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魔王は勇者を猫可愛がりする。猫だけに(魔王が)  作者: 山吹弓美


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075.私たちの任務

「あのふたりと顔合わせてきたのかい。まあまあ、悪いやつじゃないだろ?」

「そうだねー」


 翌日、ハナコさんと話をする。彼女はあの二人と会ったことがあるみたいで、私の話を聞いて面白そうに笑った。

 会ったことがあるのなら、本人には聞けなかったことも聞けるかな。と思って聞いてみた。


「ホーさん言葉なまってたけど、故郷がそういうとこなの?」

「そうらしいよ。ラーナンでももっと端っこの山の中でさ……まあ、ホー殿の一族は何しろ翼があるから、生活には困らないらしいけど」

「それもそっか」


 山の中に住んでる、鳥の種族の代表夫婦みたいなことかな。確かに、人間とか猫とかは山登り大変だけど……ああでも、クロさんにはワイたろーとかがいるんだもんね。やっぱり翼が重要か。

 ホーさんの方はそれで納得した。次は真っ黒なコクタンさんの方だな。


「コクタンさんって、どういう種族なの?」

「影、とかいうらしいね。もともとは黒の神の配下だったそうなんだけど、まあいろいろあって今は魔族の一種族だってさ」

「へえ」


 黒の神って、イコンの人たちが信仰してる神様か。どっちかっていうとコクタンさんとかは穏健派、なんだろうな。でないと、クロさんの補佐役とかやってるわけないし。

 うーむと考え込んでいると、ハナコさんから「いちいち気にしてたら、きりがないよ」って言われた。……だよねえ、うん。


「あんたのいた世界じゃ、あたしですら珍しいんだろ? じゃあ、コクタン殿みたいな種族に驚くのも無理はないねえ。モイチノやシロガネでだって、彼らのような種族はレアなんだから」

「そういうものなんだ……」

「そういうものさね」


 ああ、この世界においてもコクタンさんの一族って珍しい存在なのか。なるほどー。


「ま、影種族は忍びには適してる種族だし、あたしらのことも見守ってくれてるはずだからお礼言っときなよ?」

「ああ、そうですよね。ありがとうございますー」


 で、ハナコさんにそう言われて思わず天井に呼びかける。反応帰ってくるわけないよねえ、と思う前にがたん、と天井裏で何かが鳴った。梁に膝でもぶつけたかな、忍びのひと。


「……いまのは」

「まだまだ未熟だねえ。この程度で反応してちゃ、だめだよ?」

「……あーえーと、がんばってー」


 さすがにその後は、音が聞こえたりはしなかったな。でも、ほんと気をつけてね。あと、偽メイドさんみたいなやからはぶっ飛ばしちゃっていい、と思うから。いや、入られたら問題だな。


「忍びさんも、お仕事大変ですよねえ」

「城内勤務はいくらなんでもシフト制だと思うけどね。あたしらみたいに時間が決まってる、ってわけでもなさそうだけど」

「そうなのかな」

「時間決まってたら、交代時間を調べてそこを狙えばいいもの」


 ……わあ。

 そういえば、お城とか敵のアジトとかに乗り込むときに交代時間を狙うって手をどこかで見たような、聞いたような。

 それがないように、ランダムにしてるってのか。さすがは魔王様のお城、警備は厳重だ。


「ああ、だからメイドに扮して潜り込むとかそっちを選んだわけだ、あの偽メイドさん」

「だろうね。中で仕事してたほうが、こっちの隙は狙いやすいだろ」


 ハナコさんが頷いてくれたってことで、どうやらこの考えは間違ってないっぽい。いや、私が敵のお城に潜入とかそういうことはないだろうけどさ。

 大体私はクロさんのお世話係なんだから、何でそんな任務につくとかいう発想が出るんだ、自分。やるなら……うん、コクタンさんとその一族とかそういうあたりだよね。


「何面白い顔してるのかな?」

「はいいっ!?」


 うわ、ハナコさんに正面から覗き込まれた。リクガメのどアップって、結構迫力あるんだよね。


「どうせあたしらなんて、お城の中でのお仕事くらいしかないんだからさ。外のことは、あんまり気にしないほうがいいよ?」

「は、はい。そうだよねえ」

「そうそう。あたしらは非戦闘員で、戦う能力なんて期待されてないんだから」


 ハナコさんは、現実見透かしたようにはっきり言ってくれる。まあねえ、私はカレンさんの弟子として剣の修行してるけど、一人が剣振るえたからって戦力が飛躍的に上がるわけでもなし。せいぜい、クロさんの怪我がちょっと減らせればいいな、ってくらいかな。


「だからね。あたしらはクロ様のためにお部屋を片付けたり、お世話したり、情報集めたり渡したりするのが仕事。戦うのは専門職に任せりゃいいさ」

「情報か……ロンカ姫とお茶するのも、その関係ってことでいいのかな」

「お姫様のことも頼まれてるんだから、いいんだよ。彼女だって、面倒なやつに目をつけられてるんだから」


 ……面倒なやつって、シロガネの第二王妃だよねえ。そうだ、推定めんどくさいおばさんがぽっちゃり可愛いお姫様狙って刺客だの何だの送り込んでくるかもしれないし、こまめにお茶して様子伺いするのは彼女のためにもなってるよね。


「ま、変なやつが来たらあたしが踏むけど」

「私も、うまく斬れたらいいなあ」


 なんか、妙なところでハナコさんと意見が一致した。結局敵はデストローイ、なんだよね。

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