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【完結】吸血鬼の救世主に転生した陽キャ女子が異世界で無双代行する話。  作者: ハニィビィ=さくらんぼ
最終章:無双代行の結末
465/514

465―空中城塞攻略⑫・三戦

実際中に入ってみて、一番に驚いたのは空中城塞(ここ)・・・外と中の比率がおかしすぎる!!


明らか外観の建物に収まりきらないほどに、内部構造が複雑で広い・・・。


「ミラ様。この建物、空間魔能の一種で圧縮空間になっているようです。」


「ああ一目で分かるよ・・・。」


一体どこをどう探したらいいか・・・。


バラバラに行動すんのは当然だけどリスクが高い。


敵は少なくとも、あと3人。


アクメル、ソール、ノイエフ。


それぞれに分かれて敵・・・特にラスボスであるアクメルとかち合ったら、それこそ一巻の終わりだ。


アイツはあたしと同じ❝調定者(エリクセル)❞。


アイツとまともに戦えんのは、正直あたししかいない・・・。


となると・・・。


「とりあえず上を目指そう!アクメル達もきっとそこら辺にいると思うから。」


無難な考えに至ったあたし達は、正面の他よりも幅が広い階段を上りだした。


その間あたし達は、軍蟻種(ハーレンメイル)とかに遭遇することはなかった。


やはり連中は外の守りに徹しているのか。


となると、中までたどり着いた侵入者を相手すんのはやっぱり・・・。


「ミラッッッ!!!」


そう思った次の瞬間、物理攻撃無効のあたしの顔に何かが当たった。


これは・・・矢?


ってことは・・・!?


「安心しろ。ただの()()だ。」


「やっぱりアンタか・・・。裁弓雄(ノイエフ)ッッッ!!!」


左側に伸びた通路から、弓を持ったノイエフが『コツ・・・コツ・・・。』っとブーツを鳴らしてゆっくり歩いてきた。


「よくここまで入ってきたな。目障りな吸血鬼ども。」


あたしは身構えた。


一時的とはいえ、コイツは第二次ミラ討伐戦で一回あたしを()()()ことがある。


油断はできない。


それもあるし、何よりコイツは・・・ファイセアさんとアルーチェさんの仇!!


絶対見過ごすワケには・・・え?


戦う気満々だったあたしを制止するかのように、グレースちゃんが前に立った。


「ここは私に任せて、みんなは先に。」


「ちょっ!?グレースちゃん何言って・・・!!ここは全員でやるべきじゃ・・・。」


「大厄災まで残された時間はもうあまり残ってない。コイツは私は引き受けるからミラ達は行って。」


「でもグレースちゃん!!そいつ強いよ!?一人だけ残すワケには・・・!!」


「私だって十分強くなったよ?その証拠に、400年以上も故郷を奪ってきたコイツより強いヤツ、倒したんだから。見くびってもらったら困るよ?」


自信あり気な笑みをこっちに向けてくるグレースちゃんに応えるために、あたしも腹を括った。


・・・・・・・。


・・・・・・・。


「絶対勝ってよ?先行って始めとくから。」


「うん!じゃあ、また後で。」


グレースちゃんにノイエフのことを任せることにして、あたし達は再び先を急ぐことにした。





◇◇◇





「随分と苛立つことを言ってくれたな。まるで俺が、お前より弱いみたいに。」


「実際弱いでしょ?あなた第二次ミラ討伐戦(この前)、私に倒されかけたじゃない?あの時は横槍が入ったけど私・・・その邪魔をしたキイル(あなたの先輩)、倒したんだよ?」


「知っている。それで吸血鬼の国の王になったこともな。ミラの力を間借りしただけで、粋がるなよ?」


「だったら試してみなよ?あなたとやり合うのもこれで3度目だし、いい加減決着を着けないとね。」


「上等だ。ミラとお前に殺された仲間達の仇・・・ここで必ず討ってやる。」


グレースとノイエフは静かに見合った。


暫しの沈黙の後、両者素早い速度で同時に弓を撃つ。


グレースの血の矢とノイエフの魔能の矢が、華麗とも呼べる真っ直ぐな軌跡を描き、激突した。

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