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第二十九話 勝負の行方!!二十九話だけに肉の話!!

次回は一月三十日に投稿する予定です。

 「ハッハアー!!今度こそ終わりだぜ、おめでたい顔の糞チビ!!このアルノルト先生はただの食通じゃねえんだよ!公正な辛口評価で知られた料理人殺しとも言われている恐ろしい人でもあるんだぜえ?」


 アトリは中指を立てながら挑発してきた。


 (黙っていれば美少女なんだがな…)


 鼻息を荒くしているアトリの姿を見ながら、速人はエイリークやレミーのような残念な生き物を見ている気持ちになっていた。


 「さて速人少年。この私の挑戦状、果たして君に受け取る勇気はあるかね?」


 アルノルトはまだ柱の上につま先だけで立っていた。これはこれで残念な人間だった。一方、カトリは両腕を組んで事態を静観している様子だった。

 実際は展開が早すぎて混乱気味だったのだが、氷の彫像のような美貌が周囲の目にはあたかも冷静に動向を見守っているかのように見せていたのだ。


 速人は溶けたバターの入ったフライパンに少量のスープと細かく刻んだ香草を入れてから再加熱する。


 じゅわわわわッ…。


 瞬間でフライパン内の水分が蒸発した。

 緑色の香草と焦げたスープ、そしてバターの何とも言えない良い香が立つ。


 「笑止。どこの誰が何人、来ようと同じことだ。俺の美食の前では誰もが奴隷に成り下がる。変態男爵、お前とて例外ではない」


 アルノルトは速人からの不躾な返礼に怒りを覚えながら、フライパンの方から鼻腔に流れてくるバターの芳醇な香りとミント、パセリといった香草の爽やかな匂いに脳を激しく揺さぶられていた。


 (これはマンマの焼き菓子と同じ匂いだ。見える。マンマが私の為にビスケットを焼いてくれている姿が、はっきりと見える!私はマンマの幻影を見ているのか!?)


 その時、アルノルトは速人が自分の姿を見て笑っていることに気がついた。

 

 (何という屈辱だ。私のマンマを慕う心さえも見抜いているというのか!?)

 

 アルノルトは拳を震わせながら引き下がった。


 アルノルトの参戦が正式に決定すると他のスーツ姿の男たちによって店の軒先に臨時の審査員席が用意された。

 審査員ではないが、関係者としてアトリとカトリにも椅子と机が用意される。

 アルノルトは腕を組んで簡易キッチンで目まぐるしく料理を続ける速人の様子を気にしていた。

 心の内を見抜かれた悔しさもあったが、それ以上に速人の料理の完成が待ち遠しかったのだ。

 普段は優雅で余裕のある態度を崩さぬアルノルトが新人ニューマンの子供の料理に心を奪われている。

 まるで同等の力量を持った強敵と対峙している時のような異様な雰囲気に包まれているアルノルトにアトリは声をかけることにした。


 「なあ、アルノルト先生よう。ぶっちゃけ、あの速人ってガキはすげえのかよ?」


 アルノルトはアトリの方を見もせずに即答する。


 「ああ。この私の慧眼(※自分で言う)をもってしても速人少年の作る料理の全貌はいまだに見えてこないのだよ、アトリ君」


 アトリは目を細めて速人の姿を見た。

 スーツ姿の男がアトリに双眼鏡を差し出す。

 アトリは双眼鏡を使って料理に没頭する速人の姿を見る。

 

 相変わらず速人はまな板の上で野菜や肉を刻み、鍋の中に入れては火にかけとそれを繰り返している。

 アトリとて仕事場で働く父親の姿を見たことがないわけではないが速人が何を作ろうとしているかわからなかった。

 いくつもの香草を使い、手当たり次第に廃棄された肉を塩と香辛料で味付けた後に焼いている。


 「駄目だ、こりゃ。アタイにはわかんね」


 アトリは双眼鏡をスーツ姿の男の返した。

 その途中、カトリが双眼鏡を手に取り速人の姿を見る。


 「アルノルト様、あれはどうということのないただのビーフシチューですよ。材料をたくさん使って我々を混乱させようとしているだけです」


 アルノルトは何も答えない。

 ただ速人の動きの一つ一つを観察している。


 小鍋に材料を入れて、高温の強火でで加熱。

 そして余分な汁を捨てた後に最初から用意された大きな鍋に入れる。


 いつしかアルノルトは無駄の一切ない流麗な所作に心を奪われた。


 アルノルトの側でおとなしくしていたカトリが何かに気づいたらしく、細くて長い指をさした。


 「見たか、アトリ。あの料理の完成形はビーフシチューではなかろう。エビやカニの殻を潰して入れたぞ」


 ガッ!ガッ!ガガッ!


 速人はハンマーでエビの殻を砕いている。

 すでに鍋の中には黒い甲殻を持つ小さな蟹が入っていた。

 アトリはこの調理法を幾度となく見たことがあった。

 速人は鍋を加熱した直後に白ワインを注ぎ、虹色の炎を立てる。

 食材から余分な水分を蒸発させ、香だけを引き立てる調理法”フランベ”だ。

 そして出来上がる料理の姿も朧気ながら理解出来た。


 「コンソメスープ…」


 アトリは誰に訴えるわけでもなく「コンソメスープ」という言葉を口にした。

 数年前、母親らと共にレストラン・アフタヌーンの厨房を尋ねた時に彼女の父親が言っていたことを思い出す。


 ”コンソメスープこそ、ヨウショクの頂点であり原点だ”と。


 アトリには未だに理解できない言葉だったが、今速人のかき混ぜている大鍋から漂ってくる肉と野菜と香辛料の旨味の長所を全て備えたような匂いはそれを全てに先んじて本能に訴えてくる。


 だが同時にアトリは料理コンソメスープの欠点も直感していた。


 (コンソメスープだと?全然時間が足りねえじゃねえか。ふざけろってんだ。だが、あの速人の余裕は何だ?ああ、ムカつくぜ…ッッ)


 「完全なスープ(コンソメスープ)か。新人ニューマンらしからぬ粋な料理を選択したものだ。だが悲しいかな、速人少年。その料理は早くとも三日は煮込まなくては完成しない代物だ。私は自前のテントがあるからいつまで待っても構わない(※ここでその場の全員が引く)が他の面子にも同じように待ってもらうのかね?」


 アルノルトは普段とは違った厳しい視線を投げかける。


 悉く意表を突かれたことも腹立たしかったが、それ以上に速人の料理の完成形が見えてこないことも悔しかったのだ。

 一方、ヘムレンたちは速人の料理の匂いを嗅いでから身動き一つとれないでいた。

 何故ならば彼らにもキッチンスタッフへの配置換え要望もしくは独立の意志があり、その時は同僚や総料理長に試食してもらおうと毎日残業しながらコツコツと現在進行形で作っているコンソメスープの匂いが速人の作っているものに劣っているという事実を突きつけられてしまったからなのだ。


 年端も行かぬ少年が残飯同様の材料で作ったコンソメスープに心を奪われる。

 結果、ヘムレンたちは敗北以上の敗北を背負わされることになった。


 「馬鹿な。厳選された材料のみで作っている私のコンソメスープが、あんな新人ニューマンの小僧が即興で作ったスープもどきに届かぬというのか…」


 ヘムレン、フランシス、アントンらは今までの自分たちの努力が否定されたような気がして悔し涙を流していた。

 

 「待てよ。アルノルトさん。坊主が作っているアレはコンソメスープじゃないぜ?」


 縄でグルグル巻きにされたうえ、さらに吊られた男アルフォンスが真剣な表情で語った。

 アルフォンスはもともと眉の太い、精悍な顔つきなので周囲の人々も思わずふり返ってしまう。


 吊り上げられてからかなりの時間が経過した為か、顔色が悪くなっていた。


 「アルフォンス君。どういう経緯でそのような姿に?」


 アルノルトは手足を広げバツの字に縛られた挙句、宙づりにされている知人を心底気の毒そうな顔をして見つめている。


 「チッ」


 シャーリーは舌打ちをするとアルフォンス目がけて飛びかかり、手刀で縄だけを綺麗に切断した。

 愚血独歩、鎬昂昇クラスの切れ味を誇るシャーリーの神業を速人は横目でしっかりと見ていた。


 バツンッ。


 アルフォンスの五体を縛る太い縄は刹那の閃きの後に断たれ、アルフォンスの身体は落っこちてしまうはずだったが着地点で立っていたシャーリーが見事にお姫様だっこをしてこれを受け止める。


 長年連れ添った夫婦ならではの阿吽の呼吸というものである。


 「ありがとう。シャーリー」


 「フン。アンタこそずいぶん軽くなっちまったねえ」


 アルフォンスは赤面しながら妻に礼を言った。

 シャーリーもそっぽを向いていたが頬を赤く染めている。


 一瞬、二人だけの世界が生まれていた。


 「おばさん、何やってんのさ!縄解いちゃったら悪いおじさんが逃げちゃうじゃないのさ!」


 ディーがすごい剣幕で解放されたアルノルトとシャーリーの前に出て来た。

 蚤サイズの勇気しか持っていない男ゆえに声が裏返っている。

 さらに内股で立っている為に遠目には生まれたばかりの小鹿のような姿になっていた。


 「まあ、こんなんでも四人の子供の父親だからさ。世間体とか気にしなきゃならないんだよ。それにコイツには他に行き場所があるわけじゃないしさ。そういえば悪いおじさんって言ってるけどコイツなんかやらかしたのかい?」


 「俺少し前まで山の中で暮らしてたからよくわからないけど、そのおじさんは博打ですごい借金とか大酒飲みとかロクな話を聞かないよ。きっと逃がしたら同じ事をしてまたみんなに迷惑をかけるに違いないよ!」


 ディーがすごい剣幕でまくし立てた後、それを聞いていたシャーリーとラッキーは呆気に取られたような顔をしていた。

 二人の反応を見たアルフォンスも居心地の悪そうな顔になっていた。

 

 一方ディーのアルフォンスに関する評判は雪近から聞いただけのものであり、当の雪近でさえ他人から聞いた噂でしかない。

 

 金を貸したアトリとカトリも小首を傾げて要領を得ずという顔をしている。


 「アッハッハッハ!この馬鹿が、博打に酒ねえ。そんな甲斐性があれば、ハハッ…、どれほどアタシが楽出来たかねえ」


 シャーリーは豪快に笑い飛ばした。

 しかし、彼女の笑い声にはいつもの陽気や覇気といったものが感じられない。

 少なくとも彼女の知るアルフォンスという男は仕事以外に生きがいを見出せない不器用の見本のような人物である。


 「アルフォンスが酒?博打だって?すまない。ディー君、私も少しわけがわからない話になっているんだが…」


 心底困惑しているラッキーに質問されたディーは雪近に救いを求めるが、雪近も噂程度のことしか知らないので答えようがない。


 (大方、職場に姿を現さなくなったアルフォンスに悪い噂が立って大きくなっていっただけのことだろう。雪近、ディー。後でお前らは”電気按摩の刑”な)


 速人は涼しげな顔で牛と豚の細切れ肉を粗い微塵切りにしている。


 「ふむ。大体事情は呑み込めたよ。その話は後回しにしてアルフォンス君、君は速人少年が何を作ろうとしているのかわかるのかね?」


 アルフォンスは吊るされて青ざめた顔をしているアルフォンスに手を差し出す。

 しかし、アルフォンスは首を横に振り、自力で立ち上がった。

 立ち上がる動作がどことなく不自然だったことから、速人はアルフォンスが周囲に心を閉ざす理由を察した。


 シャーリーは審査員席の椅子に座るラッキーを退けた後に、空になった席にアルフォンスを座らせた。

 その後シャーリーは隣の席にどっしりと腰を下ろす。

 アルフォンスはラッキーに軽く頭を下げ、ラッキーは苦笑しながら「いつものことだから気にするな」と手を振っている。

 席に座って落ち着き取り戻したアルフォンスが真剣な表情で速人の料理について語った。

 その時のアルフォンスは以前のような苛立った様子は無く、長年肉を扱う商売に関わってきた職人の顔となっていた。


 「あれはコンソメスープじゃねえよ。時間が全然足りねえし、火力が馬鹿高だからよ。大量の材料を強火で煮立てる。最初に炒めるのは灰汁抜きだ。つまりは時間を短縮して出汁を取らなければいけないってことだろ。おそらくはステーキか何かのソースだ」


 アルフォンスは語調穏やかに、速人の動きを注視しながら淡々と語る。

 そしてアルノルトらはアルフォンスの言葉に誘発されて速人の料理する姿を見た。

 アルフォンスの言う通りに速人は必要最小限の調理工程で個々の材料を強火で仕上げ、出来上がったものを弱火にかけた大きな鍋に入れている。


 「流石は下町で長年肉屋を営んでいるだけはある。見事な推察力だ。だが、それでは…圧倒的に足りぬのではないか。あの即席デミグラスソースの力は並大抵ではあるまい…」


 アルノルトは興奮のあまり眉を吊り上げていた。


 至高のソースと究極の素材が揃えば最上の美味が備わる。

 子供にも理解できる理屈だ。

 されどこの組み合わせは非常に繊細なものであり、わずか寸分の狂いが互いの価値を台無しにしてしまう、この世で最も危険な組み合わせというもの。


 「ああ。それではソースに見合った肉が無え。あの濃厚なソースに負けない肉があるとすれば、季節ものの最上級の仔牛の肉。もしくは脂の乗った鴨肉くらいなもんだ。小僧の用意できる肉はせいぜい筋張った豚のロース肉。たとえカツレツにしたって負けちまうのさ」


 二人の会話をよそに速人はカットされた肉を手動の肉挽き機の中に入れる。

 肉挽き機は製鉄の技術が発達したナインスリーブスではわりとポピュラーな部類に属する機械である。

 速人は牛肉と豚肉の二種類のひき肉を作り上げた。


 「わかったぞ!あの小僧、ソースを作ることに執着しすぎてメインとなる食材のことを考えていなかったのだ!所詮は新人ニューマン、浅はかな考えで自らの墓穴を掘ったのだ!」


 「そうに違いないぞ、フランシス!一つのテーマに固執しすぎて全体のテーマを見失う、初心者にありがちな失敗だ!」


 ヘムレンとフランシスはもう一度速人の姿を見る。


 速人はみじん切りにした大量のうずら葱(ナインスリーブスの玉ねぎっぽい植物)をフライパンで炒めている最中だった。

 ヘムレンとフランシスは炒めたうずら葱の香ばしい香りにうっとりとしてしまう。

 速人はうずら葱を炒めることによって余分な水分を追い出し、葱の持つ優しい甘みを増幅させたのだ。

 間も無く炒めたうずら葱のみじん切りはボウルに移された。

 次に速人は乾燥したバケットをおろし金にかける。


 ガリガリガリガリッ!


 先ほどパン屋でもらったカビの生えたパンだったが、速人は青カビの生えた部分を包丁でそぎ落としていたのだ。

 速人はさらに激しく乾燥したパンを”おろし”にかける。

 あっという間に細長いバケットは姿を消し、代わりやや粗いパン粉が出来上がった。


 速人は出来上がったパン粉を別のボウルに入れて、そこにミルクを注いだ。

 パン粉はすぐにミルクを吸収し、水分を含んだしっとりとした材質に変わる。


 (肉の質が劣るならば他の食材でそれを補っていけばいい)


 速人は片手で卵を割り、生クリームを加えてから一気にかき混ぜる。こうすれば卵の旨味を補完して、さらにレベルの高い味を追求することができる。

 全体の調和を崩さずに可能な限り調味を続ける。料理の世界に頂点や限界など存在しない。

 全てが過程であり、失敗した結果でしかないのだ。


 「あのさ、お兄さんたち。速人が何作ってるのかそんなに気になるなら直接聞けばいいじゃない」


 「いや、それはそうだが。立場上敵に聞きに言っていいのかとか、いろいろあってだな…」


 敵チーム(?)を代表してヘムレンが実に歯切れの悪い説明する。

 全てを聞き終わった後、ディーは眉間にしわを寄せている。


 「もういいよ!俺ちょっと行って聞いてくるからさ!」


 ディーは速人のいるラッキー精肉店の売店用屋外仮設キッチンに向かって歩いて行った。

 アルノルトが一応、止めようとしたが取り付く島もなしといった様子だった。

 やがてディーは速人と二言三言話し合った後に審査員席にまで戻って来る。


 「ええと、速人が今作っているのはハンバーグだってさ」


 その場にいたほぼ全員がディーを一発殴ってやりたい気分になっていたことはもはや言うまでもない。


 速人は他に数種類の具材を調理するとディーと雪近に向かって手招きをする。

 ディーと雪近は小走りで速人の元にやって来た。


 「ディーは氷を作ってくれ。雪近はディーが作った氷をカチ割りにしてくれ。すぐにだ」


 (今日ばかりは雪近ゴミクズの存在に感謝せねばなるまい。カチ割りという言葉を理解できるのは同郷のコイツくらいだからな)


 ディーは魔法が得意な巨人族の出身のはずだが、お世辞にも魔法が上手とは言えない。

 ゆえにたらいの中に入った水を魔法で凍らせてもらうことにした。


 役割分担というものだった。


 一方、速人は審査員席の方から向けられている訝しげな視線に気がつく。

 視線の主はアトリとカトリの姉妹だった。

 どういう事情かは知らないが、今までとは趣の異なる敵意が含まれている。


 速人は好戦的な笑みを浮かべながら肉だねを小判型に整えていく。


 「そろそろ見せてやろう。俺の作る”21世紀のハンバーグ”というものを…」


 そう言って舌を舐めずる速人の姿は悪魔そのものだった。


 速人は横目でバケツに入った小魚と土のついた何かを眺めていた。


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