ー05ー
確かに「驚かないでね?」とはいったけれど、もう少し反応が有っても良いのよ?
パンパン
「さあ皆様、確認は出来ましたでしょう?今度は此方の水晶に触れて貰います。触れた者は隣の近衛騎士から金貨を貰い、彼方の扉へ向かいなさい。お父様、国王陛下の下まで案内されますわ。その価値がある者はですけれど」フフッ
もう取り繕ってもいないわね。此方を見る瞳が明らかに蔑んでいるわ...
最初の脅しが効いたとでも思ってるんでしょうねぇ...
「嫌な予感しかしないな...」
あら、鋭い。
「?皆普通に触ってるよ?」
「何かあるの?只の玉にしか見えないんだけど?」
もう少し状況を読んだ方が良いわね。
「あの自称王女様の最後の言葉、聞いたでしょうに...」
「"その価値がある者"って言ってたよね」
「あの人ぉ~、真っ黒なんですぅ~」
この子達は色々と悟い見たいで何より。
「そうね。腹黒よりは判りやすくて良いけれど、悪役令嬢と云う言葉がピッタリね。王女だけれど......あの水晶に関しては問題ないわ。只ステータスを透写しているだけだから」
「へー、ステータスを透s...って、それ不味くない?」
「ど、どうしよう...怒られない、かな...?」
普通の隠蔽とかだとダメなんでしょうけど、私のスキル【神隠し】なら大丈夫よ。
スキル説明読んだら現実逃避したくなったものね~......
「大丈夫よ。食べられたりする訳じゃないから」
「た、食べ!」
あらあら、結構真に受けるのね~。
「次っ」
「ほーら、次、行ってらっしゃいな」
「そ、そんな!さ、紗香ちゃ~ん」
「おい、早くしろっ」
焦れた騎士さんが迎えに来ちゃったわね。
「はーい、頑張って行って来ーい」
「裏切者~~!」
そして、騎士さんズに両脇を捕まれてドナドナされて行ったわ~。
ここの騎士さん達は短気なのかしら?
「中々面白いわね、あの子も」
「良い子なんだけど...異様な恐がりって言うか、まあ、そんな感じで周りから浮くタイプなんだよねー」
まぁ...損な子ね......
「そう言えば、何時も橋本さんの後に着いていたわね」
「二人も幼馴染みか何かかしら?」
「そっ「次っ」っと、はいはーい。私行って来るわ。ユリ独りにしとくと危ないからね」
...今更だけれど、この子は私相手にタメ口なよね。実にnaturalに話す物だから気付くのが遅れたわね。悪く無いわ。ふふっ。
「私達も直ぐ行くから待っててね」
「本当に仲良しだね」
「うーん...(ニヤリ)桜達程じゃあないよねぇ?」
とサクラちゃんとえーっと、スバル君だったかしら?をチラリと見てから行った。
あらあら、からかって行くだなんて...悪戯も好きなのねぇ。
「「ちょっ!何言って...」」
「あら、息ピッタリですね」
「そ、そんなんじゃねえしっ」
「///キュー」
う~ん......此で好き合ってる事に気付かないなんて、どれだけ鈍いのかしら?