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勇者は 自重を 覚えた !!  作者:
始まり
8/9

「なんっ…これ・・・!?」

「・・・うん、君が買われたのはおそらく魔術師の家、君を離したのは刻印魔法をつけて村を見つける為だろうね。刻印魔法っていうのは付与魔法で、つけた相手の魔素を感じられるようになったり、少し魔素を変換させて体の自由を奪ったりっていう魔法なんだ。それを見張られて、ある程度移動しなくなったから、村の位置を発見したっていう方法だと思う。そこから例の“人たち(人攫い)”に回収を頼んで、痕跡が残っていないように放火ってところかな。」

「うそっ…私っは…!!」

「そう、君はただ“帰っただけ”。酷いよね、魔法ってのは本来人々に幸せを与えるよう作られたものなのにさ。それが今は窃盗や人攫い。ましてや殺人なんかに使われるなんてね・・・。」

「・・・。」


ウィズは黙ってその場を動かない。ソルは苦虫をかみつぶしたような顔をする。なんて言葉を掛けようか悩み、ウィズの瞳を見た。


「・・・ダメだ。今君が考えている行為には僕は賛成できない。」


その瞳は、憎しみに染まっていた。


「・・・何故ですか。」

「あまりに危険すぎる。たとえすべて成功したとしても、そこにあるのは虚無だけだ。」

「でも…」


ウィズは唇を噛む。強く噛み過ぎて血が出ている。


「それでも、あいつらに復讐しないと気が晴れない!!」


木霊する絶叫。大気をびりびり震わせるほどの怒りが込められていた。しばらくの沈黙の後、ウィズは再び口を開いた。


「ソル様、私ね。“捨て子”だったんです。」

「・・・。」

「生まれた時から両親が居なくて…、ずっと家では一人でした。でも全然、寂しいとか、悲しいって気持ちはなかったんです。村のみんなが私を育ててくれましたから。全然寂しくなかったんですよ。」

「・・・。」

「昨日もお隣のお婆ちゃんがアップルパイを焼いてくださって、本当に美味しかったですよ…それが、たった一日で…?」

「…うん。」

「…ソル様、貴方にはわからないでしょう?家族がいて幼馴染が居て、友達がいぃっぱい居て・・・。村で失踪事件が多発してるって聞いて、私居てもいられなくなって…。すぐ帰ってこれた時は安心して凄く泣いちゃったんですよ?そんなのソル様に理解なんてできないでしょう!?」


途中から涙を流しながらソルの方を睨むように見るウィズ、その覚悟は固いようだ。


「うん、ごめんね。わからない。」

「だったら口を!!「・・・でもね!」


言葉を遮る。ウィズは少し驚いたように目を見開いた。


「僕にはわからない、どう考えてもわからない、けど。でもさ、僕にだって死にに行く人を止める権利はあるはずさ。」


ウィズは驚くその顔を下に向け、悔しそうにまた唇を噛む。」


「…じゃぁ、どうすればいいんですか。私ができることなんて、あと“復讐”か“死ぬ”かだけなんです…!!」

「うーん…。」


ソルは少し考えたあと、ポンと手を叩き、閃いたかのように顔を輝かせた。


「じゃあ、その命僕に頂戴?」

「……えっ?」

「死ぬしかない、とかそんなこと言ってる位ならさ、僕にに頂戴?」


呆気にとられるウィズ、対象にソルは楽しそうに話す。


「僕、妹って欲しかったんだよね!!姉みたいなお友達はいるけど、下の子っていなかったから中々不思議な感情が生まれるね!!」


ウィズは先程の悲しい顔が嘘のように、怪訝な顔をし始める。


「あの…ソル様?」

「やだなぁウィズ!ソル様なんて他人行儀な!!次から“ソル”か“お兄ちゃん”って呼んでね?」


そしてふとソルは思い出したかのように顔を戻す。


「あっ、そうだ。」

「…?」

「…可愛い妹の家族全員持ってかれちゃったままだったね。」

「ッ!!…。」


ウィズの顔がまた陰り始める。しかしソルは陽気のまま話し続ける。


「じゃあやっぱ取り返さないとね!可愛い妹の顔がこんな曇ってるままじゃ僕が悲しくなっちゃうよ。」

「…えっ?」


そうして、ソルは少しにこやかなまま、しかし目は笑っていない、そんな顔でウィズをみる。


「……ねぇウィズ?君を“買ってしまった(悲しませてる)”」大馬鹿者の家はどこかな?」


ソルの魔素は徐々に高まっていった。

今回短くてほんとすみません!!

あと前回も忙しかったのがあって中々文がおかしい、話がすっ飛んでる場所が多々あると思います!!(´;ω;`)

徐々に直していくのでどうかご勘弁を。

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