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お日様は元気に輝いていますが、引きこもり人間には強い紫外線はつらいです。
しかし、このままだと、キットクル~になってしまいそうなので、今日は半年ぶりに引きこもり生活から抜けて、髪を切りにきました。
せっかくなので、バッサリやってもらおうと思います。
もちろん、一人で車で行きます。なにせ、ここは超ド級の田舎。誰でも免許は持ってます。
そんなド田舎のショッピングモールに1000円カットが出来たのです。はいここ、拍手するところですよ!みなさん。というわけで、こんな私でも田舎で楽々とプロの腕によって切ってもらえる時代になりました。おばあちゃんに切ってもらっていた頃が懐かしいです。そんなこんなで久しぶりに車を運転します。正直、ペーパードライバーなので、事故ったら完璧にアウトです。
なので、駐車は慎重に行います。(10回以上出入りを繰り返す)
ようやく、駐車してもまだ難関がいくつもあります。ご近所の目です。
私はこちらに越してきてからずーっと引きこもっています。なので、何か言われると、ちょっと恥ずかしいです。だから、家からずっとフード付きジャンパーをかぶってきました。夏も差し掛かりな今日はとっても熱いです。正直、脱いで、半そでになりたいくらいです。
とにかく、難関をぬけて、ようやくお店に入れました。
しかし、このお店すごいシースルー!お店の全面がガラスっていうか、透明なプラスチックでできてます。もしかして、都会の床屋さんはみんなそうなんですかね!?だとしたら、生え際を黒く染めてもらってるおばあちゃん達はさぞ恥ずかしいことでしょう。
てか、中でカットしているとばれるじゃん!
もはやここまでか・・・と思った途端、カットしている人の前には鏡があるのだと気づきました。あ、前からは見られないのか。とりあえずは大丈夫そうですね。
私は近所の人にばれないかと、万引きした青少年のように挙動不振になりながら順番を待ちました。
「烏丸様~」
ほっ。ようやく、呼ばれました。何とか、今回のミッションもクリアできそうです。
後は椅子に座っているだけなので、何とかなるでしょう。
そう思った私の前に、不遜な笑みをたたえる少年が居ました。
なんでしょうか。この小坊主は。
やけに余裕たっぷり且つ、人を小ばかにしたような態度です。
「あんた、あんたダメだ」