5−1 山奥の邂逅(エンカウント)
延々と永遠と続くのかとふと考えることがあるぐらいに長く感じた梅雨が明け、エアコンが活発に活動する季節が始まろうとしていた。どうも、この作品の語り兼主人公のルリア=シエスターです。作者的には前回ので一区切り終わった感じみたいです。ショートショートみたいな構成してる癖によく区切ろうとか思いましたね。めんどくせーなぁ。
さて本編と関係ないどうでもいいことは置いといて、前回から約1ヶ月程度経ったわけなのですが、この間に何があったと思います? と、ここで回想に入るなんて長ったらしいことはしません。というかしたくないです、するなら番外編でやってほしいものです。て事で3行で説明します。
菓子食って
昼夜逆転
もう飽きた
最悪川柳が出来ました。575なんて制限はつけてないってのに575にしてやりましたよ。
てなわけでその続き、やっていきましょう──
「お姉ちゃん、梅雨も終わったし、ちょっとハイキングに行きたいって思ってるんだけど……」
「最近動いてなかったし急にクエスト受けるとかよりは良さそうかもな」
「ハイキングってどこに行くつもりなの?」
「うーん。綺麗って有名な貴々山がいいかなぁって思ってるんだけど」
またなんかすごい名前の山だな。
「あそこはどうせなら秋に行った方が楽しめるだろうけど悪くないわね〜」
「確か貴々山ってそこまで遠くないですよね」
その山って有名なの?
「それじゃ、用意したら行きましょう」
* * *
「迷ったーーーー!!!!」
リサは大声で叫んでいた。
「どどど、どうしましょう」
「素直にハイキングコース通れば良かったのにどっかのバカが『あっちの方が面白そー』とか『そっちの道は偽物よっ』だとか言ってわたし達を無理矢理引っ張って行かなければこうはなってなかったでしょうね」
「いいえ! アタシが引っ張って行ったのは最初だけよ! その後はみんなついてきてたじゃない!」
「はぐれないようについてってたんだよ……」
見ての通り、私達は山で迷子になっている。何か起きるだろうとは思ってたけど迷子て。
「これからどうする?」
「どうするって言っても、どうしようもできないからねぇ」
「じゃあアレやりましょ、アレ」
「アレってなんですか?」
「2人以上で人差し指を突き出しあって順番に相手の手をタッチして指が5本開いた手はアウトになるアレ」
2人以上で人差し指を突き出しあって順番に相手の手をタッチして指が5本開いた手はアウトになるどれ!?
「それって割り箸のこと?」
あ〜それね〜!
「え? 戦争じゃないの?」
「なんですかそれ」
「「「「…………」」」」
ちんもくかい。
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0014:風邪引けば名無し XXXX/07/06 14:06:54
この話は無かったことにしましょう
ID:pRin1cE8Ss
0015:風邪引けば名無し XXXX/07/06 14:07:01
うん、それでいい、それでいいんだ
ID:17prIE31ST
0016:風邪引けば名無し XXXX/07/06 14:07:11
ところでなんでこんな見づらくなってるんですか?
ID:Iomsedlatr
0017:風邪引けば名無し XXXX/07/06 14:07:19
>>16
あんまり深く考えても意味ないんじゃない?
ID:Thi1+sTe7R
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「今度こそやることなくなっちゃったわね」
「やることも何もこのまま下山すれば帰れると思うんだけど」
「言い出しっぺがそんなこと言っちゃうの〜?」
「迷うなんて思ってもいなかったし、悪いのはアンタでしょ」
「だってだって、なんもないとつまんないじゃない!」
「でも、それで何かあったら遅いじゃない」
「ぐぬぬぬぬ……」
この二人、「仲良いね!」って言ったら声を揃えて「「仲良くない!!」」って言うタイプのコンビだよな。
「お二人共、落ち着いてくださいー!」
うーん。デジャヴ。どーせ私が仲介しなきゃいけないんでしょ。はいはいいつものいつもの。
「やめろーふたりとm」
「なんかあそこに人みたいなのが見えたわ!」
「話逸らすな!!」
勢いよく無視されちゃった。泣きそう。
「本当に居たんですか?」
「ええ、この目でバッチリ見たわ。あれは人よ人」
「ホントにぃ?」
「ホントのホントよ。ここからでもハイキング出来るのよきっとー!」
リサは走ってどっかに行ってしまった。
「その人も迷ってるってオチが見えるけどついてくわよ!」
「待ってくださいー!」
私達も走って追いかけていると意外とすぐに追いついた。
「何? アンタ隠れてるの?」
「もしかしたらキケンな人かもしれないし注意は必要よ」
「意外だな。お前が慎重な時ってあるんだ」
「鍛えられてるからあたぼーよ」
護身術とかそういう感じかな。知らんけど。
「あの人カゴみたいなの持ってますね」
私と同じぐらいの髪の長さで茶髪の女性がそこにはいた。てかあの人耳長いな、エルフの人か?
「カゴに入ってるのは……絵の具?」
「服も歩きづらそーなの着てるわね」
彼女は大正時代の女学生が着るような袴を着ていた。山を歩くには効率が良くないように見えるけど、確か袴って意外と歩きやすいんじゃなかったっけ。どちらかといえば私は、異世界で大正ロマンな服を着ているってところが不思議だ。
「────!!」
彼女は急に驚いたように周りを見渡した。バレたか!?
「そこに存在るのか!」
(しーん)
「フッ、誰もいないか」
なんか思ったより大丈夫そう?
「いや、やはりそこ存在るのだろう!」
(スタスタスタ)
「(や、やばいわよー! 来てる来てる来てる!)」
「(そんぐらい分かる!)」
「(ここは攻撃とかされる前にごめんなさいした方が良いんじゃないでしょうか!)」
「(じゃあせーので出ましょう! せー、のっ!)」
「「「「申し訳ございすみませんいたしました!!!」」」」
((((混ざって変なことになってるーー!!))))
心の声はシンクロした。
「な、何奴!」
「そ、そのーわたし達は別に怪しい者ではなくてですね」
「山の中で迷ったゃっちんですです!!」
「それで“““たーまたま”””あなたを見つけたから外に出れるかもぉーー?? と思い蔭から見つめてた所存です」
「……ごめんあそばせ?」
「……フッ、なるほど。どうやら汝らは魔の使徒では無いようだな」
そう言うと袴の人は決めポーズの様なものをとりながら喋り始めた。
「フッ、自己紹介と行こうか。吾の名は『ターコイズ=陽=ゾンネンブルーメ』だ!!」
「は?」
「もう一度言おう、『ターコイズ=陽=ゾンネンブルーメ』だ!!」
「タコ……?」
「更にもう一度言おう、『ターコイズ=陽=ゾンネンブルーメ』だ!!」
私たちはターコイズなんたらから離れて小声で話し始めた。
「(あれ、どう思う?)」
「「(厨二病)」」
「(なんだかちょっとかっこいいです)」
ソフィーって結構素質あるのかもな。
「(関わっちゃいけない人だったんじゃない?)」
「(一理、いや三理ぐらいあるわね)」
「(とりあえず、ここは相手に合わせよう)」
「どうしたのだ」
「い、いやーなんでもないですよ」
「フッ、そうか。なら安心だ。あと今の内に言っておくが吾についてきても外には出れないぞ」
「え、なんで……」
「なんでって、決まっているだろう────」
一呼吸置いてターコイズなんたらはカッコつけるように顎をあげてこっちを向きながらこう言った。
「────吾はこの山に住んでいるからだ」
還る場所はここだ。と続けた彼女の碧い目は葉と葉の間から零れる光に照らされて輝いていた。




