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ぶりっ子少女の夢は玉の輿  作者: 猫目 しの
異世界の日々
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風帝キャリー・レイモンド④

 



「シアン、魔族って殺した方がいいの?」


「いや、抵抗できないようならギルドに引き渡した方がいいな。 魔族のことは国もギルドもあまり知らない、少しでも情報があった方がいい」




ここで一番位が高いのはリーダーでもあるシアンなので聞いてみるとやっぱり生け捕りにした方がいいみたいね。

まあ、私的にはどっちでもいいんだけど、今は口も塞いでるから抵抗もほとんど出来ないでしょうし……あの冒険者が戻って来たら引きずってもらえばいいからね。




「そう、ネムリソウの効果もあまりなかったからもしかしたら薬に対抗があるのかと思ってね。 どこまで効かないのかちょっと知りたかったんだけど……」




魔物によっては即死の毒や遅効性の毒が効かない場合もあるから色んな毒を持つようにしたのよね。

私はあまり鍛えたくないから毒で仕留められる方が楽だし……私にも毒は効く可能性があるから取り扱いにはもちろん気をつけてるけども。




【リルディア~、ミィがんばったの~】


【リルディア、我も褒めろ】




私がシアンと話しているとミィとルシーが擦り寄ってくる、ミィは別に小さいからいいんだけどルシーはデカすぎるから邪魔だし止めて欲しい。

小さくなれるんだから邪魔にならないようにしなさいよね。




「はいはい、良くやったわね」


【えへへ~】




ぽんぽんとミィとルシーの頭を撫でてやっていたけど、急にぶちっと何かが切れるような音が聞こえた。

聞こえた瞬間にシアンが、遅れてフィアと私が音のした魔族の方を向いて構える。


呪文を唱えられないように口を塞いだつもりだったのに……!




「オデの邪魔をする奴は許さねえ!!」




魔族の周りには引きちぎられたのか蔦が散乱しており、魔族の男は顔色が赤くなっていた。

怒っている時の赤さじゃなくて本当に真っ赤な感じ、よくよく見ていると真っ赤な顔に何か模様のようなものが描いてあるみたいだけど……。


あれには何か意味があるのかしら?




「頭は悪くても魔族は魔族だな」


「フィアは下がってなさい」




冒険者の男でもあいつの力には勝てなかったんだからフィアではまだ勝てないわ。

怪我をしないようにさっきのように離れたとこから魔法を打っていた方が安全だし、シアンでもまだキツイんじゃないかしらね。


私がフィアに言った瞬間に魔族の男の姿は消えた。

どかっと大きな音をしながらフィアは後ろの木にぶつかる。




「かはっ……!」




先ほどよりも素早くなってた魔族の男がフィアに攻撃したみたい。

顔色が変わっただけであんなに素早くなるなんてあり得ないわ……!!




「フィア!」


「へ、き……!!」




痛みに顔を歪めながら荒い呼吸を繰り返すフィア。

木に叩きつけられた時にどこか痛めたのかもしれないけど、休憩してる暇なんて魔族は与えてはくれないわ。


フィアもそれはわかっているのか荒い呼吸を繰り返しながらも立ち上がり構えている。




「反則染みた力ね」


「オデは最強魔族!」




またこちらに来ようとした魔族を止めるために前に出たシアン、ルシーも私の方に来ないように立ちはだかるけど魔族の素早さに翻弄されてるみたい。

フィアも魔法を打とうとしているけど、魔族の素早さに狙いが定められていない。




「”ラストフレイア”」




シアンは腰に差していた剣を持って戦いながらも魔法も上手く使っているみたい。

さっきも思ってたけど、魔族の腕は鉄でも入っているのか剣は全然効かないみたいね……私の持ってる毒も体内に入らなければ効くものも効かないわ。


シアンが本気を出せばまだ戦えるんだろうけど、いつ人が来るかわからない森の中のせいなのか戦いあぐねてるみたいね。




「リル!」




戦ってる様子を少し離れて見ていたらいつの間にか目の前には魔族が立っている。

フィアは私の名前を叫び、シアンはこっちに来ようとしてる。




「まずは邪魔なお前からだ」




魔族は私に向かって拳を振り下ろそうとしていた……でも、私にはバリアがあるんだから物理だって効かないわ。

やりたくはないけど、このまま私が囮になった方がいいかもしれないわね。

痛みは感じなくても衝撃で後ろに飛んでしまうかもしれないので腕を顔の前でクロスしてその衝撃に耐えようと踏ん張る。


……でも、そんな衝撃はなく逆に魔族が吹き飛んでいた。




「久しぶりだねえ、シアン? 少し見てない間に弱くなったんじゃないのかい?」


「……キャリー」




私の前には真っ赤な髪で後ろには猫の尻尾がついてる女が立っていた。

シアンは私に駆け寄ろうとした足を止めて女を見ているし、フィアは驚いたように目を見開いている。




「あんな雑魚に何やってんだい。 アンタなら殺せるだろう?」


「魔族に対する情報は多いほどいいだろ」


「相変わらず真面目で融通が利かない馬鹿だねえ。 こっちが死んだら元も子もないだろうに」




シアンと軽口を躱してるのは見たことのない女。

でも、後ろ姿だけでも感じるその強さは……ディオ先生が昨日言ってたわね。




「さっさと殺して終わらせるよ」




帝の中で唯一の紅一点、獣人でその強さにはどの獣人も憧れてるらしいその女。


風帝、キャリー・レイモンド。


 

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