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魔王は勇者を猫可愛がりする。猫だけに(魔王が)  作者: 山吹弓美


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093.いってきます、いってらっしゃい

 ある意味、最悪の状況なのかもしれない。

 シロガネの第二王妃は、やらかしたことが明るみになって国外追放になった。逃げた先が何と言うか、餅の国。

 で、その餅の国は第二王妃が連れてったシロガネの部隊ともども、クロさんとこの国に喧嘩を売ってきた。


「すぐに戻ってくるからな。留守を頼む」


 そうしてクロさんは、餅の国・シロガネ第二王妃連合部隊の喧嘩を買う自国軍に気合を入れるため、ある程度のところまで先頭に立って出撃することになった。今の今まで、私とミカさんで例によって鎧兜を着せてたところなんだよね。

 ……クロさんの国が餅共に負けるとは思わないけど、国王が先頭に立っていって大丈夫なんだろうか。


「大丈夫なの?」

「一応、軍隊を鼓舞する役目もあるからな。俺もちょいと、顔出ししなくちゃいけないんだ」

「カレンさんもいるそうだし、大丈夫ですよ」


 クロさんと、一緒にいるミカさんが笑って答えてくれるから大丈夫……だと思いたいんだけどな。いや、ほんとにクロさんの身に何かあったら、ラーナン魔王国そのものが大変なことになるんだからさ。

 それなのにクロさんは、どちらかと言うと私たちの方を気にしているようで。


「最悪の場合は、教えておいた緊急脱出路の入り口から逃げるように」

「は、はい」

「できれば数人固まって行くんだよ。その……戦時の魔族は特に、子作りの方にテンションが上がることがあるからね」

「うわあ気をつけます」


 うん、そういうことは教えてくれてありがたかったかな。気をつけないといけないってことだよね、主に大人向けの方面に。

 ちなみに脱出口は謁見の間の玉座の後ろと、今私たちがいるクロさんの私室のベッド、天蓋の向こう。ロンカ姫の部屋にも、タンスの裏とかにあるんだって。


「では、ロンカ姫に挨拶してから向かうので同行しろ。いいな」

「あ、はい」

「分かりました」


 室内をメイドさんたちに任せて、私たちはクロさんのお部屋を後にする。まあ、コクタンさんの配下とかいるだろうから大丈夫だよなあ、と思うんだけど。




「そういうわけで、これよりしばらく城を留守にする。その間は俺の世話係をこちらによこすからな、警備は安心してくれていい」

「お気遣い、痛み入ります」


 クロさんとロンカ姫のご挨拶は、それなりにきちんと行われた。国王陛下と王女様だもんなあ、普段全く意識してないんだけどさ。


「それでは、しばらくの間ミカちゃんやアキラちゃん、ハナコさんとご一緒できるんですねえ」

「あくまでも護衛役だからな?」

「まあ、この前しばき倒しましたしねえ」

「やれやれだよ、ほんと」


 まあ、クロさんにしてみたら預かってるお姫様に何かあったら困るもんね。第二王妃周りも、そこら辺狙ってきてたわけだし。

 だから、私やミカさんたちをここに置いて警備させるわけで。クロさんは国王陛下だから、そうでなくても護衛は山程つくもの。


「それじゃ、行ってくるからなー」

「お土産、お待ちしておりますわー」

「人間が食べられるものでお願いねー」

「……クロ様、お土産は不要ですんでちゃんとお戻りくださいね」


 クロさんの、空気まるで読めてない挨拶に私たちはそれぞれ返す。うーん、たしかに最後に言ってくれたミカさんの一言が全て、といえば全てか。何があっても、クロさんがちゃんと帰ってきてくれればそれでいいんだもんな。


「……やれやれ。クロ様、本当に大丈夫なんでしょうねえ」

「仮にも魔王の名で呼ばれるお方ですから、大丈夫ですよー。カサイのご当主様も、同行なされるのでしょ?」

「ま、そうなんだけどね」


 ミカさんと私はちょっとばかし心配してるんだけど、ロンカ姫は割と楽天的に状況を見ているらしい。それだけ、シロガネ国でクロさんの評価が高いってことなのかな。一応魔王だもんね、猫だけど。

 後はやっぱりというか、カレンさんの存在が何よりもでかい。さすがカサイの当主、あとどでか蛇三頭持ちだし。


「今回は、あの三頭をまとめて連れてくんだってさ。威嚇の意味もあるらしいよ」

「その分、他の地域がお留守になりませんの? ねえ、ミカちゃん」

「カレンさんがいないだけで守れないなら、とっくの昔にこの国はなくなってますよ」


 それもそうだ。単純にカレンさんがめちゃくちゃ強すぎるだけで、ラーナンの軍隊は結構強い、らしい。いや、私見てないけどさ。

 ドラゴンとかグリフォンとかいるから空から攻撃できるし、多分一人あたりの攻撃力も高い……かもしれない。まあ、その分向こうだっていろいろ考えてるんだろうけど。魔法は人間も使えるんだから、カレンさんの伝書蛇たちができるような遠距離ビームもやろうと思えば……できるのかあれ?


「カレンさんレベルの強力なやつは、十人以上の集団で一斉に放たなければ無理かと」

「まあまあ、そこまで非効率なやり方でしたらさすがに、モイチノ王国もやりませんわよねえ」


 その答えを知ってたのは、ミカさんだった。つーかそんなに強いのか、サンジローオトジローセージロー。

 あとロンカ姫、多分それフラグだ。

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