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魔王は勇者を猫可愛がりする。猫だけに(魔王が)  作者: 山吹弓美


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095.夜中に大迷惑

 夜中になって、またどーんという重い音と地響きがした。本日二度目……というか半日ぶりと言うか。


「だ、大丈夫ですか!」

「あーうん、だいじょぶ……」


 慌てて部屋にすっ飛んできてくれたドーコさんの前で、衝撃でベッドから落ちた私は大変間抜けな姿を晒していたわけなんだけど。

 ひとまずすぐ外に出られるように着替えて、ロンカ姫の元へ向かう。クロさんは今お城にいないから、後はリューミさん任せた。


「半日で再攻撃、ですか……」


 ドーコさんもお昼の一撃はそりゃ覚えてるから、やれやれとため息をつく。まあ、気持ちは分かる。メイドさん、地味にいろいろ忙しいもんなあ。


「さすがに、これ以上のペースじゃ撃ち込めないってことかな」

「多分、そうでしょうね。魔法使いたちも、これでかなりお疲れでしょうし」


 つーか魔法使いも寝るだろうよ。何、夜中にビームぶっ放させてるんだよ、推定シロガネ第二王妃。

 そんな事を考えてるうちに、ロンカ姫の私室に到着した。執務室のすぐ側で、ちょうどハナコさんがやってきてる。


「や。元気そうで何よりだねえ」

「ハナコさんも」


 短く話をした後、扉をノックして中に入れてもらう。ロンカ姫は寝間着の上にガウン、という姿で涙目。私たちの顔を見た瞬間、それまでしがみついてたメイドさんたちから離れてこっちに突っ込んできた。おいおい、と思いつつとりあえず抱きとめよう。

 ぐお、ぽっちゃりさんだからか受け止めきれなかった。後ろで支えてくれたドーコさん、よくやった。


「ぶ、無事っ、ロンカ姫……」

「はい、何とか」


 ああもう、夜更けで知らない顔が周囲にあまりないからってびーびー泣かないの。たしかにこれは、ミカさんが相手するのに苦労したよなあ。とはいえ、夜中にビームがドーンなんて怖いに決まってるけどさ。

 そのうちまた影さんが出てきたので、話を聞くことにしよう。このひと、多分そのために来てくれたんだろうし。


「カレンさんの結界はまだ効果がある?」

「今のところ、全く問題はありません。ただ、あと五回ほどで効力が薄れる可能性が出てくると」

「半日に一回とすると、三日かあ」


 うへえ、どんだけ威力があるんだあの魔法ビーム。曲がりなりにも、カレンさんが準備してくれた結界だぞ。十回も耐えられないなんてほんとにもう、あっちの魔法使いたちはえらくこき使われてるんじゃないだろうか。それか、やたら人数かき集められたか。


「魔法部隊の位置はほぼ特定できておりますので、こちらの攻撃部隊が一両日中には到着するかと思われます」

「あ、見つけたんだ」

「ホー様ご夫妻が、魔法の着弾位置から大体の方角を割り出してそちらを偵察されたようです」

「空飛べると強いですね」


 ああうらやましい、とハナコさんが軽く床を踏む。うん、私だって空飛べるのちょっとうらやましい。

 けどなるほど、カレンさんの結界のどこにぶつかったかで餅の国や第二王妃の部隊がどこらへんにいるか読み取って、航空偵察したわけか。さっき二発目が撃たれたから、多分もう発射位置見つけてるだろうね。で、ひょっとすると今のうちに進軍してる、かも。

 次はお昼ごろになるだろうけど、その前にやっつけてもらえるといいなあ、とは思う。カレンさんの結界のためにも、私やロンカ姫の心臓のためにも。


「あー」


 ずんずん、と床を踏みしめる足音。ハナコさんが、影のひとに向かって歩み寄った音である。何か提案があるらしい。


「カレン殿には及ばないが、あたしも結界には協力しますよ。伊達にゲンブ様の血を引いちゃいませんからね」


 おや。

 そういえばハナコさんの種族、大きくなるとめちゃでかい怪獣みたいな亀になるんだっけ。でも、結界に協力ってことは……魔力とか、そういうのがあるのかもしれない。ま、詳しいことは知ったところで忘れると思うけど、私。


「ご協力いただけるのですか?」

「この城は自分の住まいだし、国王陛下のおわすべき場所ですし。ゲンブ様の名に賭けて、そうホイホイ潰されてたまるもんですか」


 影のひと、ハナコさんの申し出になんかすごく喜んでる感じがする。もしかして五回とは言わず、もう少しまずい状況なのかもしれない。術者であるカレンさんが城離れてるみたいだし、そういうこともあるだろうけどさ。


「それは助かります。では、こちらへ」

「分かりました。じゃあ、行ってくるからねー」

「早いな!」


 影のひとの決断とそれに応じるハナコさん、行動が早い。思わず私がツッコミ入れたのも仕方のないことだよね?

 ま、それはそれとして、お城守ってもらえるなら助かる。

 ので。


「行ってらっしゃーい。がんばってー」

「ご武運をお祈り申し上げますわ!」

「行ってらっしゃいませ」


 私とロンカ姫は、あっさり二人を見送った。あ、入り口のところにドーコさんいたままだ。どうせだし居残ってもらうか。


「ハナコさん行っちゃったんで、ちょっと心細いから残ってくれる?」

「分かりました。お力になれるかどうかはわかりませんが」


 多分大丈夫、だと思う。根拠はないけどね。

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