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第九十三話 超絶対絶命の危機(※今後何回もあるかもしれない…)

次回は8月13日に投稿する予定です。


 「えっ⁉あの技って、空中から加速して降下できンの‼」


 セオドアが素っ頓狂な声をあげる。視線の先にいる速人は一方の手でヌンチャクをぶん回して空を飛び、上昇と降下を繰り返しながらもう一方の手に持ったヌンチャクで攻撃をしていた。

 セオドアはまだ自分の頭から酒精アルコール成分が抜けていないのかと思い、頭を振りながら目を擦る。

 そして再び速人の姿を見る…、やはり現実は変わらなかった。

 いつまでも呆けているセオドアの隣で氷の魔力を宿す短刀を使って機神鎧ヴァーユの背面にある宝石を攻撃しているエリオットが少し怒ったような口調で攻撃に参加するように言ってきた。


 「テオ、今さらそんな事を気にしてどうするんだ‼僕たちも負けてはいられないぞ‼」


 「いや、そんな事って言うけれどよ。俺たちの常識で秤にかけても速人のやってることはかなり変だぜ⁉」


 そう言いながらもセオドアもキッチリと炎を纏う戦斧で宝石を攻撃していた。

 セオドアが一度、戦斧を振るうごとに刃が当たった箇所から炎が噴き出す。

 しかし、目的の宝石はかなり頑丈な代物でセオドアとエリオットが何度攻撃しようが小さな傷をつけるのが精々といったところである。

 その隣では自前の愛刀で攻撃をしかけているポルカも額から汗を流しながら手を焼いている様子だった。

 ポルカは巨体を生かした豪快な斬撃を何度も宝石に当てるが他の面子と同様に目立った効果は出ていない。

 しかしポルカの戦士としての勘が当初からの目的である宝石の完全破壊に向かって進んでいることを告げている。

 時には愛娘のシスが自分の活躍に注目しているかなどを気にしながら地道に作業に没頭していた。


 シスは雪近の持ってきた細身の長剣を構えては武器に込められた氷の魔力を解放し、冷気を纏った斬撃や刺突を繰り返していた。

 ポルカとは父娘おやことも言うべきか戦法に違いはあるが、武器の構え方や気風には共通するものがあった。

 特に攻撃が思うような効果を上げられなかった時の様子などはそっくりだった。

 父親ポルカと同じタイミングで親指の爪を噛んでいるシスの姿を見たトマソンとクリスが思わず苦笑してしまう。

 シスは二人が口を押えながら笑っている様子を見ながらポルカの姿を見た。

 同じタイミングでポルカも攻撃を弾き返されて親指の爪を噛んでいる。


 「オッホン!…覗き見とはあまり良い趣味とは言えないぞ、クリス。それにトマソン殿。そもそもあの馬鹿親父は私にとっては素行は反面教師だが、剣の技を教えてくれた師匠でもあるのだ。何かと似てしまうのも仕方ないのではないか?」


 シスは赤面しながら二人に背を向けて、長剣で宝石に攻撃を続ける。

 どうやら冷静沈着なシスにも弱みというものがあったらしい。

 トマソンとクリスはすぐに謝罪することにした。


 「ゴメン、ゴメン。別に悪気はないからさ。私の格闘技もお父さんから習ったものだし。で…、そのお父さんだってお祖父ちゃんから習ったんだからきっと横から見たらそっくりなんだなって話をしてただけだから」


 クリスは腰を落とし、右手を開いて前に出しながら左手をしっかりと握る。

 速人はクリスの姿を見ながら、空手の逆正拳突きの打ち方に酷似していることに気がついた。

 やがてクリスは自身の左手にしっかりと”力”を溜めた後に「せい‼」というかけ声と共に中段突きを放った。


 ガツッッ‼


 重いハンマーやツルハシで岩を打った時のような音が周囲に木霊する。

 目の前の宝石が壊れるようなことは無かったが、クリスの一撃は武器で攻撃を仕掛けた時と同様の効果を与えていた。


 「痛…ッ‼」とクリスは衝撃の反動で拳を痛めてしまい、左手首を振っている。


 トマソンはクリスの姿を見た後「これが手本だ」とばかりに杖で殴って見せる。


 バキンッ‼


 巨大な宝石の杖が当たった箇所が割れて地面に落ちる。

 クリスは面白く無さそうに、また他の面子は驚いた様子でトマソンの姿を見ていた。


 「クリス、未熟だな。私やお前のお父さんだって今のお前と同じ年ごろにはもう少しマシな当て方をしていたぞ、全く。普段から魔力が多ければそれで良いというわけではないと言っているではないか」


 トマソンは杖を横に引いてさらに一撃を入れる。


 ガッ‼


 また宝石の一部が地面に落ちた。

 緑色の宝石の欠片は本体を離れた直後に色を失い、消し炭のような形になっている。

 クリスは祖父にジト目を向けながら文句を言った。


 「はいはい。わかってますよ。どうせ私はガサツですよ」


 クリスは拳の具合を確かめた後に、また正拳突きを宝石に叩きこんだ。


 ゴンッ‼


 前より重そうな一撃だったが、それでもトマソンには及ばない。

 トマソンはそれでも納得が行かないという様子で眉間に皺を寄せながら、ああだこうだと説教を始める。


 「いいか、クリス。何も私は今のお前に心の籠った技を使えとかそういう難しい事を言っているわけではないのだぞ。猪頭人オークの戦技の基本は心と技と肉体を一つにすることにあるのだ。つまり精神を集中させて魔力を高め、その魔力で肉体を強化して技を放つということだ。そうすれば今さっきの不完全な当て身のように手を痛めることはないということだ」


 「…こんな時代遅れな戦い方ばかり教えているから、お父さんとお祖父ちゃんはすぐ仕事クビになるのよ」


 「ぬぐッ⁉」


 トマソンは思い当たることが多すぎて言葉に詰まってしまった。

 確かにクリスの言う通りに現在では最初から魔術が付与された武器(※今現在シスが使っているようなタイプの武器)にさらに使い手の魔力を上乗せして高い威力を持った攻撃や魔術を使う戦い方が主流となっている。

 トマソンやクリスの父親が教る一度自分の肉体の強化を施してから術や技を放つようなやり方は時代遅れと呼ばれている。

 古いやり方の欠点を挙げればキリが無く、その最たるものは肉体の強化は時間がかかり過ぎるからである。

 トマソンほどの熟練の戦士ならば簡単かつ安全に肉体の性能を底上げすることが出来るが、その段階に行くまでは数十年の修行を必要とするのだ。

 さらに近年の研究で魔力を解放すれば自動的に肉体の強化が施されることも判明しているので、戦士たちは肉体の基礎的な鍛錬よりも強力な魔術が付与された武器や防具を収集することやまたそれらの武具を自在に操ることに重要視する傾向となったのである。

 そして生来の気位の高さというか堅苦しさが原因で、トマソンと息子のミルは新しい職場を免職クビになることが多かった。


 トマソンは言い返すことも出来ずに、奥歯をギリリと噛み締めつつ宝石を攻撃していた。


 クリスはクリスで未熟さを指摘されたことに腹を立て、祖父に背を向けながら宝石を攻撃している。


 (なるほど。こちらの家庭も似た者同士というわけか)


 シスは笑いを堪えながら己に与えられた役割を果たすべき作業に没頭する。

 即ちナナフシの反撃の体勢が整うまでに、機神鎧の動力源たる宝石に一定のダメージを与えることだ。


 一方の速人はトマソンの完成された武技に関心しながらも、手にしたヌンチャクで確実に宝石を削っている。

 説明が遅れたが黒いヌンチャクの材料として使われている木材は「魔王ヴォーダンの樫の木」と呼ばれる世界樹に匹敵する硬度を持った代物だった。ダグザが研究用に仕入れた物の一部を(※ダグザの子アダンのベビーシッター料として)譲り受け、角小人レプラコーン族の熟練職人セイルとベンツェルらと協力して作り上げた業物であると自負している。

 棒と棒を繋ぐ紐は魔王樫(※魔王の樫の木の略称)の木の皮から作ったものである為に多少の融通を利かせられる耐久力を持っている。

 速人は肉体のリミッターを解放した状態でヌンチャクを振るい続けた。


 (マズイな。意外に回復時間が早い。このままでは宝石が壊れるよりも先に起き上がられる)


 ガタンッ‼


 速人の脳裏に不安が過ぎった時と同じころにナナフシが意識を取り戻し、立ち上がろうとしていた。


 機神鎧ヴァーユは額のあたりを手でおさえながらゆっくりと立ち上がる。

 内部にいるナナフシの意識は完全な状態とは言い難い。

 視界は相変わらずブレたままで、数秒ごとに片頭痛が襲ってくる。

 機神鎧ヴァーユは頭を動かして酔いをふり切ろうとするが、まるで抜ける様子は無かった。


 (これは”妖精王の贈り物(ギフト)”によるものか…。おのれ。ダナン、裏切り者め。お前の置き土産が我を阻むことになろうとは思わなんだ…ッ‼)


 ナナフシは精神体の状態でありながらも憎しみを紛らわせる為に奥歯を噛み締める。

 ナインスリーブスの住人たちが稀に持って生まれてくる”妖精王の贈り物(ギフト)”の正体とはナナフシたち”新しい空(クリアリースカイ)”の仲間であった人物の研究の産物だった。

 今の段階では詳しく語ることは出来ないが、後にダナンという人物と”新しい空”の因縁は物語の根幹に関わる出来事だった。


 (それをここで書いてどうする…)


 速人とナナフシは心の中で作者に対して冷静な突っ込みを入れる。


 ナナフシは羽虫を追い払うように手を振って速人たちを地上に追いやった。

 本来ならば大怪我をしてもおかしくはない状況だったが、速人たちはトマソン(※力仕事担当)やポルカ(※指示担当)の協力もあって全員無事に逃げ出すことに成功する。


 ナナフシは突然、立ち眩みを覚える。


 すぐに全身に気を巡らせて自身の体調を確かめて、動力炉の一部に異常があることに気がついた。


 (これは…、背中の宝玉”翡翠瑞雲”が壊されていたのか。無念。我の活動限界時間がさらに差し迫ってしまったか。こうなれば手段は選んでおられまい。アレを使うしかあるまい…)


 ナナフシは生身の肉体でいうところの額のあたりに意識を集中し、背部の副動力炉たる”翡翠瑞雲”の内部に残ったエネルギーを主動力炉である宝玉”緑神龍”に移す。

 そして機神鎧を用意してくれた別の同志に心の中で詫びた後、四枚の羽と宝石そのものを排除した。


 ゴトンッ‼という大きな音と共に地面に落ちた機神鎧の翅と宝石はすぐに炭化し塵になって消えてしまう。


 ナナフシは次の術を発動する為に残った力を解放しなければならなかった。


 「これが今の我に出来る最後の術だ‼刮目せよ、愚者どもがッ‼四天を統べる雷神の力の一端をここに呼ぶ‼雷霆護光剣ッッ‼‼」


 ナナフシがそう叫ぶと、雷光と共に一振りの短剣が地面に突き刺さっていた。

 機神鎧ヴァーユは何処かより召喚された短剣をすぐに引き抜くと天に向かって投げる。


 (まさか⁉これは金剛杵…、ヴァジュラか⁉)


 速人は機神鎧ヴァーユの手にある両端に二枚の刃を持つ短剣を見た途端に戦慄する。


 機神鎧ヴァーユの前に現れた謎の武器は、デザイン的には三鈷杵に似ているが全体的にファンタジーというよりSFの要素が強いので断定するには決め手が欠けていた。

 そもそも機神鎧の名ヴァーユとは風を司る神であり、金剛杵とは縁遠い存在でもある。

 ナナフシは電光を纏う短剣に向かって新たな術と全魔力を注ぎ込んだ。


 「秘術”四象封印”、封雷陣‼」


 ナナフシのかけ声と共に短剣の周囲に四つの輝く宝玉が現れる。

 四つの宝玉は短剣を中心に回転して光に包まれると、それぞれが色の異なる四つの果実をつけた樹の絵に変わってしまった。

 機神鎧ヴァーユは何処かから巻物を取り出し、広げてから絵を巻物の中に封じ込めてしまう。


 ゾクリ。


 その瞬間、速人以外の仲間たちは全身に寒気のようなものを覚える。

 速人は周囲の様子に警戒しながらナナフシの次の一手を待った。


 「ふむ。不破速人、やはり貴様には効かないか。まあそれも一興か」


 ナナフシは高座から気配を探った後に速人の姿を見る。

 速人はヌンチャクを構えながら、ナナフシの方に向かって走っていた。

 ナナフシは機神鎧ヴァーユの直垂の奥に隠してあった細長い腕を伸ばし、是を薙ぎ払う。

 速人は甲虫の前脚のように先の尖った爪を当る直前で回避して距離を取る。

 

 次の刹那、速人の勘がさらなる危険を告げた。


 ダンッ‼


 直上から空気を裂く音を聞いたと同時に速人は後方へと飛び退き、崩れかけた体勢と一緒にヌンチャクを構え直す。

 機神鎧ヴァーユの両手の拳が地面に突き刺さっていた。


 「…チッ」


 ナナフシは舌打ちをしながら両手を元の長さに戻していた。


 (かなり雑な戦術だが、今の俺には有効だ。またセオドアさんに”妖精王の贈り物(ギフト)”を頼むか)


 速人はナナフシに気を配りながら、セオドアの様子を盗み見する。

 当のセオドアは、いやセオドアだけではなくエリオットもポルカに支えられている状態となっていた。


 「俺の仲間をじゃなくて…、役立たずどもに何をした⁉ナナフシッ‼」


 反対だった。


 何らかの原因で体調を崩しているセオドアとエリオットは目を点にしながら聞き入っている。

 ポルカは冷静にセオドアをおんぶして、エリオットを抱き上げながらその場から移動していた。

 しっかりと聞いてはいるが気にしないようにしているようだった。


 「…。この世界全ての人間どもは世界樹から力を分け与えられ、生きている。お前のいた世界では考えられぬ出来事だが、この”ナインスリーブス”という世界ではそれが常識だ。そこまではよかろう?我は秘蔵の仙具”雷霆護光剣”を用いてこの地に亜空間を創造し、世界樹と人との縁を断った。それだけの話よ」


 速人は内心動揺しながらも残りのトマソンとクリスとシス、そしてディーの姿を見る。


 トマソンはシスとクリスを連れて前にいた場所よりもナナフシから離れた場所に移動していた。

 三人とも特に変わった様子は無かったが、トマソンは孫娘のクリスの手を握っている。

 ディーの方は、雪近にディーが肩を貸しているという状態だった。


 (現状ではハッキリとしたことは言えないが、クリスを除外すれば”妖精王の贈り物”の使い手が極端に消耗しているな)


 速人が思索に耽っているとナナフシは攻撃を再開する。


 機神鎧ヴァーユの持つ四本の腕を伸ばして、速人の身体を刺し貫こうとした。


 速人は鉤爪の斬撃と剛拳を交互に回避しながら、ナナフシとの距離を縮める。

 そして、真正面まであと一歩というところで飛び退る。


 ザンッ‼


 いつの間にか速人の額が切れていて血が流れる。

 速人の目の前の地面からは先に針のついた巨大な尻尾が生えていた。


 (隠し腕ならぬ隠し尾か。俺がアニメオタクでなければ死んでいたな)


 ズルズルズル…。


 ナナフシは歯ぎしりをしながら、ゆっくりと魔蠍のごとき長い尾を引っ込めた。


 「つくづく可愛げの無い餓鬼だ。今の攻撃で死んでいれば、これ以上苦しむことは無かったかもしれぬぞ?」


 機神鎧ヴァーユは身体を前に倒し、四つん這いの姿勢になる。

 四肢は人型から四足の獣のような形に変わっていた。

 肘についてる防具の尖った飾りの部分が伸びている。

 

 (これの相手をする時には腰の直垂から生えている二本の隠し腕と合わせて四本の腕を意識しながら戦わなければならないのだろう)


 速人は生まれ変わった機神鎧ヴァーユの動きに警戒しながら距離を取る。

 もう仲間たちの援護は期待できない。


 シャシャッ。


 速人は一度、深呼吸をしてから腰の位置から肩に巻きつけるようにヌンチャクを振り回した。


 「そういうことは俺を殺してから言うんだな、ナナフシ」


 速人は放たれた矢のように機神鎧ヴァーユのもとに向かった。


 (あの機神鎧の動力炉は、おそらく腹だろう。四つん這いになってくれたおかげで位置が大体わかったぜ)


 速人は四本の腕の追撃を横にかわしながら、ナナフシの注意をさらに引きつける。

 ナナフシは機神鎧ヴァーユの身体を前のめりにさせた後、獅子が獲物に襲いかかるように飛びかかってきた。

 速人はナナフシの着地点を読んで交差するような形で背後を取る。

 その際、速人は上空を通過する機神鎧ヴァーユの腹部についている緑色の巨大な宝石の姿を見逃さなかった。


 ナナフシは地面に着地すると同時に速人と向き合った。


 「俺の仲間の助力が無ければ、俺が戦えないとでも思っていたのか?甘いな、ナナフシ。戦いとは常に己の意志で担うものだ。例え最後の一人になったとしても俺は最後まで戦い抜く」


 ナナフシは機神鎧ヴァーユの中で邪悪な笑みを漏らす。


 今度はナナフシが速人の注意を十分に引きつけることに成功したのだ。


 「それは違うな、不破速人。お前は決して仲間とやらを見捨てることは出来ない。先ほどから我をお前の仲間から遠ざけようとしているのは気のせいか?」


 ナナフシは機神鎧ヴァーユの肉体を人型に戻して、六本の腕を使って速人に攻撃を仕掛ける。


 速人は次々と放たれる隠し腕の斬撃をヌンチャクで受け流し、最後に本命の剛拳の一撃をバック転で回避した。


 (マズイ‼一本、足りない‼)


 速人はすぐさま後ろに目を向けて仲間たちの様子を探る。

 ポルカが大刀を構えて必死に機神鎧ヴァーユの尾と戦っていた。

 地面には動けなくなったセオドアとエリオットが転がっている。


 速人はナナフシには目もくれずにポルカを助けに走り出した。


 ポルカは尾の一振りを受け、地面に武器を落とす。

 次の瞬間にはポルカの目前に針が迫っていた。

 間一髪の差で間に合った速人がポルカの巨体を思い切り突き飛ばした。


 そして、速人は背後から四本の鉤爪に引き裂かれ、正面からは尾についた針に腹を貫かれる。


 ポルカとセオドアとエリオットは黙してその様を見守る他無かった。

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