表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王は勇者を猫可愛がりする。猫だけに(魔王が)  作者: 山吹弓美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/101

056.めんどくさい相手

 淹れてもらったお茶は、ほんわか柔らかい感じでほっとする美味しさだった。気取ってない感じで、なんかいいなあこういうの。


「今日は、国から取り寄せたミリコのお茶ですわ。さすがにマダム・セージュというわけには参りませんが」

「だよね。うわー、懐かしい」


 ロンカ姫の説明に、カレンさんが目を細めた。ミリコってなんだろ、と思ってたら速攻で説明してくれる。助かります。


「シロガネ国の小さな集落なんだけどね。何世代か前からお茶の栽培が盛んになって、今じゃ重要な輸出品のひとつなのよ」

「へー」


 要するに静岡のお茶みたいなもんか。で、さっきお姫様が言ってたマダム何とかってのはブランド物なんだろうな。


「マダム・セージュは最高級品質のもので、あとプロポーズの贈り物のひとつとしてよく選ばれるんですよ」

「名前のもとになった大昔の王女様が、素敵な旦那様を見つけたのがミリコの集落だったんですって」

「あー。そりゃ、たしかにこういうお茶会で出すものじゃないか」


 ロンカ姫、それからミカさんが説明してくれたので即理解した。そういうネーミングなら、どう見ても女子会なこの場で出すブランドじゃないわ。そういうのは合コンとか男女混合のオフ会なんかで出すべきだよね。

 ま、それはともかく、今飲んでるお茶も美味しいので何の問題もない。お茶菓子はお城で作ってるプチケーキを何種類か持ってきてもらって、それぞれ好きなものを選ぶ。


「今日は私のところに来ていただいたので、私は最後ですねえ」

「それはそうね」


 ははは、それもそうだ。というわけでプチロールケーキいただき、ミカさんはガトーショコラ、カレンさんは……抹茶ケーキ。そっか、お茶があるなら抹茶があってもおかしくないのか。なるほど。

 最後にロンカ姫はイチゴショートを選んで、そこからのんびり……とはいかないけれど、しばらくゆっくりお話をする。この場合、話題は基本的にロンカ姫のことになるよね、うん。


「お姫様って、シロガネ国では何かお仕事なさってたの?」

「仕事は、ほとんどしていませんでしたあ。……わたし、太いからあんまり外に出したくないって、第二王妃様が」


 カレンさんの質問に、困った顔でロンカ姫が答える。……第二王妃様とやら、何かムカつくなあ。


「人に姿見せない仕事だってあるじゃない。そもそも、そういうのするためにこっち来たのよね、ロンカ」

「うん。お国にいるよりも役に立つよって、第二王妃様が」


 また第二王妃様。あー、見たこともないのにすっごく殴りたい気がしてきた。

 別に一夫多妻制が悪いとか言わないけど、第二ってことは第一がいるはずなのに何片方だけ偉そうにしてるのか。


「というか、第二王妃様ばっかじゃない? 何か文句つけてるの」


 思わず強い口調で言っちゃった。そうしたらロンカ姫は一瞬目を見開いて、それからうなだれて。


「……わたしのお母様より、今は第二王妃様のほうが権力があるんです……」


 小さい、小さい声でそう言った。

 あ、ロンカ姫のお母さんが第一王妃なのかそうか。んで、お母さんより第二王妃のほうがお城の中では今偉いとかそういう事になってるのか。


「………………あんの欲深小娘」


 しーん、とした室内に、とっても低いカレンさんの声が響いた。うわ、ものすごく怖い声。

 え、てかロンカ姫くらいの子供がいるとかいないとかいう話の第二王妃を、小娘?

 ……考えないことにする。そういえばカレンさんの実年齢、聞いてないや。今後も聞かないほうが良さそうだね。


「カレンさん、めっちゃ知ってそうですね」

「まあね。輿入れ前に、何度か会ったことはあるし……止めたんだけどなあ」


 王様に対して結婚止めようとするとかできるのって、何かすごくない? でも今の王様、それを振り切って第二王妃と結婚したんだよね。その結果が、ロンカ姫を城から追い出すっての?

 つーか、何が目的だろう。お城の中を自分のものにしたいのはまあ分かるけど、その後。

 その目的は、カレンさんが呆れたような声で教えてくれた。


「確か、モイチノに近い家の出よ。多分そこらへんで、お姫様を外に出したいんでしょう」

「……シロガネ国を、モイチノ王国寄りにしたいってことですか?」

「多分ね」


 うわあ、餅の国系だったか。それもあってカレンさんは、やめとけって言ったんだろうなあ。そうすると、王様は……もしかして、当時は餅の国とも仲良くしたかったから、とか? 政略結婚ってやつ。

 で、それが今裏目に……王様にとって裏目かどうかは分かんないけど、多分国にとっては裏目に出てるわけだ。これは、私がロンカ姫びいきで餅の国アンチだからそういう考え方になるのかもしれないけどね。


「それで、ラーナンや魔族を追放したいんじゃないかしら。モイチノ王国って、魔族は実質的に奴隷扱いだから」

「うわ……」


 ばっさり言ってのけたカレンさんの、その言葉にドン引きしたのは私だけじゃなかった。

 というか、そりゃ絶対クロさんとは仲良くできないわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ