5−3 愛から生まれたディスガスト
〜ソフィーとリリスの会話〜
「クモユリさん! ヒナタさんが音楽家だって言ってましたけどどんなのを作ってるんですか?」
「…………いろんなの」
「ソフィー、アイドルやってるんですよ! 是非クモユリさんが作った曲で歌いたいです!!」
「…………考えてみる」
「あとヒナタさんの絵ってすっごい上手ですね!」
「…………当然。アオちゃんだもん」
「クモユリさんの誕生日っていつなんですか?」
「…………質問攻めなの?」
「そう言われてしまうとそうとしか言いようがないですねっ!」
「…………全力で全部答える……!」
〜セツナ&リサのバトル〜
「セツナ! 大食いバトルをするわよ!!!!」
「大食いって……お祭りあるのに?」
「だってあのラングドシャ、すっごい美味しかったじゃない! きっと他にも美味しいものがたくさんあると思うのよ!」
「まぁそうなんじゃない? そこからバトルに発展するってのが意味不だけど」
「まずはあそこのラーメン屋から行くわよ!」
「ここからでもくっさい香り漂わせてるし一応美味しいんでしょうね。わたしは食べないけど」
「なんでよう!」
〜そして主人公の私〜
折角文字数稼げそうな展開なのに500文字も使わずに終わらせちゃうの勿体ないなーとか思いつつ私はターコイズの家を探索していた。
と、言っても皆さん知っての通り1階は探索済みなので地下がないか探してるんだけどね。
障子を開けて庭に出てみた。明るくて暗い夕焼けが私を照らしてる。きれ〜だなぁ。じゃなくて地下っと地下地下。お? なんかドラクエの階段みたいなのあるな、不自然に。
こんなん降りてくださいって言われてるようなもんじゃん。
ザッザッザッザッ(あの音)。
中は意外とさっきの空より明るかった。ここにも色々飾ってあるけど、1階と違って人物画が多いな。
ん? 机があるな。作業机か?
『歌詞ノート』と『㊙︎歌詞ノート』が置いてある。
_人人人人人人人人_
> ㊙︎歌詞ノート <
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┃ これは見てねってフリなのかな?? ┃
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ルリア
(パラパラ)
ん〜どれどれ?
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『インサイドLOVE』
伝えたいんだこのキモチ まっすぐキミの眼を見て
今云いたいんだ “大好き”だって ずっとずっと
内側に眠る想い 今 今 目覚めだして
起きたばっかのこの想い 今 今 吐き出したい
夢観てるようで うわのそらな私
どうせならこれが 夢ならいいのにな…
愛するだけの哀しい世界 終わりを告げる藍の空に
(あぁ…) 太陽と一緒に沈んじゃいたいな……
ココロの中では いつもいつも ハートマーク リズム刻む
なんでこんなに好きなんだろ? ココロの中 やきもきちゅう
魔法よりも強いキモチ やっぱキミに伝えたい
不器用な私だけど…いや、だからこそ
「私の傍にいてくれませんか?」
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「…………」
そっ閉じした。
『…………誰かの気配がする……』
リリスの声が響いて来た。や、やべーっ!! まずい、私だったらこんなノート見られたら恥ずかしすぎて破壊の限りを尽くしてしまう──つまり、これを見てたことがバレたら殺される!!! どうにかして生き延びなければ!!!
「…………あ、ラピスラズリなんとかーさん」
「ルリアです」
「…………そんな名前なんだ。ところであなたはなんでここにいるの?」
ここで無理に嘘つかなくていいだろ。
「庭に階段があったから気になって降りたんだよ」
「…………確かにこんなのあったら気になるよね」
「そ、そうですよね〜〜!」
「…………そこの机に置いてるノート、見た?」
「何言ってるんですか人のノートを勝手に見たりする訳ないじゃないですか〜」
「…………もしもそのノート見てたらここで殺してた」
「またまたご冗談を〜〜」
危ねェーーー! ホントに危ねェーーー!
「…………そのノートはアオちゃんへの想いを綴った詩を残しているの。最初は絶対アオちゃんに見せるって決めてるの」
頬を赤らめながら言うなこっちが恥ずかしい。それにしてもこの子思ったより痛い子だな。
「…………アオちゃんはリリスの幼なじみでリリスの初恋の人アオちゃんが言うことはなんでも従うしアオちゃんが決めたことは何がなんでも貫いちゃうアオちゃんは何より顔がかっこかわいくて性格も弱きを助け強きをくじくって感じだしリリスぐらいになっちゃうと声を聞いただけでもアドレナリンが放出して頭がとろけちゃうもんほんとにずるいよねアオちゃんはリリスはこんなにアオちゃんのことが好きだってのに気づいてすらくれないのアオちゃんはリリスのことを第一に考えてくれるし誰よりも大切にしてくれるのになんでなんでなんで実は嫌われてたりするのかな悪いことなんて何もしてないのになんでなのしかも今日アオちゃんは4人も女の子連れてくるしその中の一人そうあなたのことなんか相棒だとか言い出すしおかしいよ初対面の人を相棒なんて呼ぶなんてきっとアオちゃんはリリスに飽きてあなた達を」
「ストップストップ私はアイツのこと狙ってるわけじゃないしアイツも私のことを狙ってる訳じゃないはずだ!!」
「…………あなたにアオちゃんの何が分かるの?」
「確かに私にはアイツのことは何も分からない! けど本人にしか本人のことは分からない。何も分かってないのはリリスさんも同じなんじゃないか?」
「…………リリスは今どっちがアオちゃんのことを分かっていないかなんて話してない。論点をすり替えないで」
私は、ぐうの音も出なかった。私は間違っていなかったが、彼女は正しかった。“間違わない”と“正しい”、近いようで圧倒的な差が、溝が、そこにはあるのだ。
「…………リリスはあなたの事が嫌い。会った時から、ずっと」
リリスはまるで犯罪者でも見るかのような目で私のことを見ながら一言放った。
「…………いつか消えて」
* * *
20時、私たちは夕ご飯のシチューを食べていた。
「どうだ? 吾の料理は」
「すっごくおいしいです。温もりを感じます」
「光栄だ。……それで、汝らは食わんのか?」
セツナとリサは端の方に座って休んでいた。
「このバカのせいでちょっと食べすぎちゃったのよ」
「でもセツナよりアタシの方が多く食べれたからアタシの勝ちなのよ!」
「はいはいつよいつよい」
「〜〜セツナぁ!」
「さっきから思ってたんだけど」
「無視しないで!!」
「お姉ちゃん食欲なさそうだけど、何かあったの?」
私の妹は純粋な眼差しでこちらを見てきた。
「だいじょうぶだいじょうぶ、何でもないよ」
「まぁそういうなら……」
実際もう、そういうものなんだと受け入れている。生きてる上で嫌われるなんて当たり前で、今までがおかしかっただけなんだよな。
例えばどうだった? 生きていた頃私は必ずしも愛される人間だったか? ……いや、そもそも愛してくれる人も嫌ってくる人もいないぼっちだったな。
はぁ。
「何でも無いとしても食欲がないなら少し休んだ方が良いぞ。吾のベッドでも使うと良い」
「じゃあお言葉に甘えて」
「お祭りまでには起こしますから安心してくださいね」
おやすやぁなさいっと。
「そういえばあの子ってどうしたの? ほら、リリスとかいう子」
「吾が同居人なら祭りの仕上げをしてるぞ。──ところで汝に質問があるのだが」
「何?」
「汝はピュエラ王国の王女なのだろう?」
「そうよ! アタシはこの国のお偉いさんなのよ!」
「こんなんなのにね」
「酷いこと言わないでよセツナぁ」
「引っ付、く、なっ」
「何故汝は冒険者をしているのだ?」
「なにゆえーってそりゃやりたいからよやりたいから」
「大変では無いのか?」
「アタシのことなんだと思ってるのよ。仕事なんてお父様かメイド達にやって貰ってるわよ」
「そうか……そういうものか」
「アンタに仕事とかあったの!?」
「まぁそりゃ立場が立場ですしおすし」
「ちゃんと自分のことは自分でやらないとすごい大人になれませんよー!」
「それでやりたい理由は何なのだ?」
「最初はアタシの有り余った力を出し切りたいのとるりりが可愛かったから〜って理由だったけど今はふぃ〜にゃん目的ってとこもあるわね」
「そうなんですか! うれしいです!!」
「(そうか……元から戦える力があったから冒険者として活動しているのか)」
「? どしたのブツブツ言って」
「(彼女、厨二病だしよくあることなんじゃない?)」
「そう言ってるセツナも小声じゃ〜ん」
「悪かったわね」




