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義妹


「琴葉が養子……?」


「はい。私はお父さんの友達の子供らしいんです。事故で両親が亡くなって、うちに引き取られて……だから……」


 考えてみると、母の愛乃は、玲音と琴葉に対する態度がかなり違った。愛乃は玲音を掛け値なしに溺愛しているが、琴葉に対しては少し淡々としている。


 もちろん、冷たいというほどではなく、普通に親切ではあるのだけれど、その差は実の子供かどうかの違いなのだろう。


 琴葉がぎゅっと玲音にしがみつく。


「だから、兄さんが家族って言ってくれて嬉しかったんです。それに、これまでのことだって、兄さんは私を養女だって知らないから、家族だと思っているから、遠慮なしに接してくれていたということですものね?」


「ま、まあ、うん。そのとおりだよ」


 元の玲音少年はそこまで考えていないと思う。

 ただ、とりあえず、琴葉の問題は解決できそうだ。


「ね、ね? 兄さん。今日は休みですから、一緒にお出かけしましょう?」


「もちろん」


「やった!」


 琴葉が子供らしくはしゃぐ。大人びた性格だけれど、琴葉はまだ9歳なのだ。

 

「あっ……でも」


 琴葉が急に顔を曇らせる。


「どうしたの?」


「兄さん、午後から用事があるんですよね? その、お見合いが……」


「え? お見合い?」


「はい。兄さんは見神グループの後継者ですから、名門の家の女の子と婚約するんです」


 いわゆる政略結婚だ。まだ小学生なのに、と玲音は驚いた。

 琴葉が頬を膨らませる。


「べつに断ってもいいと思うんです。きっとお母さんなら、兄さんのわがままなら聞いてくれます」


「そ、そうかな?」


「はい。た、たとえばですよ? 兄さんと私は義理の兄妹だから、結婚だってできますし」


「へ!?」


「だ、だから、たとえばの話です。でも、大人になっても、兄さんが結婚相手にしてもいい相手が見つからなかったら、私を選んでくれてもいいです」


「こ、琴葉はそれでいいの?」


「兄さんよりかっこいいと思える人が見つからない気もしますし」


 琴葉は頬を赤くして、そんなことを言う。

 妹と良好な関係を築こうとは思っていたけれど、ここまで好かれるのは予想外だった。


「とりあえず、午前中は何の用事もありませんし、一緒に部屋で遊びましょう?」


 琴葉がうきうきとした様子で言う。

 とりあえず、順調な滑り出し……なのだろうか?




 









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