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best friend

作者: 雪

best friend

____________________


『 今日は新月で星がよく見えるそうです。

  観察日和ですね ~ !! 』


そんなニュースを思い出して俺は屋上に向かった


長い階段を登って、やっと着いた頃


華奢な人影に声をかけていた。


「 なんで、ここにいるんだよ。」


彼女は笑った。


「 ふふ、びっくりした? 」


俺は頭がついて行かなった。


なんでお前が____。

____________________


目覚ましが鳴り、学校のチャイムが鳴り


いつも同じ日々の繰り返し。


俺は家路につきスマホの通知に気づいた。


いつの通知か見てみると授業中に来てたらしい。


俺の学校は授業中のスマホは禁止だ。


他校の友達からの連絡だろうか。


その予想は見事に外れていた。


連絡してきたのは俺の親友だった。


すごく良い奴で、人望もあって、美人の優等生


何故か不登校ではあるが。


メッセージの内容は


    ひま


ただその一言だけだった。


ただその一言だけに俺は違和感を感じた。


ごく普通の雑談なのに、どうしてか____。


そんな事には気づかないフリをして


すぐに返信をした。


最近のマイブームだとか、勉強がどうとか


ごく普通の雑談。


それでも楽しく思えた。


家のテレビからはニュースが流れていた。

_____________________


その日の夜


俺はニュースで星が綺麗に見える事を思い出し


マンションの屋上に向かった。


長い階段があるとはいえ、苦には思わなかった。


登り終え始めに目に付いたのは


「 なんで、ここにいるんだよ。」


紛れもなく、___親友だった。


華奢で色白、髪はサラサラしてて美形。


周りからのも注目の的で人気者で


明るくて可愛い親友。


そんな彼女が笑った。


「 ふふ、びっくりした? 」


悪戯げな笑顔だった。


「 なんかさ ~ 暇だから来ちゃった 」


「 お前、家遠いよな? 」


そう、学校は同じだが家はすごい離れてる。


なのにこんな夜にどうしてここにいるのか。


彼女は目を伏せ笑いながら言った。


「 ほんとはつらくて 」


彼女からは沢山の弱音が吐かれていった。


何時間にも渡って話してた。


驚いた。今まで弱音を吐かなかった彼女の


初めての弱音。


それと同時に悔しかった。


気づけなかったこと。


寄り添えなかったこと。


「 飛ぼうと、思ってたんだ。」


って彼女が呟いた。


俺が来なかったらきっと飛んでたって


笑いながら言った。


俺は言葉が出なかった。


でも伝えたいことが浮かんだ。


「 ..どうしたの ?? 」


耳元での彼女の声を聞いて気づいた。


俺は彼女を抱きしめてた。


「 勝手に独りになって 勝手に居なくなんなよ。


  人の気持ちも考えずに . .消えんなよあほ。」


抱きしめながら放った言葉。


彼女がどんな表情をしてたかはわからないが


泣いていた。2人とも。


そして誓ったんだ。


もう二度と離れたりしない って。


絶対に自分を 親友を守るって。

______________________


それから何ヶ月経っただろうか。


彼女は学校に来るようになり


徐々に元通りになっていった。


放課後, 彼女が話があると言い一緒に帰ることにした。


「 話って,どうしたんだ? 」


彼女は俯きながら歩きこう言った。


「 あの時助けてくれてありがと。

  私,救われたんだよ。傍に居てくれてありがと。」


「 いや,別に...」


俺は恥ずかしくなり素っ気ない返事をした。


彼女は続けて話し出した。


「 だからね,1つ我儘聞いて欲しくて 」


「 我儘? 」


彼女は俺の手を取り言った。


「 私のヒーローは君なの。

  これからも傍に居てください。」


俺はすぐに気付いた。


彼女の頬が火照ったことに。


すぐに答えは出た。


「 俺のヒーローもお前だ。

  これからも,何があっても守るから、」 


一息吸い込む。


「 俺と付き合ってください。」


「 ..はい! 」


彼女は嬉しそうに泣いていた。

______________________

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