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ぶりっ子少女の夢は玉の輿  作者: 猫目 しの
異世界の日々
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集結する帝⑥

 



「あたしも一度でいいから妖精様のお姿を拝見したいよ」




ほうっとうっとりしたような笑みを浮かべながらも風帝はゆったりと座っている。

あれだけ妖精を崇拝してるみたいだから妖精に会ったことあると思って居たけども、会ったことはないのね……人間と獣人は違うのに妖精からしたら一緒なのかしら?


妖精王の言いつけで人間の前に姿を見せなくなったって言っていたし、獣人と人間を同一として見てるのなら一生姿を見せないでしょう。

私には関係ないことだからどうでもいいけど。




「きっとリルが凄いから妖精様にお会い出来るんだね」


「どうなんだろうね、私も何で私にだけ見えてるのかわからないもの」




私が特別な人間ってのは当たり前のことなんだけども、私はあの神にこんな能力を願ってなんかないし、何で見えるのかもさっぱりわからない。

妖精を信仰してるわけでもないし、どうしてなんでしょうね。




「まあ、あんたが何者であっても妖精様の祝福がある時は守ってあげるさ。 精々、妖精様に飽きられないようにするんだな」


「あら、ディオ先生はあんなこと言ってたけども私に護衛は不必要。 別にミィに祝福を切られたとしても痛くも痒くもないわ」




ミィの力なんか借りなくてもどうとでもなるし、私にはそれだけの力があるんだもん。


魔族が狙って来ようが大体は魔法を使ってくるんでしょう? それなら、私はバリアもあるしそれを受けて返すことだって出来る。

力はないけども、この 10歳(とし)にしたらナイフを使う技術もそこそこはあるつもりだし、勉強もしてるからある程度の戦略や罠を作ることも出来るわ。


ここに学生が私だけ残るとしても問題ないつもりよ。




「ははっ、生意気な小娘だねえ。 魔族が来る可能性が高いここに一人で残るってのに大したタマだよ」


「え? リルは帰らないの?」


「私的には帰りたいのよ? こんな所に残るなんて面倒だもの、でもディオ先生が残れって我儘言うんだもん」




魔族が来ようが来まいと私にはどうでもいことだから帰りたいのよ、いくら私が魔族に対抗する手段があったとしても本当は働きたくないし、楽に豪遊して過ごしたいんだからね。

魔族道ってのを作りたいなら勝手に作ればいいし、私の迷惑にならないのならばだけど。




「そんな……リルはただの女の子なのに……」




まるで自分のことのようにショックを受けているフィアは泣きそうな顔で私を見ている。

全く、私のことなのにどうしてこんなにフィアがショックを受けてるのよ……本当にこの子はどうしようもないわね……。


髪を乾かしてるフィアの手と魔法が止まっているのでフィアの方を振り向けば頬に手を当ててこつんと額と額をくっつけてフィアを見つめる。




「フィーア、私のことを気にするのは当たり前だけど、私を侮っているのかしら?」


「え……? そんなことないよっ」


「なら、私を信じて待っていなさい。 私はこんな所で死ぬ気はないわ」


「……うん!」




じっとフィアの目を見つめながら話しているとフィアは驚いたように目を見開いたけども、すぐに嬉しそうな笑みを浮かべた。

ぱたぱたと動いてる尻尾に満足しながらも手を離せばまたフィアに背を向ける。




「わかったのなら早く髪を乾かして。 ちゃんと乾かさないと痛んじゃうじゃない」


「うん、任せて!」




納得したフィアは機嫌が良さそうにまた私の髪を乾かし始める。

そんな私たちの様子を見ていた風帝は何だか楽しそうに笑ってるけども、今の行動の何がおもしろいのか全く分からないわね。




「そっちの狼の娘が良く懐いてるようだ、護衛がいらないってのは強がりではなさそうだね。 獣人は本能的に強い者に従う、自然ではその方が生き残れるからね」




じゃあ、フィアは本能的に私が強者だと思っているから好かれてるのかしらね?

フィアがこんなに好意を示してくれたのはいつからかなんて覚えてないけども、サバイバル演習より前だったような気もするのよね……。


そこだけはちょっと引っ掛かるけども気にしないでいいかな。

もし、フィアが私に好意を抱いてるのが本能だったとしてもそれに問題はないもの。




「だから、言ったでしょ? 私に護衛は必要ないの」


「ああ、そうみたいだね。 だけど、ディオから頼まれたのもあるからあたしはあたしで勝手にするよ」


「別にそれは勝手にすればいいわ。 私の言葉だけでディオ先生は納得しないものねー……」




ディオ先生は頑固な所があるものね、何であそこまでしつこいのか分からないけどもあのままじゃ恋人なんて出来そうにないわ。

まあ、ディオ先生の恋人事情なんて知らないけども。




「レティー、入るぞ」


「シトレース先生……」




噂をすれば何とやら、ドアがノックされたと思えば先ほどまで話してたディオ先生が部屋に来た……そう言えばフィアって苗字はレティーって言うんだっけ?




「セシルトも戻っていたのか。 まあいい、レティー、他の生徒はもう集まって居るから帰る支度をしろ」


「は、はい」


「キャリーはセシルトと一緒に俺の部屋に居ろ。 雷帝と土帝にはこっちに来るように指示を出してる」


「はいよ」




面倒だけど、仕方ないわね……。

私はフィアに手を振るとディオ先生の部屋に風帝と向かうことにした。



 

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