3−3 シオヒ狩りはレイドバトル
第7回シオヒガリ大会と書いてある看板を横目にでっけー貝が見えるとこまで来た。
「着いたわね。残琉海岸に!」
私たちの他にも何グループか来ているらしく、大体60人ぐらい集まっていた。こんなイベントに60人も集まるもんなんだ。それでもって当たり前なんだけどやっぱり女の子しかいない。
「凄いですね〜人がたっくさんです」
「あの大きさでもこれだけ居れば割と勝てそうね」
奥の方ではスタッフの人が本人確認みたいなのをしているっぽい。予約制だからってこんなイベントにわざわざそんなものが必要なのだろうか。めんどくさいなー。
「こちらへどうぞー」
「「「「はーい」」」」
「えーっと、テトスペのリサ様、ルリア様、ソフィー様、セツナ様で間違いないでしょうか?」
「えぇ、間違いないわ」
間違ってはないけど、なんでチーム名略されてんだよ。
「それでは楽しんできてください」
というかあのときチーム名考えるって言い出したのもリサだったけど、もしかしてこれに登録するために決めたのか?
「なんであの人わたし達のチーム名略してたのかしら」
思ったより双子って心が通じ合うっぽいな。
「そりゃアタシが登録するときに略して登録したからよ」
「「なんでだよ」」
「略した方が言いやすいかなーって思って」
「いやまぁ言いやすいけど、それとこれとは違うだろ」
根本的に間違ってる。というか変なんだよな。
* * *
どうやら全グループの確認が終わったらしく、各グループごとに等間隔で待機することになった。
「で、どうやって戦うつもりなんだ?」
「そうねぇ、とりあえずデッカイのぶち込もうかしら」
「アンタは近接攻撃する人に対する配慮とかないの?」
「確か王女様はソフィーがてとすぺに入る前にすごく大きい炎で山を燃やしちゃったんですよね。そんなに強い炎が当たったらソフィー死んじゃいますっ」
ソフィーなら耐えれてもおかしくなさそうだけど……とは言えないな。
「ん〜……焼く手間が省けて良いと思ったんだけどねぇ」
「他に被害が及ばないぐらいの強さの魔法使えばいいだろ」
「じゃ、そうしますか」
『それでは第7回シオヒガリ大会、スタート致します』
この世界に拡声器があるのか無いのかは知らないが、拡声器から出てくるような声で開始の合図が出された。まぁこの世界、地球のゲームがあったり言語があったりするから拡声器が無い方がおかしいかもだけど。
剣士、重戦士はシオヒに近づいていき、魔法使いや弓使いは遠くから技を撃つ……まんまレイドバトルって感じだ。なんだか思ってた以上に燃えてきたな!!
「《ライトアップ》!!」
説明しよう! 《ライトアップ》とは物理系の攻撃力を上げる魔法である! 「大体の人は右利きだしこれでいっか」ってノリで名前が付けられたという逸話があるぞ!! あと話は逸れますが技名を二重鉤括弧から二重山括弧にしました。把握よろしくお願いしますm(_ _)m←これ言ってみたかった♡
「お姉ちゃんナイス!」
「このバフ、無駄にはしませんよ!」
そう言うと2人はシオヒに向かって走っていった。
「るりり〜アタシにはバフかけてくれないの〜〜?」
「お前は素の状態でも十分な火力出せるだろ」
「でも〜アタシだけやってもらえないなんて悲しいじゃな〜い。それに強さでいえば、ふぃ〜にゃんだってバフかけなくても強いじゃな〜い」
「『じゃな〜い』じゃなくてだな」
「るりりのケチぃ」
「ケチぃで悪かったな」
「おっぱい揉んであげるからバフかけてよ〜」
「お前しか得しないじゃねぇか!!」
なんでコイツは恥ずかしげもなくこんな事が言えるんだ。
というかあっちの方はシオヒが口を開けてくれないから代わりに貝殻に攻撃してるっぽいけど、全然効いてるように見えないな。
「リサ、シオヒの口を開けるように魔法を飛ばすことって出来るか?」
「まぁアタシレベルの実力者になれば容易いわよ」
「実力者ってお前冒険者になったばっかりだろ」
「1ヶ月もあれば実力者なんてなれるわよ」
「いや、単純にお前の才能が凄いだけだろ」
「急に褒められてびっくりしちゃったわ。もしかしてるりりってアタシのガチ恋勢だったりする?」
「んなわけねぇだろーが」
というかガチ恋勢て、もっといい言い方あるだろ。
「じゃ、口を狙ってみるわよ《メララン》!」
《メララン》は炎属性では中くらいの魔法で、他には1番弱い《メララ》、逆に通常の炎属性の攻撃で1番強いと言われている《メラアッチャー》という魔法があるらしい。
「いい具合に飛んでってるな」
「これはもうクリティカルヒットね」
この距離でも聞こえるパカッという音がなってシオヒの口が開かれるとともに歓声が上がった。
「これで攻撃を与えれるようになったわね──ってなんか変じゃない?」
「変というかなんか震えてる?」
状況が飲み込めずざわざわとする中、急にシオヒが止まった。今のは何だったんだ?
と思ったのもつかの間、突然謎の強風が吹いて来た。
「ちょちょちょ何これーーっっ!!」
「これってめちゃくちゃ強い風が吹いてるって考えるには不自然過ぎるよなーーっっ! もしかして、シオヒが吸い込んでるって事なのか!?」
「そうとしか考えられないわねーっておおっ今日のるりりのぱんつは水色かぁ〜〜」
「こんな時になんてもん見てんだー!!!」
「だって見えちゃったんだもーんっ!!」
くっそ……男子中学生みたいな頭しやがって……
「セツナとソフィーはもう吸い込まれちゃってるみたいねーっ」
「じゃあもう大人しく吸い込まれるしかないな!」
そう言いながら私は自分からジャンプして吸い込まれにいった。これが宙を浮く感覚かぁ。
「アタシも続くわーー!! とうっ!」
リサもジャンプして私と一緒に吸い込まれにいった。
「ところでーーっ」
「なんだー?」
「今更こんなこと言っても遅いかもだけど、シオヒの中に入っても無事って保証はあるのーっ?」
「あ」
「え?」
やべっ。そうじゃん。しかも中に入らなくても外から倒せば助けられたかも知れないのに。
「このー! や、ら、か、し、る、り、りーーー!!!」
「なんでちょっとうれしそうに言うんだよー!」
「死ぬ時は一緒で良かったなって」
「お前はバカなんだからまず希望的観測をしろバカーー!!」
「そんな酷いこと言わないでよぉーー!!!」
私たちはシオヒに完全に吸い込まれてしまった。




