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魔王は勇者を猫可愛がりする。猫だけに(魔王が)  作者: 山吹弓美


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098.事後報告

 さて、ロンカ姫のお部屋掃除も終わって、翌日。


「魔法使い部隊は無事撃破しよりましたえ。やっぱりちゅうか、シロガネ第二王妃の部隊でしたわ」


 落ち着いた黄色、というか金色メインの色とりどりな羽。ホーさんと同じく人間大の鳥さんが、ホーさんの奥さんのオーさんである。旦那さんと同じく関西弁、なんだけどおっとりしてるし京都寄りという感じかな。私にしてみたら、関西弁の地方による違いってあんまりわかんないんだけどね。


「で、身柄の確保はできたのか」

「もちろん」


 クロさんの質問に、オーさんは当然とばかりに目を細めてみせた。鳥でも笑ってるのが分かるのはすごいよね、うん。


「百三十六名中、生存者は第二王妃含め十七名おりましたえ。それ全部、とっ捕まえときました」

「わかった」


 オーさんの答えに、クロさんは思いっきりにこやかな顔になった。そんなに嬉しいのか、敵とっ捕まえて。まあ、嬉しいんだろうけど。

 えーと。

 昨日のお昼に撃ち込まれた魔法ビーム第一弾、その撃ち込んできた方角にホーさんとオーさんが大急ぎで偵察に向かった。

 で、向こうがうまいこと隠れてたか移動したかで確実な位置を見つけられなくて、半日経過。第二弾発射、したところで何しろ夜中ということもあり発射地点を特定できたわけだ。

 ホーさんが近くの部隊を誘導し、オーさんが部隊が移動しないかなどを確認して、夫婦と部隊が同時にその魔法部隊を袋叩きにしたわけだ。同じ頃、お城では黒とグレーのスーパー影大戦及びクロさんの乱入が行われていた、と。


「身柄は適当な砦に送って拘束しておけ、さすがに城には入れたくない」

「でしょうなあ。うちのひとが、近くの砦に放り込んどきます言うてましたわ」

「さすがホーだな。助かった」

「いえいえ、クロ様にお仕えしてるんやから当然ですわ」


 昨日から今日にかけてあったことを私が思い出しているうちに、クロさんとオーさんは手早く会話を済ませてしまう。まあ、終わったことの報告だもんなあ。というか、捕虜を城の中に入れたくない、のには私も同意。魔法使いとかだし、何するかわからないもんね。


「まったく。王妃やから言うて、何でも好きなようにできる思うたら間違いですわな。そこら辺、あの第二王妃は分かってなかったん違いますかね」

「そうだろうな。改めて、シロガネには報告とお説教を兼ねてカレンに行ってもらおう」

「それがよろしおす」


 あーあ、またシロガネのお城の人たち、カレンさんに怒られるんだ。こわいぞー、私の師匠。


「……ところでクロ様、一つ言うてもよろしおすか?」

「ん、なんだ?」

「何でまた、そのお嬢さん膝に乗せてますの?」


 あ、やっと突っ込んでくれた。

 そう、私が今いるのは玉座にどっかり座ってるクロさんの、膝の上である。ついでにもふもふぎゅーされている状態、人間と猫が逆なら私はすごく納得できるんだけどな。


「いや、昨夜狙われてな」

「あちらの影軍団やったら、狙うてきはったんはあちらのお姫さんちゃいますの?」

「捕まえた敵の影をしばきあげた結果、両方狙ってたという話が出てきてな」


 何ですと?


「ちょっとクロさん、それ初耳」

「俺も今初めて言ったからなっていたたたた」


 あのね、一応私当事者なんだからちゃんと言ってよね。ひげ数本ひっつかんで引っ張ってやったら、さすがに涙目になった。当たり前だ、この猫魔王め。

 そんな私たちを前にして、オーさんはこてんと首をかしげた。


「お姫さん狙うんは分かりますけど、お嬢さんは何でまた」

「モイチノが、よその世界から引きずり込んできた勇者だからだろ。証拠隠滅狙ってたらしいぞ」

「はあ?」


 うわあ、それマジか。

 つまり私は、餅の国がやらかしたことを隠すために狙われてたわけか。シロガネのロンカ姫を狙うついでに……か、どうかはともかくとして。

 いや、よく無事だったな自分、本当にカレンさんに感謝しないと。あと、修行は今後も頑張ろう。同じこと考えるやつとか、その他いろいろ狙ってくる連中がいないとも限らないものね。


「あららあ。モイチノ王国、阿呆ですわなあ。既にカサイの長は全部知ってますねんやろ」

「当然、というかこのアキラはカレンの剣の弟子だからな」

「それはそれは。あーあ、行き着くところまで行かはりましたな、モイチノ」


 あ、何かオーさんの目がすごく怖い感じになった。まっすぐ見つめられたら、背筋がぞっとする感じ。敵にしたくないし、敵にしたらもう逃げられない。


「戦は続ける。完膚無きまでに叩き潰した上で大体のところを公表し、シロガネ第二王妃及びモイチノ王国上層部の始末をつけたい」

「お任せくださいましな。そう言ったお話は、うちら得意ですんでなあ」


 その目のままオーさんは、羽をパタパタと羽ばたかせた。そうして私を見て、口元を羽で隠して。


「クロ様と、仲良うしいや? お嬢さん」


 ……うんまあ、耳まで真っ赤になっちゃってるの見られたら、そう言われるよね。

 自覚なかったんだけど、この状態で動けなくて固まってるってつまり、そういうことらしいし。

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