけど」


「エルフのう……長寿であり、神木のある里から出ることは殆ど無いとされておる種族じゃな。

手先が器用で弓と魔法が得意な者が多い。

後は肉類が食べれないという話を聞いた事があるかのう」


「前者については大体がその通りですね。

しかし、肉類が食べれないということはありませんよ」


「ふむ、ワシもこの話には違和感を持っておったのじゃよ。

森で弓が得意になる理由は狩りが殆どであろう?」


「この話の原因は過去に外に出たエルフが偶々肉類が食えなかっただけやと思うんやけどね。

ま、一般的な知識はそのくらいで、ここからが本当のエルフの生態の話になんねん」


一拍置いて、キンハーから今までの軽薄なオーラが消える。


「わいらエルフは人間と違って膨大な魔力を持ってる……その反面、自分達の身体機能で魔力を生み出すことは出来へんねん」


「ふむ……つまり、人間は寝たら次の日には使った魔力が回復するが、エルフは減ったままで回復する事は無いという事かの」


「姐さんは話が早くて助かりますわ。

ただ、全く回復できないというわけではなく、神木から溢れ出るマナを吸って回復する事ができまんねん。

これが神木から離れられず、神木が枯れたらエルフが滅びると言われる一番の原因ですわ」


「確かにそれならば神木から離れるのは難しそうじゃな。

キンちゃんは大丈夫なのかのう?」


クレアがそう尋ねるとキンハーは以前戦った時に使ったトンファーを取り出した。


「ワイにはこれがありますさかい。

外では魔力を極力温存する事が出来るんで大丈夫でんねん。

正直、わいはエルフの生活はこのままやとダメやと思っとります。

里に引きこもって外界なんて分け隔て、自分達の生活を全て神木に縋って預け、その為に産まれてくるハイエルフの巫女を酷使する。

別に神木を否定する気はあらへんよ。

でも、自分達の生活や命の手綱を全部任せっきりにするのは間違っとる。

せやから、里を飛び出したんや。

もっと外の世界を見て見聞を広めるため、里の生活を根本から変える方法を探るために」


「兄上……そんな深いお考えが……」


「ふむふむ、それでキンちゃんには何か目処が立っておるのかな?」


「まぁ、当たり前のことしか思い浮かばへんって事が分かったね。

神木の有無に関わらず、外の世界と交流する。

そうせん事には神木の力もいつか破られるし、神木が尽きるのが先かもあらへん。

そうなる前に動くっちゅうのが大事やと思うで」


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