表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王は勇者を猫可愛がりする。猫だけに(魔王が)  作者: 山吹弓美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/101

083.本命一・一倍

「うーむ、よくわからん」


 自分の部屋に帰って、ベッドにごろんと横になって考える。

 明日はお世話係の仕事があるから、クロさんと顔を合わせるんだよね。その前には一応、自分としての考えをまとめておきたいし。


「別に、嫌いじゃない。多分、好きな方だと思う」


 だって猫だし。いや、これはそういう問題じゃないんだよね。相手をラーナン・クロという、ひとりの人として考えるべき問題なんだよね。

 てか考えたことないなあ……ほんとに嫌いじゃないのは事実で、一緒にいたいしお世話係の仕事もめっちゃやる気あるから、好きなのは確実だ。

 しかし、その好きがどういう方向性で好きかというと……うーん?


「いかがなさいました? アキラ様」

「うわあ!」


 いきなり名前呼ばれて跳ね起きた。慌てて声のする方見たら、ワゴン持ってきたドーコさんがいる。あ、夜のお茶の時間だった。それで来てくれたのか、うわー気が付かなかった。


「ど、ドーコさんか。びっくりしたあ」

「驚かせてしまって申し訳ありません。虚空を見つめたままぶつぶつと何かおっしゃっておいでだったので」

「あがー」


 ってつまり、さっきの私がっつり見られてたってことか。内容までは……と思いたいが何しろ相手はドーベルマンのドーコさん、聞かれていてもおかしくないのであった。

 ……ん、相談するには良いかもしれないな。私よりはクロさんのこと、知ってそうだし。


「いやね、実は」


 というわけで、相談を持ちかけてみることにする。一応、他の人には内緒だよと言っておくけどどこまで守られることやら。

 で。


「なるほど。私共の間でも、そろそろお妃様を娶られるのではないかという噂は立っておりますよ」

「立ってるんかい」


 少なくとも、クロさんの結婚の噂は立っている、と。まあ、国王陛下がお妃様迎えるならこう、下調べとかいろいろあるだろうしなあ。元の世界でテレビのワイドショーとか、色々追っかけてるの見てたし理解はできる。


「ちなみに、使用人の間では賭けの対象になっておりまして」

「ギャンブルOKなんだ」

「ほどほどに、ですね」


 自由だなあ、お城の使用人のみんな。つか、ギャンブルになるってことは候補が複数出てるわけだ。私もその中のひとりとして、はて。


「アキラ様、ミカ様がほぼ同率一位、ロンカ様が続いております」


 私とミカさんがトップかよ。で、ロンカ姫がその次……あれ?


「人間多くね?」

「クロ様のご趣味だと思われているようですね。そもそもミカ様がお世話係としておられたところにアキラ様がおいでになり、更にロンカ様の赴任ということで」

「あー」


 なるほど、周りに人間多く置いてるからクロさんは人間の女の子が趣味じゃねーかと、そういう考え方か。

 でも、私とミカさんはともかくロンカ姫はシロガネ国のお姫様なんだから、そりゃ人間だろうて。


「特にアキラ様の場合、クロ様が自ら連れておいでになりましたので」

「単に拾われただけだけどねー。そうか、外から見るとそうなるんだ」

「ひとによりましては、国王陛下が奥方を見つけてこられたなどとおっしゃる方も」

「露骨だな!」


 勢い余って突っ込んでしまった。そりゃまあ、基本的に魔物拾って育ててた魔王様がだよ、いきなり小娘拾って連れ帰ってきたら何だと思うよな。その中には、嫁候補キターと考えるやつがいてもおかしくないし。

 しかし、それでいいんかい? 国王陛下の嫁だよ? 下手すると跡取り生むんだよ?

 ……って、うわあ。


「まあ、わたくしとしては悪くない話だと思いますが」


 ドーコさんは、しれっとそんな答えを言ってきた。うん、この国のひとなんだし王様の嫁ってのは確かに悪い話じゃないよな。

 まさかドーコさん、私に賭けてんじゃないだろうな?


「外堀から埋めに行ってる?」

「なんでしたら、内堀まで埋め尽くしても構いませんが」

「洒落にならないからやめてー」


 やっぱこれ、ドーコさん私に賭けてるな。いやもう、それは知ったこっちゃないわ。私の金じゃないし。

 しかしそうかー、そうだよなー。お妃様ってつまりそうだもんなあ、跡取り作らないといけない役なんだよなあ。なんで今まで気づかなかったんだろ? つか相手猫だぞ猫、子供……できるんじゃないかな、クロさんの一族っていろんな種族から嫁もらってるみたいだし。

 第二王妃とか言う話になったら、今のシロガネ国みたいに内情ややこしくなりそうだし……そこまで考えて、それからどうするかってことを考えないといけないのかな。

 めんどくさいな、相手が王様って!

 あー、とりあえずドーコさんはおとなしくしといてもらおうか。


「何もしないでいいよ。埋める気になったら、自分で埋めるから」

「承知しました。期待しておりますね、アキラ様」


 よし、ひとまずは引き下がってくれた……か? いやあの目、絶対やってくれるよねっていう期待の目だ。あんたのギャンブルの勝利のために嫁に行くわけじゃないんだけどなあ?

 ああもう、あんまり先まで考えないほうがいいのかなあ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ