集結する帝③
また帝だけで話してるけど、帰れるんなら帰れるで別にいいし。
でも、だからその前にシャワー浴びさせなさいって血の臭いなんて中々取れないのよ、人間にはわからなくても獣人は鼻もいいからバレるのよ。
「ねえ、王都に帰るんなら先にシャワー浴びて来ていい?」
「セシルトは残るに決まってるだろう」
「はあ? そんなの聞いてないんだけど! 何で他の生徒は帰って私は残らなきゃいけないわけ?」
あり得ないんだけどさ、もしかしたらミィが居るからこそ私が残る理由になってるのかもしれないけど納得は出来てないわよ。
学園のつまらない授業受けるのも面倒だけど、こっちに残ってミィの通訳するのも面倒だし。
「もし、帝が集まったら妖精様の話をしてほしいからな。 俺たち帝は他よりも魔族のことは知っているが妖精様の方が知ってるみたいだからな」
「あたし的にはコーネリアスが妖精様に迷惑かけないか心配だね。 あの知識の虫が妖精様に近付かないわけがない」
「ああ、妖精様に質問攻めしてる姿が容易に想像出来るな」
そんな面倒な奴が居るんならさっさと帰えりたいんだけどさ、ミィに質問攻めするってことはその分私が通訳しなきゃいけないわけじゃない?
今でさえ面倒なのにこれ以上の面倒ごとなんて嫌よ。
まあ、ミィに質問したとしても私がミィに直接聞かないとミィは答えてはくれないんだけどね。
「絶対嫌なんだけど」
「心配するな、妖精様に迷惑をかけてると判断すればキャリーが止めるからな」
「当たり前だろう? 妖精様に迷惑かけるなんてことはあたしが許さないよ」
コーネリアスって男が雷帝なのか土帝なのかは知らないけどもそんな迷惑な人を帝にしないでほしいわね。
まだまだ若いってか子供のシアンまで帝になってるんだから今いる冒険者の質が本当に悪いのか、帝を選んでる人がただの馬鹿なだけか。
「まあ、どうでもいいけどお風呂入ってくるわ。 さっきから血の臭いがするから嫌だったのよね」
「はあ……お前は何しにキャリーを呼んだと思ってるんだ。 魔族に狙われる可能性があるから護衛の為に呼んだんだぞ」
えー、でも私は強いから護衛なんかいらないんだけどねー。
まあ、無敵ってわけじゃないからあまり弱点は言わないようにするけども、魔族の来襲くらいなら何とかなるでしょう。
「妖精様の祝福を受けた人なら喜んで護衛するね。 あたしが依頼で無理な日があったら家の影を使おうかねえ」
風帝は私の護衛でもミィと一緒に居られるなら何でもいいのか文句はないみたいだった……私的には見える所に居たら面倒な時もあるだろうから見えないとこに居てほしいんだけどね。
顔出ししてるのか知らないけど、帝唯一の女で獣人なら知ってる人の方が多いでしょうし、風帝が隣に居たら風帝が目立ちすぎて私が目立たないわ。
今回は魔族がたくさん現れたのだから仕方ないって諦めるけど。
「別に護衛なんていらないけどね」
【リルディアはミィがまもるもん】
いや、ミィに守って貰うつもりもないけど……それをミィに言っても無駄だろうから別にここで言うつもりもないけどね。
「俺は今日には他の生徒は帰らせるように他の先生方に伝えてくる。 生徒を集めてさっさと帰らせた方がいいからな」
「じゃ、私はお風呂に入って来るから」
他の生徒がどうなろうとも私には関係ないからどうでもいいし、この時間ならお風呂は空いてるから一人でゆっくり入りましょうか。
どの道、他の生徒は帰るからここに泊まらなくても問題ないけどもここはお風呂が広くて綺麗なのよね、流石は貴族の子息令嬢が泊まる宿だわ。
私はお風呂の準備をする為に一旦部屋に戻ることにした。
「リル、お帰り」
「ただいま、本当に迷惑だったわ」
「大丈夫?」
「ええ、でもディオ先生は今回の強化合宿を終わらせて強制帰宅させるんだって」
部屋に戻れば先に部屋に居たフィアが心配そうに私に駆け寄って来た、さっきディオ先生が言ってたことをフィアに告げながらも私は着替えの準備をする。
生徒は強制帰宅させるって言ってたからシアン以外の全員が帰ることになるのかしらね。
「え!?」
「魔族がなんかやってるみたいで危ないらしいよ、それで人質に取られる可能性あるから生徒は帰して帝で調べるっってさ」
私がそう言うとフィアは驚いた様子だったけど、確かに強化合宿で来た場所で魔族が何か企んでいるなんて思いもしないよね。
私だってさっきミィから聞かなかったら知らなかったし……でも、反対に考えればミィに聞いたからこんな変なことに巻き込まれるんじゃない?
今度からミィから話を聞く時は一人の時か他の人には聞えないように話した方がいいわ、またこんな面倒なことに巻き込まれたら堪ったもんじゃないもの。
私はお金持ちの旦那を捕まえてメイドを雇って悠々自適に過ごすのが目的なんだから物語みたいに悪い奴を倒すことには興味もないの。
だから、本当はこんなことに巻き込まれていても迷惑にしかならないし、このまま帰りたいくらいなんだからね。
「そうだったんだ」
「とりあえず、私はお風呂に入って来るわ。 フィアはどうするの?」




