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【完結】吸血鬼の救世主に転生した陽キャ女子が異世界で無双代行する話。  作者: ハニィビィ=さくらんぼ
第一章 : 救世主の復活
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3―甦った救世主

ちょ、ちょっと!


何言っちゃってんのこの人達!?


あたし吸血鬼よ!?


人間の天敵としてファンタジー世界で恐れられてる()()吸血鬼よ!?


それが何で人間であるアンタ達が逆に血を抜き取ろうとしてんのよ!?


もしかしてこの異世界、システム的なモンがバグっちゃってんの?


もう〜!!


勘弁してよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


はぁ、はぁ、はぁ・・・


心の中でゴネてたって状況は変わんないか・・・


とりま急いで身体を動かしてコイツら倒して逃げないと。


んっ、んっ、んっ!


あとちょっとで動かせそうなのに、どうにも手足がかたまっちゃってる。


まるで金縛りにでもかかったみたい。


ダメだ。


やっぱ動きそうにない・・・


せめて薄目でも目を開けて、周りが今どんな風になってんのかだけでも確かめないと。


うわっ。


ちょっと眩しい。


見た感じ、なんか病院の手術室みたい。


レンガ造りだけど灯りは白いし、色んな器具とかがテーブルに並べられてるし。


えっ、ちょっとゴメン。


アンタ、その()()()()()()()()()()()()()()()みたいなのどうすんの?


ッッッ!?


ウソ!?


まさかそれ、あたしの首に刺すの!?


そっ、そんなん刺されたら、あたしホントに血を全部抜き取られて干物みたいになっちゃうでしょ!!


やだやだやだ!!


クソ、動け!


頼むから、動いて・・・


ううっ・・・


ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!




◇◇◇




「はあ・・・やっと準備OKかよ?」


「おう、悪ぃ悪ぃ。」


「ちゃっちゃと血抜き取って運び出しちまおうぜ。なんせコイツの血液を欲しがる連中はたくさんいるんだからよ。」


「分かってるよ!それじゃ早く済ませるとす・・・」


ガシッ!!


「ッッッ!?」


「ん?どした?」


「ウソ、だろ・・・コイツ、まだ・・・!」


ブォン!!グシャ!!


「ッッッ!!なっ、何だ!?」


「ウ、ウウ・・・」


「やっ、やめろ・・・来んな!!」


「グゥゥ・・・ガァァァァァァァァァァァァァ!!」


ドシャ!!ガブッ!


「ああああああああああああああああああ!!あぐっ、かはぁ・・・」


じゅる、じゅる、じゅる、じゅる・・・





◇◇◇




はぁ、やばっ。


どうしよ・・・


異世界転生してまだ5分くらいしか経ってないのに、もう人を二人○ろしちゃったよ・・・


一人は気絶させようと思って腕掴んで壁にブン投げたけどそのまま動かなくなるし、もう一人はなんかもう訳わかんなくなって押し倒して首に噛み付いたら身体中の血全部吸っちゃうし・・・


ああ、何てコトしちゃったんだろあたし!!


でも何もしないでジッとしてたらやられてたのはあたしの方だったワケで・・・


これって正当防衛になんのかな?


う〜ん・・・


よし!!


いつまでもここでくよくよしたって仕方ない!!


取り敢えず今はここから逃げることだけ考えないとっ。


そのためにまず何をしたらいいか・・・


チラッ・・・


この人達の服着て味方のフリするか・・・


なんかこの服、よくゲームとかで見る神官の衣装と医者が着る白衣を混ぜたようなカッコだな。


うん!


サイズはちょっとブカブカだけど、何とか着れてよかった。


ああ、いけないっ。


一人身ぐるみ剥いで丸裸にしちゃったから俯せにさせないと。


人間じゃなくなったからって言っても、あたし心は日本人のJKだから、モロに見るのはちょっと・・・


よし!それでは、行くとしますかっ。


おっと、せめて手くらいは合わせないと。


いきなし○ろしちゃって本当にごめんなさい。


天国に行けることを心より願っています。


なんで、化けて出ないで下さい!


もうこれで大丈夫でしょ。


えっ〜とそれで、どっちに行けばいいんだろ?


こっちかな?




◇◇◇




カツン、カツン、カツン、カツン・・・


なんかここ、ジメっとしててヤなカンジ。


まるで刑務所みたい。


出口は一体どこなんだろ?


おまけに部屋もたくさんあるし。


こりゃマジで迷いそう。


ん、ここは何の部屋なんだろ?


う〜ん、こっちの明かりが反射してるせいでよく見えないなぁ。


・・・・・・・。


・・・・・・・。


なんか今のあたし、めっちゃ美人に仕上がってない!?


いや顔立ちは前のあたしと全く変わってないんだけどさ、それでもこの、紅く輝く目とサラサラのプラチナブロンドの髪よ!!


いやぁ、自分の美貌が正直恐ろしいわぁ〜!


これならモテモテで何かと不便するんだろうなぁ♡


「〜〜〜〜〜〜〜。」


ヒャッ!!


何、あっちの方からなんか声が聞こえてきた。


誰か、いるの?


そっ〜と・・・


なっ、何これ?


部屋に大きな檻がたくさん並んでて、その中に吸血鬼がいっぱい捕まってる。


「〜〜〜〜〜〜〜。」


「〜〜〜〜〜〜〜。」


やっぱそうだ。


さっきの声はこの人達が話してたんだ。


「ッッッ!?やっ、やめろ。やめてくれ!!」


は?


「お願い!せめて子どもは見逃して!!連れていくのは私だけにして!!」


何言って・・・


あっ、そうだ!


この格好してるから、てっきりさっきの連中の仲間だと思ってるだ。


とにかく落ち着かせないと。


「安心して。あたしは味方だから。ほら、目赤いし、牙も生えてるでしょ。」


薄暗いけど見えてるかな?


あっ!ちょうど窓から月明かりが。


これならハッキリと見えるっしょ!


「そ、そんな馬鹿な・・・」


え?


「あなた様は、死んだはずでは・・・」


ん?


「だがそのお顔、間違いない。まさか、死後の世界より、戻ってきて下さったと、いうのか・・・」


「ああ、そうだ。そうに違いない。」


「奇跡よ。奇跡が起きたのね、私達に。」


えええ、ちょっと!!


何みんなして両膝ついてお辞儀なんかしてんのさ!?


やめてよリアクションに困るから!


「「「偉大なる吸血鬼(われら)の救世主。“救血の乙女”・ミラ様。」」」


わ?


「「「我らの許にお戻りになってくれて、本当にありがとうございます。」」」


・・・・・・・。


・・・・・・・。


・・・・・・・。


もしかしてあの子、あたしが思ってたより軽く1000倍はすごいヤツ、だった・・・?


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