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魔王は勇者を猫可愛がりする。猫だけに(魔王が)  作者: 山吹弓美


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045.あの国はどんな国?

「そういえば」


 クロさんがお仕事に出た後、いつものように室内の点検を進めながらふと思ったことを口にする。一緒に仕事してるのがミカさんだから、ちょうどいい話なんだけど。


「シロガネ国って行ったことないんだけど、どんな国なの?」

「シロガネ国、ですか」


 私の質問に、ミカさんはシーツを付けていた手を止めて少しだけ首を傾げた。それから、ちょっとずつ話してくれる。


「アキラさんみたいに、よその世界から来たひとが作り上げたと言ってもおかしくない国ですね。正確には、初代国王のお母様とお妃様がそうなんですが」

「女の子ばっかり呼ばれてくるの?」

「最近は禁止されてますから統計もないですけど、昔の記録見たらほぼ女性のみですね」

「へー」


 そういうの、きちんと記録されてるんだ。しっかりした国なんだな、って思う。

 つか、ほぼ女の子ばっかり引き込んでくるなんてどういうことよ、魔術師と言うかそういう連中。


「召喚するひとがど変態なのかな」

「そうかも知れませんね」


 女の子呼びまくってハーレムでウハウハだぜ、なんてめっちゃ古い言い方なんだけど、もしかしたらそんな感じなのかもしれない。

 ……その延長線上に私がいるのは、何かムカつくなあ。潰すぞ餅の国。


「ですが、初代国王が暴走した黒の神を鎮めて世界に平和をもたらし、その功績からシロガネ国を建国されたのはこの世界にあるすべての国の歴史に刻まれていますよ」

「黒の神って、イコンの人たちが信じてる神様のことだよね」

「ええ」


 すべての国の歴史って、めっちゃすごい。まあ、神様が暴走してその神様をやっつけてできた国なんだから当然か。

 でも、そのやっつけられた神様を今でも信じてるイコンの人たちって……どうなんだろ? あ、いや、暴走してなければいい神様なのかもしれないな。イコンの穏健派の人たち、いい人みたいだし。

 あれ、でも、今の言い方からすると、神様って。


「……現実に出てきたわけ?」

「記録にはそう書かれていますが、実際のところはどうだったのか」

「まあ、大きな戦争とかそういうのだったかもしれないもんね」

「そうですね」


 いやいや、さすがに神様がばーんと出てくるなんてそんな。……いや、猫が魔王やってる世界だからありなのか?

 ドラゴンいるしガーゴイルいるしワイバーンいるし……うん、神様が出てきても正直おかしくない世界だな、ここは。

 私の元いた世界と一緒にしちゃだめだ、いい加減気をつけないと。


「それで、その人が作ったシロガネ国が今までずっと続いてるんだ」

「ええ」


 一体、どのくらい国は続いているんだろう。神様が出てきたっていうのがホントか嘘かわからなくなっているくらいだから数百年とか、最低でもそのレベルだよね。うっかりすると千年?


「長いこと続いてるから、時々私のようなハッチャケ者がでてきたりして、あっちこっちの国に行くんです。それでその国にいついたりして」

「へえ」


 ミカさんみたいに、国を出ていろんなところに行く。そうしてその国々に根付いて、シロガネ国の王族の血は広がっていってる、のか。

 あ、でも王族なら、結婚相手もそんな感じだったりするよね。


「王様とか偉いさんとくっ付くの?」

「そういう人もおりますし、普通に国民として溶け込むものもいるようです」

「なるほど。ミカさんは……後の方か、どっちかっていうと」

「そうですね。クロ様のお世話をしつつゆっくり暮らせればそれでいいです」


 ま、だよね。お世話役という形でお城にいるから、結構気楽にやっていけてるけどさ。

 これが王妃様とかそういう役割だったら、きっと面倒だろうなあ。今日のクロさんにくっついていってご挨拶するとか、リューミさんとかも出るような会議に参加するとか、たくさんの書類読んでサインするとか。


「アキラさんは、この先どうなさるおつもりですか?」

「へ?」


 いきなり問い返されて、答えに詰まる。思わず自分を指差して「私?」と聞いたらしっかりと頷かれた。

 うーん、そう言われてもなあ。


「何やっていいかも正直わかんないんだよね。ここでクロさんのお世話とかするの、結構楽しいし」

「そうですね。可愛らしい魔王様ですし」


 クロさんのお世話が楽しい、というのは満場一致。二人しかいないけど。

 けど、ただの女子高生に何ができるかっていうのもある。別に趣味とかあまりなかったし……あえて言えばぬいぐるみ集めるの好きだったけどさ、この世界はリアルででかい動物がいるし。筆頭が猫魔王様。


「いっそこのまま、お世話係極めてやろうかとも思ってる。たまーに悪党とか忍び寄ってくるから、それ倒すためにカレンさんとの修行もしてるわけで」

「あー、それはそれでいいかと思います。まあ、私もあんまり目的ないし」


 人に聞いといて、自分もないのかー。でも、そういうもんだよね?

 別にクロさんのお妃様になるだのならないだのでごちゃごちゃめんどくさい話になるよりは、あの長毛とかもふもふできる腹とかをひたすら愛でる生活のほうが楽しいし、楽だし。


「そのうち、目的ができたらまた変わるかもねー」

「できたら、ですね。よし、ベッドは無事でした!」


 おお、いかんいかん。点検再開しないと、またクロさんに何かあったら困るし。

 あの偽メイドさん、今頃どうなってるんだろうなあ。

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