ー32ー
出来ました!!
この古着屋をどう終わらせるかスーーーーッゴク!迷いました。
お陰で何処でカットしたら良いか判んなくて、今までで一番長く成りました!!
どうかお付き合い下さい!本編です。
「それで、お客さん!今日は何をお探しですか?服ですか?布や糸ですか?」
「布や糸?」
「はい!隣のお店になるんですけど、布や糸、裁縫道具など置いてます。ソコからも直ぐ隣に行けますよ?続き部屋に成ってるので。ちなみに、おばあちゃんがやってます」
『ソコから』と指されたのはカーテンで区切られた先だった。やっぱりお隣に行けるのね。
「そうね、今日は服を見に来たのだけれど物とお値段次第で布も考えるわ」
「はい!分かりました!では、どんな服をお探しですか?」
うーん...そこは、『畏まりました』の方が違和感が無いのだけれど...
「まずは下着を見せて頂けるかしら?」
「はい!下着ですね。でしたらこっちですよ」
と案内された先で私は固まりました。いえ、コレを眼にして固まらない人はいないと思うの。
「こ、コ、コレは...」
「コレは、えーっと......あっ、そうだ!『カボッチャパンツ』って言う今流行りのパンツなんです!ちょっと前までは男女で同じ様なの使ってたんですけどね」
「そ、そう...」
こんな物が流行っているだなんて......ナイ。流石にナイわね。
どれだけ遅れているの?ここの下着事情......
「あとは、普通の、男女関係なく使える位のしか無いですね」
「そうなのね。それで上は何処かしら?」
「上?上は住居なので何もないですよ」
いえ、そんなボケは欲していな、...あぁ...コレはもしや...
「上と言うのはトップs、えー、胸用の下着の事よ」
「?そんなの聞いた事無いですよ?」
「.........ない?本当に?」
「はい、無いです」
「.........そう...無い、のね(作ろうかしら?)」
「?はい、あ、良かったらオーダーメイドで作りましょうか?どういうのか教えてけれれば出来ますよ?」
「あぁ、いえ。それなら布と針と糸があれば、こちらでも用意出来るから良いわ」
自分で縫った方が速そうだもの。
「そうですか?それなら、ご入り用の時は言って下さい。まだやってる、腕の良い職人紹介しますので!」
「ええ。その時はお願いするわ」
「はい!他には何をお探しですか?」
「そうねぇ、あとはワンピースと寝間着の値段を教えてくれるかしら?」
「ワンピースと寝間着ですか?その辺はちょっと高いんですよねー」
「やっぱり、そうよね?お幾ら位?」
「ワンピース1着大体銀貨100枚で布地も同じ様な物ばっかりで変化ないです。寝間着はワンピース形が銀貨80~100枚、上着と下着の上下1セットで銀貨50~100枚。こっちは使う布地によって値段が変わりますね」
私の手持ちが残り銀貨700枚分位だったから、ワンピース1着、寝間着2着、最低価格で見積もっても銀貨200枚は使ってしまう......やっぱり服は高価のね。
「......そうねぇ、ワンピース1着に寝間着の上下2セットおまけで付けてくれるなら良いのだけれど...」
「いやー、お客さん、それは流石にムリですよー。それじゃあウチが破産しちゃいますー」
「そうよねぇ?...じゃあ、布地、それから針と糸も見せてくれるかしら?」
「はい!それならこっちです。」
そのままお隣へと案内された。
お隣はもっと、こう、布地がところ狭しと並んでいる様を想像していたのだけれど、随分とスッキリしてるのね。
6畳程の部屋の中央に4人掛け位の木製テーブル1つ。入って右奥にカウンター替わりの恐らくタンス。タンスと壁の間に椅子に腰掛けた、白髪を頭の上でお団子にして両サイドを少し遊ばせた、黄色がかった翠の瞳のお婆さんがいた。何とも現代日本を想わせる髪型ね。
「おばあちゃん、お客さんだよ。布、針、糸、が見たいって」
「おやおや、久しぶりのお客だね。どんな布地が欲しいんだい?」
あの...布が一切見当たらないのですが...?
「...あ!お客さん、大丈夫です!素材はちゃんと在りますよ。この...収納、アイテムバッグと同じ加工がしてあるんです!」
そういってバンバンタンスを叩く娘さん。
「では、無地の布はどのくらいあるかしら?」
「...布は白、黒、紺、濃緑と灰色だね。で?その無地っては何だい?」
無地が通じないのね......絵柄の無い布だなんて言ったら、それこそ『どんな布だい?!』って言われそうよね?うーん...
「そうですね、無地と言うのは主に一色の布を差します。着色が上手くいかず点々と色が着いていない物のことですわ」
「ほぅ、そうなのかい。そう言うのもあるから欲しかったら言いな。出してやるよ。で、布の色はどうするんだい?」
「ええ、ありがとうございます。そうですね...白い物を見せて頂いても?」
「白いのだね。なら......こんな所だね」
5種類の布が出てきた。
「少し触れても?」
「あぁ、構ゃしないよ」
許可を貰ったので早速......
これはやっぱり麻、リネンね。ちょっと目の荒いのと綺麗に織り込まれた物の2種類。こっちは綿、コットンかしらね?こちらも同じ様に目の荒い物と綺麗な物の2種類ね。そして、このサラツヤ感は...絹?シルク、だと思うのだけれど...馴染みのシルクより軽い、のよね...
「良いのに目を着けたね。そりゃぁ、ベビースパイダーのシルクさ。もうそれ一本しか置いてない、入る予定もない、それなりに値の張る代物だよ」
「ふふっ、ではこちらはお仕舞いになって?私はこちらの2種から選びますので」
「そうかい。あと針と糸だったね。そっちも出しておこう」
「ありがとうございます。糸は白の縫い糸と刺繍用に色糸を数種、針もそれに合わせた物をお願いします」
「ほう、刺繍出来るのかい?ライザ、糸を出しておやり」
「はい!色んな色があるんですよ!」
あのお嬢さんはライザと言うのね。彼女は服を売るより布地や糸に触れる方が好き見たいね。実に生き生きとしているわ。
「店主さん。失礼ですが、それぞれのお値段を伺えるかしら?」
「ああ、こっちのココットのは1m 銅貨250枚、ネリネのは1m 銅貨150枚。織り方は関係ないよ。ついでに、白糸が銅貨50枚、色糸は銅貨70~100枚色によっちゃぁ珍しいのもあるからね」
メートル仕様なの?!良かったわ。どうやって長さを伝えようかと想っていたの。それに、布地が意外と安くて安心したわ。取り敢えず、自分の分よね。
「ありがとうございます。うーん、そうですねぇ...では良い機会ですし、各種少しづつ頂くわ。少し目の荒い物は4m、織り目の綺麗な物は10m程。白糸は4つ、色糸は...こっちの緑と青の3色、桃、黄、赤、茶はこれを、それぞれ6つづつお願いします。針はお任せします」
「......ライザ、計算しとくれ」
「え?あ、はい。えーっと、布は荒目4綺麗10の14をそれぞれだから、ココット銀貨3枚銅貨500枚、ネリネ銀貨2枚銅貨500枚、白糸4つで銅貨200枚、色糸は色違いの緑と青は各種銅貨80枚の6つで銀貨1枚銅貨440枚、赤、黄、茶は各種銅貨70枚の6つで銅貨420枚、桃色は銅貨90枚の6つで銅貨540枚、針は基本縫い針5本セットと刺繍針3体セットで銅貨100枚。〆て...銀貨8枚銅貨700枚です!」
布やらは意外と安いのね?
でも、中途半端、ね...
「そうねぇ...ではネリネを1mづつ追加して計銀貨9枚にしたら、何を付けてくれるかしら?」
「はっはっは!こりゃ良い!どいつもこいつもマケろだ、安くしろだしか言わんのに、もっと買ったらときよる!良いだろう。但し、銀貨10枚。銀貨10枚払うってんなら、ベビースパイダーのシルクを...2、いや、5m付けよう」
「どうする?」と挑発的な眼でこちらを見てきたお婆さん。ライザちゃんが「うそ~」と卒倒しそうな顔色で口を押さえてながら、「ベビースパイダーのシルク」やら「銀貨20」やらつぶやいている。え?銀貨20枚って5mでよね?...聞かないで置きましょう。
「その条件、呑みましょう。銀貨10枚にベビースパイダーのシルクのオ・マ・ケ♪」
その後、購入分の布を切り出し、代金もカードから引いて貰い、いざ帰ろうとすれば意外と嵩張る布地。
......
「...店主さん、近場に鞄などを置いているお店はないかしら?」
「ないね。この辺に構えてた連中は皆、もう他所の国だよ。まだ残ってたのも南門のドゥブラん所と西門のチルティナん所くらいだったね、3日前の時点で、と付くがね」
「......そうですか」
どうしましょうかね?.........いっそのこと今買った布を風呂敷みたいにしたら...行けるわね。
「ちょ、ちょちょちょちょっ、ちょっと待ったー!」
「あら、なぁに?」
ちょっと布を風呂敷状に結んでいたらライザちゃんからストップが掛かった。お婆さんは、何故かしら?お口が開いているわね。
「いや、いやいやいや、お客さん!何してんですか?!」
「何って...持ち運べる物がちょっと手持ちになかったので、手持ちの物で自作していただけよ?」
「......ちょっと......自作......」
「ベビースパイダーのシルクですよ?!」
「ええ、そうね」
風呂敷って意外と便利なのよ?日本の古き善き文化ね。後世に遺してくれた方々や世界に公開、伝えてくれている方々に感謝だわ。それにしても、お婆さん大丈夫かしら?言動が何だか怪しいような...?
「......あぁぁぁぁ、もう!!おばあちゃん!何かない!」
「.........」
「...おばあちゃん?」
「......あ...あ、あぁ!そ、そうさね。今じゃもう使わなくなった財布変わりの小袋があったはずだよ。どれ...」
「あ!もしかして、前に買い出しの時に使ってたアレ?」
「そうさね。ほれ、あったよ。持ってお行き」
そう言って出されたのは、巾着袋。ここにあれらをいれろと?入らな...あぁ、異世界だったわ。質量・物量の法則はアイテムボックス機能には当てはまらないのだったわね。
「それは、どのくらい入るのでしょうか?」
「これはそんなに入らないんだよ。精々、この棚一つ分位さね」
棚だったのね...タンスだと思っていたわ、ごめんなさい。大体高さ1m 横7、80cm 幅30cm...と言った所かしら?
購入分なら問題なく入るわね。
「じゃあ、入れちゃいますね~」
「ええ、ありが...っ!お、お値段!こちらのお値段を伺っていなかったわ。お幾ら?」
「そんな使い古した物に金を貰うつもりは無いよ。ほれ、それ持ってとっととお行き」
それだけ言うと奥へ引っ込んでしまったお婆さん。やはり頑固でしたか...
「仕方ありませんね。では、ご好意に甘えます。ありがとうございます」
「すっかり、おばあちゃんに気に入られましたね。珍しいんですよ?はい、お荷物です」
「そうなのね。ありがとう。また必要な物があったら来るわね」
「あー...ごめんなさい、お客さん。家も明日までしかやってないんです...」
「あら、ではこちらもお引っ越しを?」
「はい。南の獣国に行く予定なので近くにいらしたらお立ち寄り下さいね!」
「ええ。その時はお願いするわ。今更だけれど、私はティエラよ。宜しくね」
「はい。ライザです!あ、外の看板は持って行くので分りやすくは成ると思いますよ」
「では、機会があったら立ち寄らせて貰うわね」
「はい!ありがとうございました!」
元気なライザちゃんに見送られて古着屋を後にし、一旦宿屋へ戻る。
獣国...レムアト獣国のことよね?機会があれば行ってみたいわね。男性はやっぱり筋骨隆々なのかしら?あら?それともこれは偏見?行ってみれば分かる事よね。
次回からはティエラさんのチート具合が解る物に成ってます。




