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2−1 ドジっ娘のじじょー

 異世界に来てから二週間が経ちました。どうも、ルリア=シエスターです。

 この二週間の間に色々ありました。例えばこの世界の知識を身につけるために図書館通いしたり、女の子の日を初体験したり、図書館でエルフと出会ったり、あぁ後は一人称が僕から私になったりとかした。例えばって言うか大事な事全部言っちゃったな。ここら辺の話はまぁ多分いつか語ることになるだろうけどね。

 ちなみに今私はカフェでパフェを食べている(めっちゃ韻踏んだな)。いちごがごろごろ入ってるいちごパフェだ。私はこのイチゴですら酸っぱいと感じてしまうほどの甘党なのでパフェと言う食べ物が大好きだったりする。しかも今の私は美少女だ。ピンク髪のかわいいかわいい美少女なのだ。自分も幸せだし周りも幸せなのだ。実質世界平和といっても過言ではない(過言だけど)。ぱくぱく、うまー! ぱくぱくぱく、うまうまーー!!

 ふぅ、美味しかった。ちゃーんと紙ナプキンで口を拭く。私はドジっ娘じゃないのでね!


 あぁ、春の陽気というやつなのだろうか。ポカポカして暖かい。こんなに暖かいと眠くなってきてしまう。ちょうど花粉が過ぎていった時期に死んでよかったと思う。この世界にもスギが蔓延っているらしく、毎年花粉に脅かされてる私としては春の中で一番ちょうどいい時期だろう。春が好きになれない理由の一つが1年後ぐらいまで来ないのだ。これほど嬉しいことはそうそうない。ふわぁ……それにしても眠いn──

 や、やばい何も無いとこで転ぶところだった危ない危ないっと──あ、やべもっかい転びそうになったおっとっとっと……って前に人がいる! ぶっぶつかる!


 (どがっ)


「すっすみませんすみませんぶつかってしまってすみません! 私の足がドジなんです!」

「はわわ、そんなに謝らないでください! こっちもよそ見をしてたのであなただけのせいじゃありませんっ!!」

「ありがとうございます……ってあれ?」


 私がぶつかってしまったこの子、体が全くと言っていいほど微動だにしていなかった。ぶつかる前と殆ど変わりがない、踏ん張ったのだろうか? だとしても見たところ筋肉質にも見えないのだ。さっきの転んだ時の勢いは「いっけなーい遅刻遅刻!」と言いながら曲がり角でぶつかった時と同じぐらいだった(と思う)、しかもよそ見をしていたと彼女は言っている。どう考えてもこの状況はおかしいのだ。おかしいと言うか、気味が悪いのだ。イメージとしては「どう見てもパワー系の巨漢に痩せ型の主人公キャラが力比べで勝ったとき」ぐらい気味が悪かった。

 でも私が今ぶつかってしまったこの子は、今までこの世界で見てきた美少女の中でもとりわけ、かわいい美少女だったのだ。


「ど、どうされたのですか?」


 あ、語りが長くなりすぎて変に心配されちゃった。語ってる間にも時間は過ぎてるしね、仕方がないね。


「いえいえ、なんでもないですよあはは……」

「あなたが無事で何よりですっ」

「あっははは……」

「ところで……あなたが宜しければ少しお話しいいですか?」


 誘い方宗教勧誘かよ。

 まぁでもこんな可愛い子だからこそ、そう言うのはあり得る。それが例え異世界だとしてもだ。


「とりあえずそこのカフェでお話ししませんか?」


 ほーら、どう考えても怪しいって。こんなの宗教勧誘じゃなかったらただの人を誘うのが下手くそな子だよ。さっきとは別の理由で気味悪くなってきたよ。あとしかも私今さっきそこの店から出てきたんだよ? 店員さんびっくりしちゃうよ? いくらよそ見してたとはいえそれはなくない?


「……怪しいやつじゃないんですよね?」

「怪しいやつ、とは……?」


 しらを切っているのだろうか。もしもこれが宗教勧誘じゃなかったらなんの罪もないのに疑いをかけられてる可哀想な子じゃないか。もしほんとにそうだとしたら、私が悪者みたいだな。


「……ほんとーに怪しいやつじゃあないんですよね?」

「多分怪しいやつ(?)じゃないはずです」


 これは信じて良いのだろうか。いやまあどうせこう言うのってついて行かないと話が進まないパターンだろうしついて行くべきなんだろうけどさ、最悪人生が狂いかける可能性がある駆け引きなんだよこれ。だいじょばないだろ。今度はカイジの気分ってか? やめてくれよ、本当に。困るとかそういうのを超えちゃってるよ。


「……じゃあ少しくらいなら……」

「あっありがとうございますっ。です!」


 この賭け、もうノってしまうしかないだろ。さぁてさて、どんなツボを紹介されるかな?


 と、ここで先にネタバレします。宗教勧誘じゃありませんでした!! さーせん!!!



 まさかまさかよもやよもやホントにマジで宗教勧誘じゃなかっただなんて。彼女にはずいぶんとひどいことをしてしまっていたよ……

 彼女が私と話したかった理由はどうやらこれから冒険を始めたいけれど一人では不安なので誰かのチームに混ぜてもらうにはどうすればいいかを聞きたかったかららしい。勿論無論、私は私のチームに入らないかって誘ったよ。そしたら「い、いいんですか!?」って言いながらOKされました。この子の職業は『ライトナイト』と言うらしい。まぁ要するに軽騎士ってやつだ。


「まさかソフィーの相談相手になってくれた人がチームに入れてくれるだなんて……まさに感謝感激雨あられです!」


 おっと、そういえばまだ彼女のことについて話していなかった。見た目とか解説しないとイメージしづらいだろうからね。

 この子の名前は『ソフィー』人助けがしたくて冒険に出ると決心したらしい。騎士服を着ていて青髪。髪型はソフィー本人から見て右側に長いサイドテールと言った感じでなんと言っても可愛い。かわいい、かわいいのだ。あのとき一瞬でも彼女のことを気味悪く思ってしまった自分を今から殺しに行きたいほどに、彼女は可愛かったのだ。


「その、少し馴れ馴れしいかもしれないのですが……今から試しにクエストを一緒に受ける事ってできますか?」

「もちろんオッケーだし馴れ馴れしいぐらいがちょうど良いよ」

「ありがとうございますっリーダーさん!」


 りりり、リーダーさささささん!? この子は人を落とすプロなのか!?

 あーやばい、ほんとにかわいい。この子が仲間になってくれるってマジですか?こんなに可愛い子だとあの変態が襲ってしまうんじゃないか? もちろん性的な意味で。


「それではリーダーさん。ギルドへ向かいましょう!」

「まぁ私が案内しないと場所分かんないだろうからちゃんと着いてこいよ?」

「な、なんでソフィーがギルドの場所を知らないことを知ってるんですかあ!」

「あーかわいいなぁもう(それぐらい顔を見ればわかるよ)」

「か、かわ……」


 あ、やべ格好つけようとしたら逆になっちまった。


「……早く行きますよ、リーダーさん」


 うつむきながら言うの可愛すぎかよぉ!!!!

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