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魔王は勇者を猫可愛がりする。猫だけに(魔王が)  作者: 山吹弓美


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044.客人を迎えるために

 偽メイドさんが全部ぶちまけてくれた、とリューミさんから情報が入った。

 なんでもがーすけお預けに陥落したとのことで、その後しばらくがーすけにしっかり抱きついてすりすり頬ずりしてたらしい。……頬、擦れて赤くなったりしてないかな? 相手どう見ても岩っぽい魔物なんだけど。


「ひとの好みって、分かんないねえ」

「まさかモイチノ王国も、がーすけで買収されるとは思ってもいなかっただろうな」

「ガーゴイル好きが、ピンポイントでハマるとは思わなかったでしょうし……」


 そんな事を話しながら、私とミカさんでクロさんの着替えを手伝っている。今日はシロガネ国からの使者が来るってことで、クロさんは顔出しで接客……接待? あ、謁見か、するんだって。


「はい、できたよー」

「できましたよ」

「おう」


 二人がかりで裏が赤い、黒マントを付けて終わり。クロさんはそもそも名前の通りの黒猫で、本人も黒い服が結構好きっぽい。でもまあ、真っ黒ってのもあれだから赤っぽい黒とか、青っぽい黒とかいろいろバリエーションはある。

 今日は、ダークグレーに近い服の上に簡素な黒鎧を付けた。きりっと真剣な顔をすると、結構かっこいいんだよね猫魔王。


「どうだ、格好いいか?」

「当たり前でしょ、クロさん」

「素材がいいですし、私たちが着せたんですからね」


 クロさん、鏡の前で背中映したりカッコつけたりって、あーもうほんと可愛いなあ。しっぽも軽く揺れてるし。

 ちなみに、今日の衣装を選んだのはミカさんである。今日来るのがシロガネのひと、というのがあるらしく。


「シロガネの人の好みは、私がよく知ってますから」

「だから着付けがミカさん担当なの、わかりやすいよねー」


 くっそシンプル系が好みらしいんだよね、シロガネ国の人。ミカさんもそうみたいで、だから彼女が好みの感じで選べばシロガネの使者さんからも好印象持たれる、ってことみたい。


「シロガネ国が相手であれば、俺も顔を隠す必要などないからなあ」


 にゃはは、と頬を爪で軽くひっかくクロさんのセリフに、あれと思った。餅の国相手なんかのときは、そういえば何か言ってたっけ。


「餅の国、クロさんがこういう姿だって知らないの?」

「基本的に、あいつらの前には鎧兜フル装備で出ることにしている。シロガネや他の国も、モイチノ王国に俺の本来の姿を伝えることはしていないみたいだな」

「モイチノ王国は、周辺からもあんまり好かれていないようですからね」


 えー、相変わらずダサいな餅の国。

 とはいえ、仕方ないことか。クロさんがこんなに可愛い猫だって知ったらあいつら、何しに来るかわからないもんね。他の国が、クロさんの本当の姿を教えないってのもきっと、そう考えたからだと私は勝手に思い込むことにしよう。

 あ、でも餅の国とお付き合いのある勢力もあるんだよね。確か……。


「仲がいいのはイコンの過激派と、あとは小さな国がいくつかかな。今世界で最強の勢力なのはシロガネ国とその周辺、だし」

「最強というか、あまり敵を作らない政策なもので自然と味方が増えてるだけですけどね」


 ほうほう、なるほど。イコンでも穏健派はこっち寄りだから、内部分裂と言うか対立してるんだよねえ。

 つか、シロガネ国ってそんなに強い国だったのか。敵を作らない政策っつっても、餅の国みたいな敵はどうしても出てくるわけだし。

 でも、そいつらのことをあんまり重く見てない以上、やっぱり戦力とか色々強いんだろうと思う。

 その王族の端っこにいるらしいミカさんは、そういう力持ってるかどうかはわかんないけど、頼りになる人だな。


「それが分かってないから、モイチノは孤立の方向に突き進むんだ」

「魔物や魔族を排除する方向に行くと、どうしてもねえ」


 シロガネ国とかは、基本人間の国だけど魔族や魔物とも仲がいいらしい。センダくんみたいな伝書蛇は当然のようにいるし、乗り物とかにも魔物がいるらしい。山奥とかには、魔物が群れで住んでるコロニーがあるとか何とか。

 魔族はほとんどがクロさんの国に来てるんで、他の国では珍しいとのこと。シロガネとかでもそうなんだから、餅の国なんてねえ。


「中央部では、伝書蛇も使われていませんし」

「その割にマスダくんとか使うんだ」

「国の外にいますからね」

「あー」


 外にいるならこき使ってもいいのかよ、伝書蛇。

 ……連中にしてみたら、それがどうした何がおかしい、とかいう感じなんだろうけどさ。

 そんな事を考えてたら、クロさんがすっくと立ち上がった。あ、しっぽが軽く膨らんでる。


「……あー、モイチノ王国のこと考えたら気分が悪い。シロガネの使者と会って気分転換してくる」

「話振った私が悪かった、ごめん」

「あ、いや。アキラは悪くないからなあ」


 いや、絶対ネタ振った私が悪かったんだって。

 でもクロさんは気を使ってくれて、頭を肉球ふにふにしてくれた。あーもう、これには勝てないよ私。


「それじゃ、行ってくるからなー」

「行ってらっしゃーい」

「行ってらっしゃいませ」


 何故か機嫌の直ったクロさんを、私とミカさんで送り出した。……なんで、あっさり直ったんだろ?

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