妖精の話②
「まあ、誰に祝福をあげようが、あげまいが私には関係ないからどうでもいいわ。 でも、魔族が人間にしては長生きしすぎじゃない? それとも魔族は寿命自体は人間と変わらないのかしら?」
【……基本的に魔族は人間と同じだよ。 だけど、初代勇者だけはまだ今も生きている、僕ら妖精の命を奪ってね】
妖精の命を奪う?
よくわからないけども、魔族にそんなことが出来るのであれば人間にも同じようなことをしようとする馬鹿が居るんじゃないかしらね。
欲深い人間ってのはいつの時代も醜いわ。
「その魔族になった初代勇者を殺せばいいの?」
【ああ、初代勇者は今は魔王と自ら名乗っている。 そいつを殺さないと僕らは安心して暮らせないからね】
「私はパスだからちゃんと帝に言っておくわ。 妖精の命を糧にしたら寿命が延びることは広げない方がいいだろうけど、馬鹿なことをする人間が居るのも事実だし」
私だけで留めておくなんてそんなことしてたらいつその魔王が襲ってくるかもわからないし、私を守る為の盾ならいくらでも必要だわ。
それに魔王なんておとぎ話の存在が私が居る世界に居るのも迷惑だしね。
【……リルディアは不老長寿に興味あるの?】
【ミィフォレント】
【だって……】
いつものんびりしてて何も考えてなさそうなミィだけども、やっぱり死ぬのは怖いみたいね。
不老長寿かー……よくフィクションにはある話だけど正直に言って私は興味ないのよね、お金持ちになりたいし、豪遊して暮らしたいけども長生きしたいなんて思ったことはないのよ。
長生きしたって良いことなんて何にもないし、腐ってる馬鹿な人は不老長寿になりたいって思ってるみたいだけどそれって人間を辞めたいってことでしょ。
人間を辞めてまで長生きしたい意味がわからないわ。
「興味ないわ、私は死ぬなら可愛いまま死にたいから長生きしたくないし。 長生きしたいほど良い世界ではないもの」
【やっぱリルディアなの】
【ふむ、興味深いな】
不老長寿に興味ない、たったそれだけなのにミィは嬉しそうにしてるし、サイスはじろじろと私を見てるのは一体何なわけ?
興味ない人間なんて私以外にもいるでしょう。
「で、魔族道ってのは?」
【魔族道はその名の通り魔族が通る道だ。 魔族はこの国から遠く離れた大陸に住んでいる、理由は不明だが魔族はこちらの大陸に住むことが出来ないらしい。 なので、魔族道を作って魔族の大陸とこちらの大陸を行き来出来るようにしようとしている】
なるほどね、理由がわからないけども魔族はこっちに長く居られないから人間を殺す為に道を作ってどうにかしようとしてるのね。
でも、こちで活動してる魔族も居るみたいだから何かしらの対策を取ってそうだけど。
「因みにうっすらと龍脈がどうたらって聞いた記憶がおるんだけど龍脈って何?」
【龍脈とは簡単に言えば魔力が流れる道だ、この世界は草木も動物も魔物も生きるもの全てに魔力が流れている。 龍脈から魔力が流れ、地面の中を通り生き物に与えられる。 この近くの森は龍脈の魔力が溢れているから魔族道は作りやすいだろうな】
簡単に言えば龍脈から流れる魔力は酸素や水と似たようなものってことね、この近くは酸素が豊富にあるからそれを魔族は使おうとしてると。
そんなに魔力が大量にあるのに魔族以外は気付かなかったの?
それとも、気づいていても何もしなかったのかしらね。
「だから、魔族がここに集まっていたのね」
【ああ、そして魔族道が作られれば僕ら妖精の危機だ。 魔族は僕らを捕まえようとしてくるからね。 もちろん抵抗はするけども僕らはそんなに戦いが得意じゃないんだ、妖精王様が捕らわれたら終わりだね】
「妖精王が居なくなったら妖精は終わりなの?」
妖精王って言うくらいだから死んだら大変なのはわかるけども新しい王様を選べば国としては成り立つんじゃないの?
妖精の事情なんてわからないけども基本的には人間と同じで血で受け継ぐものだと思ってたんだけど。
【ふむ、最近の人間は知らないようだね】
「妖精なんて存在が居るのなんてミィと出会わなかったら知らなかったから仕方ないわよ」
【僕ら妖精は人間のように繁殖はしないんだ、妖精王様が僕らの形を作り命を吹き込んでくれるのさ】
……話を聞いてもよくわからないけど……つまりは妖精王が居なければ妖精が生まれることはないし、新しい妖精王にも簡単になれないってことよね?
妖精を生み出すのにどれくらいの時間や日数が掛かるかなんてその妖精王にしかわからないのね。
「妖精に寿命はないの?」
【妖精は魔力がなくなれば死ぬさ、だけど人間のように寿命があるわけではない。 そこのミィフォレントもかれこれ千年は生きているさ】
【あー、それいっちゃやだー!】
ミィがサイスに文句を言ってるけども、千年も生きてるのにそんな馬鹿でいいわけ……あの洞窟に引き籠っている時が長かったって話は聞いていたけどそれにしても物事をわからなさすぎない?
本当に千年も生きていたのかっわからないけども、サイスが嘘を言う理由もないし本当のことなんでしょうね。




