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11歳:同居

 それから季節はめぐり、玲音とアイリは11歳になった。


 相変わらず二人とも子供だけれど、アイリは少し女の子らしくなって、玲音はその仕草に少しドキリとすることも多くなった。


 学校では二人は別のクラスだけど、たまに目が合うとアイリは微笑んでくれた。

 そんなとき、玲音もアイリに微笑み返す。


 二人が婚約者だというのは、いつのまにか学校には噂で知れ渡っていて、よくからかわれた。

 でも玲音もアイリも恥ずかしからず、堂々としていたから、そのうち誰も気にしなくなった。


(俺が悪口を言われたとき、アイリが「見神くんはわたしの理想の婚約者だもん」なんて言ってくれたのは嬉しかったな)


 玲音の悪評は今ではすっかり消えてしまった。玲音自身がまともな行動を取ったためでもあるが、アイリが玲音を褒めて回ったことも大きいと思う。


 玲音はアイリに感謝していた。

 これからも、この婚約者関係が続く。


 玲音はそう思っていたが、ある日、事件が起きた。


 激しい雨の降る日。夜遅くの午後十時、見神家の屋敷のインターホンが鳴った。

 使用人の一人が慌てて、玲音を呼びに来る。


「その……新城アイリ様が……」


 アイリの身になにかあったのかと思い、玲音はひやりとする。

 それは半分は当たっていた。


 玄関には、涙目のアイリがいた。ワンピース姿が綺麗だけれど、殴られたのか、頬が赤い。


「し、新城さん! どうしたの?」


「あのね……お父さんに……」


 暴力を振るわれたらしい。それで逃げてきたようだ。

 玲音は頭に血が上るのを感じた。


(実の娘に暴力を振るうなんて……)


 それに、今は玲音の婚約者だ。アイリに危害が加えられるのは、見神家に危害が加えられるのと等しい。

 それは玲音の母・愛乃も同じ考えのようだった。


 駆けつけた愛乃は、憤慨した表情を浮かべると、こう断言した。


「アイリちゃんは、玲音くんの婚約者。なら、うちの家族同然。アイリちゃんがひどい目にあうのを見過ごす訳にはいかないわ」


「あ、ありがとうございます……でも……」


 見神家の介入で、ますますアイリは自分の実家での立場が悪くなるのを気にしているようだった。

 けれど、愛乃は微笑んだ。


「心配しないで。アイリちゃんは、しばらくは見神家で預かるわ」


 こうして、玲音とアイリの同居生活が始まった。




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