best friend
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『 今日は新月で星がよく見えるそうです。
観察日和ですね ~ !! 』
そんなニュースを思い出して俺は屋上に向かった
長い階段を登って、やっと着いた頃
華奢な人影に声をかけていた。
「 なんで、ここにいるんだよ。」
彼女は笑った。
「 ふふ、びっくりした? 」
俺は頭がついて行かなった。
なんでお前が____。
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目覚ましが鳴り、学校のチャイムが鳴り
いつも同じ日々の繰り返し。
俺は家路につきスマホの通知に気づいた。
いつの通知か見てみると授業中に来てたらしい。
俺の学校は授業中のスマホは禁止だ。
他校の友達からの連絡だろうか。
その予想は見事に外れていた。
連絡してきたのは俺の親友だった。
すごく良い奴で、人望もあって、美人の優等生
何故か不登校ではあるが。
メッセージの内容は
ひま
ただその一言だけだった。
ただその一言だけに俺は違和感を感じた。
ごく普通の雑談なのに、どうしてか____。
そんな事には気づかないフリをして
すぐに返信をした。
最近のマイブームだとか、勉強がどうとか
ごく普通の雑談。
それでも楽しく思えた。
家のテレビからはニュースが流れていた。
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その日の夜
俺はニュースで星が綺麗に見える事を思い出し
マンションの屋上に向かった。
長い階段があるとはいえ、苦には思わなかった。
登り終え始めに目に付いたのは
「 なんで、ここにいるんだよ。」
紛れもなく、___親友だった。
華奢で色白、髪はサラサラしてて美形。
周りからのも注目の的で人気者で
明るくて可愛い親友。
そんな彼女が笑った。
「 ふふ、びっくりした? 」
悪戯げな笑顔だった。
「 なんかさ ~ 暇だから来ちゃった 」
「 お前、家遠いよな? 」
そう、学校は同じだが家はすごい離れてる。
なのにこんな夜にどうしてここにいるのか。
彼女は目を伏せ笑いながら言った。
「 ほんとはつらくて 」
彼女からは沢山の弱音が吐かれていった。
何時間にも渡って話してた。
驚いた。今まで弱音を吐かなかった彼女の
初めての弱音。
それと同時に悔しかった。
気づけなかったこと。
寄り添えなかったこと。
「 飛ぼうと、思ってたんだ。」
って彼女が呟いた。
俺が来なかったらきっと飛んでたって
笑いながら言った。
俺は言葉が出なかった。
でも伝えたいことが浮かんだ。
「 ..どうしたの ?? 」
耳元での彼女の声を聞いて気づいた。
俺は彼女を抱きしめてた。
「 勝手に独りになって 勝手に居なくなんなよ。
人の気持ちも考えずに . .消えんなよあほ。」
抱きしめながら放った言葉。
彼女がどんな表情をしてたかはわからないが
泣いていた。2人とも。
そして誓ったんだ。
もう二度と離れたりしない って。
絶対に自分を 親友を守るって。
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それから何ヶ月経っただろうか。
彼女は学校に来るようになり
徐々に元通りになっていった。
放課後, 彼女が話があると言い一緒に帰ることにした。
「 話って,どうしたんだ? 」
彼女は俯きながら歩きこう言った。
「 あの時助けてくれてありがと。
私,救われたんだよ。傍に居てくれてありがと。」
「 いや,別に...」
俺は恥ずかしくなり素っ気ない返事をした。
彼女は続けて話し出した。
「 だからね,1つ我儘聞いて欲しくて 」
「 我儘? 」
彼女は俺の手を取り言った。
「 私のヒーローは君なの。
これからも傍に居てください。」
俺はすぐに気付いた。
彼女の頬が火照ったことに。
すぐに答えは出た。
「 俺のヒーローもお前だ。
これからも,何があっても守るから、」
一息吸い込む。
「 俺と付き合ってください。」
「 ..はい! 」
彼女は嬉しそうに泣いていた。
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