始まる帝会議④
「なら、ギルドへの連絡は俺がしよう。 土帝はこの建物付近の捜索、風帝は建物の中を頼む、まだ怪しい奴が潜んでる可能性があるからな。 雷帝は飲み物に入ってる毒の調査、フロレインはセシルトの護衛だ」
「ああ」
「りょーかーい!」
「わかった」
「えー!!」
ディオ先生の言葉に素直に了承するシアン、雷帝、土帝……風帝だけは文句があるのか少し不機嫌そうにしてる。
風帝が文句言ってるのは私の近くに妖精が居ると思ってるからでしょうし、そこは仕事なんだから私情を挟んでる場合じゃないでしょう。
風帝は渋々とディオ先生に連れられて部屋から出て行った、ディオ先生はさっきの女を肩に担いでるし、土帝も何も言わずに出て行く。
部屋に残ったのは私とシアンと毒の調査をすることになった雷帝のみ、雷帝は何かよくわからない魔法陣がついた物にさっきのお茶を入れてるみたいだけど何をしてるのかしらね。
【僕が居る限りは飲み物に入る毒の心配は必要ないさ。僕はリルディアを巫女にするって決めたからね 】
「ってか、何で毒のことがわかったの?」
【ふむ、何故かと問われても答えがないな。 人間が産まれた時から呼吸の仕方を知っているように水に関しては僕は何でもわかるからね】
水の妖精だからって理由じゃ納得は出来ないけどこれ以上聞いた所で特に理由なんて教えてくれないでしょうね、人間である私には教えられない理由なのかそれとも本当に感覚でわかるのか。
でも、飲み物だけってことは裏を返せばご飯に混ぜられたらわからないってことだからそれはそれで困るのよ。
今狙われた理由もわからないんだから今後も狙われる可能性はあるし、毒の有無がわかる魔法陣があれぱ別なんでしょうけどそんなに都合良くあるわけないわね。
「毒自体がわかる妖精って居ないの?」
【やっちゃんがいるよー!】
【そうだね、ヤートは毒の妖精だから何に混ぜられていたとしてもわかるよ。 毒を作製することも可能だよ】
毒の妖精ね、毒の妖精ならば私には必要な妖精なんじゃないかしら?
毒がわかるのは私にとって便利だし、それに毒が作製出来るならわざわざ毒を取りに行く必要もなくなるからその時間を他のことに使えるでしょうし。
【リルディアはやっちゃんにあいたいのー?】
「そうね、私は死にたくはないもの。 でも、人間に協力したくないって言うのならどうでもいいわ、説得するのんて無駄な時間は使いたくないもの」
どの妖精でも人間を好きな妖精は居ないでしょうし、そんな無駄な時間なんて使いたくないし、妖精だからってこの私が頭を下げてお願いするなんて有り得ない事よ。
そんなことをするぐらいなら毒を飲んで死んだ方がマシだわ。
【じゃあ、やっちゃんにあったらミィがはなしをしておくね!】
「はいはい、勝手にしなさい」
ぽんこつ妖精のミィがやった所で意味がない可能性が高いからね、そこは期待なんてしてないから問題はない。
そんな風にミィやサイスと話していると雷帝が近付いてきたのがわかった、シアンがさりげなく私を庇うように立ってるけども同じ帝に護衛の意味ある?
「さっきは信じられなかったけどまさか本当に妖精様の祝福を受けてるなんてな。 よかったらこれからデートでもいかないか?」
「お断りしま~す」
チャラいナルシストってあまり好きじゃないのよね、お金をくれるならデートぐらいはしてあげてもいいんだけどそれ以上の付き合いはパス。
それに一人称が俺様って頭おかしいでしょうし、関わり合いになりたくないタイプね。
金貨をたくさん持ってきてから私に話し掛けなさい。
「俺様には素直になってくれていいからな」
「リルは本当のことしか言ってないですもん」
「雷帝の俺様から誘うことなんて滅多にないんだぜ?」
そ、だからって私を誘おうとするなんて百年早いのよ。
興味ない男に誘われたとしてもどうでもいいし、ちょっと所か結構鬱陶しいんだけど……今まで貢がせた男の中にはナルシストも居たけどもこんなに鬱陶しいなんて初めて思ったわ。
「……本当に鬱陶しいから……ってか、あんたなんて興味の欠片もないから話しかけないでよね。 私とデートがしたいなら最低でも金貨十枚のプレゼント持ってきなさい」
「いいねえ、気が強い女も好きだぜ」
「私は嫌いよ」
ナルシストの男って何で自分に自信満々で居られるのかしらね、私が可愛いのは周知の事実だからナルシストではないから問題ないけどね。
こんな男を相手してるだけで怠くなってしまうから無視してもいいかしら。
「へえ、火帝ならいいんだ」
「そうね、シアンなら私の隣に立つのも問題ないし……あんたみたいに子供好きの変態じゃないもの」
火帝ならお金も持ってるでしょうし、容姿もカッコいいから可愛い私と並んでも見劣りはしないし、年齢的にもぴったり合うものね。
シアンからしたらあんまり喜べることじゃないかもしれないけども、それはそれで私に失礼よね。
……シアンに聞いてもないけど考えただけでムカついてきたわ、こんなに可愛い私と付き合えて嬉しくないわけないわよね。




