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第三十一話 六味合体ゴッドハンバーグ ~ 十歳の伝説 ~ (前編)

次回は2月5日に投稿する予定です。

 

 ついに秘密のヴェールを脱ぐ、速人の三種のハンバーグ。


 大市場に訪れていた客たちが、店で働く店主と従業員たちが休憩中という札を出してその場に集まっていた。


 審査員席に座るのは…”オーク族最高の美食家”アルノルト。


 ”レストラン・アフタヌーンのホールスタッフ三人衆”ヘムレン、アントン、フランシス。


 ”ラッキー精肉店主人”ラッキー。


 ”一般客代表”宗雪近、シャーリー。


 ”予備枠”アルフォンス、ディー。


 そして”ドレスデ商会会長令嬢”アトリ、カトリ。


 全十一名が様々な思惑を巡らせながらただ一人の男の動向を伺っていた。


 その男の名は、不破速人。

 神に選ばれし武器ヌンチャク。


 そしてそのヌンチャクに愛された美しき天才美少年である(※重複表現。及び誇大表現が含まれています)!!


 速人はやや小さな簡易オーブンの扉を開き、中から底のある耐熱容器を取り出していた。

 容器の中には油紙で巻かれた何かが入っていた。


 展開の都合上、後回しになってしまったがこの中に入っているものは”第三のハンバーグ”だった。


 速人はまず皿に油が身を敷き、そこにソース、ハンバーグ、添え物(乱切りにしたキノコ、ブロッコリー、ニンジン等)を置いて最後にまたソースをかけてからオーブンの中に入れたのである。


 「ハンバーグの包み焼き(カルトッチョ)とはあじな真似をしてくれるうううう…。小僧、さっさとその中身を私に食わせろおおおお…」


 アルノルトは審査員席から地獄の餓鬼のように手を伸ばしている。

 そこにかつての優雅な物腰の紳士はいなかった。声は枯れ、頬はこけ、目にくまが出来る始末。

 アルノルトはわずか数分の間に痩せていた。

 

 ヘムレンたちに至っては人間ピラミッドを組んで、必死に飢えと戦っている。


 どういう理屈でこうなったかは誰にもわからなかったが、どのような困難もチームワークを発揮すれば乗り越えられるという心意気なのだろう。


 他のスーツ姿の男たちも加わってかなり大きな人間ピラミッドが出来上がっている。


 しかし、かなり異様な状況であるにも関わらず群衆の関心はただ一点にのみ向けられていた。


 速人が現在進行形で作っているハンバーグである。

 速人はオーブンの前で焼き上がる瞬間を待っていた。


 料理とは定時に仕事をこなせば完成するものではない。

 いくつもの突発的なアクシデントを乗り越えることもある。


 速人は聴覚と臭覚に神経を注ぎながら、オーブンの内部でいくつもの生と死を繰り返しながら完成へと近づこうとするハンバーグの姿を夢想する。


 (生まれた時に与えられたもので満足はできない。他人の慰めなど塵ほど価値もない。火よ、起これ。肉よ、爆ぜろ。ソースよ、満たせ。人間の真実はただ一瞬のきらめきにこそ宿る)


 速人には加熱されたハンバーグの中で肉汁がはじけ飛び、ソースが血のように流れ出す様子が見えていた。

 

 そして、速人のブタのように大きな鼻がひくひくと動いた。

 

 速人はオーブンの扉を開けて、ハンバーグの皿を全て取り出す。

 ハンバーグの、最後の調理は油紙の中で行われるのだ。

 速人はパンパンに膨れ上がった油紙の包みを見ながら哄笑する。

 

 三種の神器ハンバーグの完成まで残す時間はあとわずか。


 アルノルトは席を立ち、馬用の飲み水が入った桶の近くまでフラフラと歩いて行った。

 そして何かの覚悟を決めたような顔つきになると頭を水の中に突っ込んだ。

 一心不乱に顔についたメイクを落とす。

 オーク族きっての伊達男が大衆の前で化粧を落とすという暴挙を目の当たりにしたアルノルトの関係者たち(アトリ、カトリも含む)は一斉に悲鳴をあげる。


 ざばんっ!


 そして、馬用の飲み水が入っていた桶から一切の虚飾を纏わぬ真・アルノルトが姿を現す。

 もはやそこにいるのは顔を緑色のファンデーションで塗ったくった変質者ではない。

 朱色の小さな唇に微笑を称えた赤茶の長髪を風に靡かせる美麗な紳士の姿がそこにあった。

 実際の年齢は五十代に近いのだが二十代といっても通用するような精気に満ちた容姿だった。

 

 アルノルトは真ん中に分かれた前髪をかき上げ、華麗な足取りで再び審査員席に戻る。

 アルノルトの歩く姿に魅了されたおばちゃんたちから嬌声が上がった。

 アルノルトは彼の美貌を称える声援に真夏の木洩れ日のような微笑を返した。

 

 そして今、陽光を覆う赤茶の睫毛に包まれた青い瞳が、皿の上に三つのハンバーグを並べている速人に向けられる。

 アルノルトの眼光には些かの温かさは感じられない。


 今や獣と化した二人の男の眼光が火花を散らしていた。


 「さあ、食べてくれ。俺の今出せる最高傑作のハンバーグを」


 速人は大きめの皿を審査員席に左から順に置いて行く。


 皿の上には三種類のハンバーグが乗せられていた。

 謎のヴェールに包まれたカルトッチョ風ハンバーグ、魚肉を使用したハンバーグ、そしてパン粉に包まれたメンチカツ風のハンバーグ。


 臨戦態勢に入っていたアルノルトは神妙な面持ちで皿の上に置かれたハンバーグを見つめている。


 まず彼が目を引かれたのは油紙に包まれたハンバーグだった。

 おそらくはメインとも言うべきハンバーグであるはずなのに決め手になるような匂いがしてこないのだ。


 (策士め…)


 アルノルトは刃のように尖った視線を速人に向けた。

 アルノルトは速人がメインとなる紙包み焼きのハンバーグに審査員たちの注目が集まるように仕向けていたことに気がついていた。


 (これは速人少年の仕掛けた罠だ。無防備に立ち入れば美味のベア・トラップが我々に襲いかかるだろう。そうなれば逃げられる者などおるまい)


 アルノルトは魚肉ハンバーグの上に乗せられた白いソースのようなものを見つめる。


 それは大根おろしだった。


 (大根おろし、か。健康に良いとは聞いているが、果たしてこんなものがハンバーグに合うのか?)


 アルノルトはさも興味なさげに魚肉ハンバーグとつけ合わせを見ている。

 その時、ラッキーの隣の席に座っていた雪近が感嘆の声をあげる。

 どうやらアルノルトよりも一足早く魚肉ハンバーグに口をつけたようだった。


 「速人!うめえよ、コレ!何つーか、季節の魚の美味さというか!酢橘の美味さだよな!余すとこなく出ているぜ!魚料理のくせに骨も入ってないし、オマケに生臭さも無え!これなら毎日食ってやってもいいぜ!」


 雪近は魚肉ハンバーグを頬張りながら喜んでいる。

 雪近の喜ぶ姿を見ていたラッキーたちも魚肉ハンバーグを食べ始める。

 雪近の隣に戻っていたディーも、雪近にハンバーグの残り半分をもらっていた。


 「おいしいねえ。これなら魚の骨が苦手なヤツでも安心して食べられるんじゃないかい?」


 シャーリーはハンバーグの真ん中にフォークを突き刺して豪快に食べている。

 その一方でアルフォンスが物欲しそうな目で見ていたが「他の奴ににもらいな」と言って取り付く島もなかった。


 その後、二人のやり取りを見ていたラッキーが自分の皿の上に乗っているハンバーグを二つに分けてその片方をアルフォンスに与える。

 アルフォンスはラッキーに軽く頭を下げてからハンバーグを食べ始めた。


 「うまい…」


 アルフォンスは口に含んだ途端に呟く。


 魚肉独特の柔らかい歯ごたえ、それでいてしっかりとした爽やかな旨味が口内を満たした。

 本来ならばこの料理に足りないはずの脂肪成分も合い挽き肉を足すことで美味く補われている。

 さらにハーブと香辛料が黒子役を果たすことによって魚独特の生臭さといったマイナス要素が排除されていた。


 しかし、極めつけはこのソースだろう。


 アルフォンスは魚肉ハンバーグに絡められた大根おろしソースをゆっくりと味わうことにした。


 「流石はアルフォンス君だ。このソースの秘密に気がついていたか」


 アルノルトは皿の上に残った茶色の大根おろしソースにハンバーグを絡めながら食べていた。

 クズ野菜とクズ肉をごった煮にして作ったソースをベースにして、そこに大根おろしを入れて仕上げたソース。

 これをハンバーグに絡めて仕上げた極上の逸品。

 大根おろしがハンバーグとごった煮ソースの橋渡し役となり、味に統一感を与えている。


 新鮮なまるまると太ったイワシで作ったカルパッチョを赤ワインビネガーとイワシの肝を煮詰めて作ったラグーソースをかけて食べた時のような気分になる。


 いや違う。


 前述のカルパッチョが自然の恵みによって作り出されたものだとすれば、これは人の手によって作り出された奇跡である。


 アルノルトは両目から涙を流しながらハンバーグを食べ続けた。


 「ビネガーの酸味、塩味、香草の苦味、ブラックペッパーの辛味、シロップの甘み…。そして牛、豚、ペン先から滲み出えう肉汁の旨味…ッッ!!こんな不細工な小僧が見事なまでに六味を使いこなしているというのか!?」


 ヘムレンは屈辱に泣き咽ぶ。

 しかし、フォークとナイフから手が離れない。

 

 心がハンバーグと速人を否定していても、体がそれを拒絶しているのだ。


 ヘムレンは過去に六味という言葉の持つ意味がわからなかった為に失敗をした経験がある。

 今でも自分の何が良くなかったか理解できない。

 しかし、今速人の作ったハンバーグがその答えを示していた。


 (個々の食材の個性を引き出しつつ、料理全体の統一感を計るとはこういうことだったのか!!)


 ヘムレンの涙は止まらない。

 なぜならば今の彼は「キッチンスタッフに戻って料理を作る仕事がしたい」という自分の本当の気持ちを知ってしまったからだ。


 アントンとフランシスも過去の感傷に浸りながら黙々とハンバーグを食べている。


 ただ一口食べるだけで、速人のハンバーグは自分たちに何が足りないかを知らしめるには十分すぎる代物だった。


 (料理が作りたい。給仕の経験を生かした料理を作りたい…ッッ)


 (私は間違っていた。そもそも壁にぶつからなければ自分の限界さえ見えてこないというのに…。勝手に卑屈になって自分の未熟さを認めないばかりか、料理そのものを見下していたのだ…)


 一つ目のハンバーグを食べ終えたヘムレンたちの顔には傲りが消え失せ、濁った瞳は精気に満ちた輝きを放つようになっていた。


 ヘムレンたちの変貌ぶりにカトリ、アトリの姉妹も絶句する。

 その時、カトリはカットしたハンバーグを口に含み、ゆっくりと味わった。

 

 カトリは大した成果を期待しないまま、咀嚼する。

 しかし、予想に反して味覚には疎いはずのカトリにも魚と肉の旨味が伝わってきた。


 (肉と魚は海と陸に隔てられた兄弟。大根おろしという架け橋が、二人を引き合わせたのだ…)


 気がつくと呆気に取られた表情のアトリが、ハンバーグの味に酔いしれるカトリの姿を見つめていた。


 「なに、ねーちん。悪いものでは何か食ったの?」


 「いやいや!これは、その違うぞ!決して我を忘れるほど美味かったとかそういう話ではない!」


 カトリは赤面しながら自身の呟きを否定する。

 狼狽する姉の姿を見ながら、アトリもハンバーグを口に運んだ。


 ザバババババッッ!!!


 水中、どこかの川の中を泳ぐ小魚の大群が見えた。


 次に舞台は大地に変わる。


 ドドドドドドドドドッッ!!!


 広大な草原を牛と豚の混成大群が土煙を上げながら縦横無尽に駆け巡る。

 牛と魚の群れの先頭には包丁を持った速人の姿が見えたような気がした。


 アトリは水の中でも、陸の上でも圧倒されるばかりで何も出来ない。


 「これが真の美食というものだ。お嬢さん」


 「ぎえええッ!!??」


 正気に戻ったアトリの前には速人の大きな顔があった。

 アトリは絶叫しながらカトリの後ろにまで逃げてしまった。

 速人は両手を組みながら満足そうにアトリとカトリの空になった皿を見る。

 速人の料理を食べてすっかり戦意を喪失してしまったオーク勢だったが、その中でただ一人アルノルトだけは瞳の輝きを失っていなかった。


 アルノルトは魚肉ハンバーグを食べ終えると自前のナプキンで口を拭いた。

 その後に「失礼」というとこれまた自分で用意しておいたワイングラスに水を注ぎ、一旦口の中に入れた後すぐに吐き出した。

 アルノルトは暗褐色のどろどろとしたソースがかかったメンチカツを指さした。


 自ずと周囲の注目もメンチカツに集まる。


 「速人少年よ、いや速人よ。一応聞いておくが、この料理は三つで一つの料理。と、そう考えてもいいのだな」


 「クックック…。勇者アルノルトよ、ワシはそのつもりで作ったのだが何か不満でもあるのか?」


 アルノルトは人差し指を今度は速人に向けて突きつける。

 速人は不敵な笑みを崩さぬまま、これに応えた。


 無駄に豪勢な黄金の全身鎧で身を固めたアルノルト。


 百倍くらいの大きさになった速人。


 イメージ的には勇者対魔王のような構図となっていた。


 「では、二つ目のコロッケとメンチカツの中間のようなハンバーグを食べない限り私はお前には屈しない。勇者の名に賭けて、お前の邪悪な企みは全てぶっ潰させてもらおう。それでは諸君、二品目を食べるぞ。覚悟はいいか?」


 アルノルトの芝居がかった号令のもとに、オーク勢はメンチカツを食べ始める。

 しかし、当のアルノルトはメンチカツ本体よりもまず先に暗褐色のどろどろとしたソースを自前のスプーンですくい、舐めていた。


 (このソース、甘い。いや甘辛い。トマトの風味と例のソース、そしてこの味は果汁か?それらを煮詰めて出してきたか…。だがこれでは前に出したハンバーグの味が台無しになってしまうのではないか)


 アルノルトは濃密なトマトソースを味わいながら冷や汗を垂らしていた。

 しかし、彼の予想に反してというか全く空気を読んでいない素っ頓狂な反応がラッキーたちの方角から聞こえてきた。


 「うまい、うまい、うまーい!これ最高だよ!多分今まで食べたハンバーグの中でも最高なんじゃない?」


 ディーは子供のようなはしゃぎながらメンチカツを頬張っている。

 隣の雪近も笑顔を浮かべながら無言でメンチカツを食べていた。


 「さっきのもおいしかったけど、これもまた文句のつけようがないほどに美味いな。うちで出しているメンチカツとコロッケとは全くの別物だ。速人君、これは今考えたのかい?」


 ラッキーも雪近、ディー同様に嬉しそうな様子でハンバーグを食べている。

 隣のアルフォンスは難しい顔をしながらラッキーからもらった分を食べていた。

 速人はラッキーの店を最初に尋ねた時に余った材料を使って総菜を売るという提案をしていたのである。


 そして今、ラッキー精肉店の小さな屋台で出されている串焼き、もつの煮込み、カツレツといったメニューは全て速人の考案したものだった。


 「ああ、そうだ。今ラッキーさんの店で出している料理は基本、家に持ち帰ってから食べるお土産用として考えたものだからな。これはこの場限りの食事用のメンチカツ風ハンバーグというわけだ」


 「フン。芋と肉と野菜をほぼ同じ量で使ってきやがったか。悪かねえよ…」


 (仕上がりは肉と野菜の中間のようなハンバーグか。よく考えていやがる。こんな美味い料理ならアイツにも食わせてやりたかったな)


 アルフォンスはハンバーグを味わっているうちに封印された過去の記憶を思い出していた。


 あれは十数年前、都市の近郊で大規模な戦闘が行われた時の話だ。

 義勇軍の一員として参加していたアルフォンスの弟ケインは帰らぬ人となったのである。

 敵の猛攻に晒され、全身血まみれになったケインの死体を家紋の入った旗に包んでアルフォンスのところまで届けてくれたのはアルノルトだった。


 (ケンカの一つも出来ない弱虫のくせに、何で兵士になんかなろやがったんだ。あのバカは)


 いつの間にかアルフォンスは顔をぐしゃぐしゃにしながらメンチカツを食べていた。


 アルフォンスに過去の出来事を思い出させたものは”ドワーフ芋”だった。


 アルフォンスの幼い頃、戦争の真っ最中であり特に食べ物に不自由した時期があった。

 アルフォンスは市内の流通が止まり、そのまま配給制に移行したことを今でも覚えている。

 両親は不眠不休で働き、いつ倒れてもおかしくはない状況でありアルフォンスと弟ケインは不安な日々をすこしていた。

 そんなある日、アルフォンスとケインは両親を喜ばせようと秘密の抜け道を通って都市の外に”ドワーフ芋”を掘りに行った。

 運良くトラブルと遭遇することもなく大量のドワーフ芋を手に入れて、弟と一緒に家に帰ったが逆に都市の外に出て行ったことがバレてしまってそのことでこっ酷く祖父母と両親に怒られてしまったのである。

 アルフォンスは弟が戦死してからずっとドワーフ芋を遠ざけていた。

 ドワーフ芋の茹でても粘っこさが残る食感を味わう度に、嫌でもケインの笑顔を思い出してしまうからだ。

 アルフォンスは食べている最中に何度もケインの名前を呼んでいた。


 「ケイン、何で祖父さんよりも、親父よりも、俺より先に死んじまったんだ。ケイン、お前が死んでから俺の世界は色が無くなっちまったんだ。ケイン、ケイン…、せめてもっと兄貴らしいことをさせてくれよぉぉぉ…」


 泣き咽ぶアルフォンスの姿を見て、ラッキーも涙を流しながらメンチカツを食べていた。


 シャーリーは号泣する二人の男たちを肴にもりもりとメンチカツを食べている。


 子供を四人も産んでいる女性は並大抵のことでは動じない、ということだろう。


 そしてアルノルトは、やはり当事者の一人だけあって泣いていた。


 「うまいいいいいいい…。でも悲しいいいい…。このメンチカツは罪つくりなほどおいしいいいい…。助けて、マンマアアアア…!!」


 その一方でいい年齢としをした大人がメンチカツを食べて号泣する姿を見せつけられ、アトリとカトリは微妙な表情をしている。

 しかし、二人はメンチカツの味だけは認めざるを得なかった。

 

 数種類の乾燥ハーブを粉末にしたものを混ぜたメンチカツの外側。

 そして肉とそら豆とニンジンとドワーフ芋が絶妙な比率で混ざり合ったメンチカツだね。

 トマトソースを主体とした香辛料とごった煮ソースから作られた甘辛い味のソース。


 いずれも他では味わえない絶品ばかりである。


 しかし、アトリとカトリ姉妹だけは速人のメンチカツに既視感を覚える。


 「見たか、これが21世紀のソース!!20世紀に発明された最強の調味料ケチャップソースと中濃ソースのハイブリッド、BBQソースだ!!」


 果たしてBBQソースとは一体どのようなソースなのか!


( 答え マックのチキンナゲットについてくるやつ )


 数多くの謎を残しながら次回、決着編に続く!!


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