3話
いくら子供の頃から霊感があっても、気持ち悪いし、怖いものは怖いのです。
私は何事もなかったのようにするしかありませんでした。
それより、葉山さんが危ない!
そう思いました。
山村さんが自殺してから、葉山さんの様子がおかしいのも、これに関係しているに違いない。
そして――
仕事の時にナースステーションで葉山さんが急に泣き出し、我慢出来なくなったのだろう。
「私は、自殺に追い込むつもりはなかった。毎晩私の枕元に山村さんが立っている! 私の事を見ている!」
――と、自分に起こっている事を話し始めました。
その時です!
葉山さんが――
「ギヤ―――――っ!!」
狂ったような叫び声をあげ始めました。
そして、ナースステーションの電気が次々とバリバリ割れはじめたのです……
バリーン…ビリビリ……
机の上の物が落ちたり、コーヒーカップが割れたり……
ナースステーションには私と葉山さんと他に3人の看護婦と看護士がいましたが、私以外、もう皆パニック状態です。
何が起きているのだろうか――?
全く把握できないような状態でした。
そして、葉山さんが――
「離して!お願い!許して!ギャーー!!」
――と叫んでいます。
その瞬間―――
葉山さんの腕しっかりと強く握り、その腕を両手で引っ張っている山村さんが見えました……