集結する帝②
「……さっきから一体何話してるんだ」
話には入らずにのんびりとミィと話していれば怪しんでるようなディオ先生の声が聞こえて来た、三人の方に振り向くと三人は話を止めてこっちを見ているみたいだけど、一体何なわけ?
私は関係ないんだから話に混じるわけないじゃない。
「リルディア、魔族道ってのは何だ?」
「え? 転移門から魔族がぞくぞくと現れる道らしいよ? 簡単に移動する方法はないって本には書いてたけど魔族はそんなことも出来るのね」
魔族のことに詳しい本なんて今まで見たこともないからもしかしたら国で保管してるのかもしれないわね。
でも、こんなに魔族が現れるようになったんだから国民にも魔族のことを話す必要が出てくるんじゃないのかしらね?
まあ、私には関係ないことだけど。
「いや、そう言うことじゃない。 セシルト、それは妖精様が仰ってるのか?」
「そうだけど? 何か知り合いの木のおじいさんから聞いたんだって」
その木のおじいさんはどれぐらい生きてるんだろうねー。
魔族のことに関しては全く興味ないんだけど、他にも知ってることがあるなら聞いてた方がいいかも。
「流石は妖精様だな」
「……風帝、それ所ではない。 セシルト、妖精様から何か聞いたらすぐに話せ」
「えー、めんど……」
風帝はうっとりとしたような感じだけど、ディオ先生的には何かよくないことなのかため息をつきながら言ってる……でも、面倒。
ミィがいつ何を言うかなんてわからないんだからいちいちディオ先生に話すなんて出来るわけないじゃん。
ディオ先生からしたら大変って思うことかもしれないけど、私にはどうでもいいことばかりだし、ミィと話すのもただの暇つぶしよ。
「とにかく、今は妖精様は何と仰ってたんだ?」
「えーと、魔族がここに居た理由はここに魔族道って転移門を作る為に居たんだって。 魔族道が出来たらそこから魔族がたくさん出て来るらしいけど、何しに来るのかしらね? さっき話したこととあんまり変わらないからもういいんじゃない?」
さっき聞かれたことから私の言葉は変わらないってかそれしか聞いてないんだからそれ以上わかるわけないでしょうに……。
ミィにもう少し調べて来てもらえばまだわかるかもしれないけど、その後通訳するのも私なんだから面倒だわ。
「魔族道? 転移門? 聞いたことないね」
「ああ、転移なんて城の学者もどうにか出来ないかと研究してるくらいだからな。 いや、それよりもこの街にそんな大量の魔族が来るのは不味い」
「ああ、ここは王国一の港でもあるからな」
私の言葉にまた話し合いを始めた帝三人だったけど、私を無視するなんて失礼だわ。
……でも、何でここじゃないといけないのかしらね?
昨日出会った魔族の二人もここで何か用事があったみたいだし、この街付近じゃないといけないのか、それとも他の街でも問題ないのか。
興味はないんだけど、気になるのは仕方ないわよね。
「ミィ、ここじゃないといけない理由とか聞いてない?」
【んー、おじいちゃんはりょうみゃくがなんちゃらー、まりょくがなんちゃらー、っていってたー】
「は? それじゃ、意味がわからないじゃない。 聞くなら聞くでちゃんと聞いておきなさいよね」
中途半端に聞いてわからないじゃちょっともやもやして気持ち悪いじゃない。
これだからちゃんと話を聞かない子供は嫌いなのよね……まあ、知らないものはいくら言っても知らないんだから仕方ないわ。
【ごめんー】
「別にいいわよ。 でも、ちゃんと次からは聞いておくのよ?」
【うん!】
子供だからって私は甘やかさないわ、一度だけならまだ許してあげるけど二度目はないわ。
次ちゃんと聞いてなかったら罰を与えないと、ミィなら一日無視とかでも効きそうな感じはするけどね。
「セシルト、妖精様は他に何も仰ってないか?」
「聞き逃しちゃったみたい、これ以上の情報はミィも持ってないわ。 ただ、龍脈と魔力がって話があったみたいだからここには何かあるのかもね」
それ以上はミィに聞かずとも自分たちで調べられるでしょう?
ミィ的には人間なんてどうなってもいいみたいだし、今回の話だって私が特別だから話してるだけだし。
ディオ先生は私の言葉に難しそうな表情をしているけども、後ろから風帝に頭を叩かれて痛そうに後頭部を押さえている。
「いっ!?」
「妖精様に文句なんてないよねえ? ディオ?」
「……文句なんて言ってねえから叩くな、ただでさえ馬鹿力なんだからな」
ぎろりとディオ先生を睨んでる風帝に呆れたようなため息をついているディオ先生。
シアンは我関せずって感じで何か考えてる様子だし、風帝はディオ先生の妖精に対する言葉使いや態度を注意してるし……何もしなくていいなら帰っていい?
「ディオ、他の帝も呼んだ方が良さそうだ」
「なんだい、あたしだけじゃ役に立たないって言うのかい?」
「そうじゃない、役割的な問題だ。 俺やキャリー、ディオはどちらかと言えば戦闘面のが得意だろう? 俺たちはともかく、他の学生は帰らせた方がいいだろうな。 足手纏いになるし、最悪人質になる」




