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ぶりっ子少女の夢は玉の輿  作者: 猫目 しの
異世界の日々
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風帝キャリー・レイモンド②

 



森にある戦闘の跡を追いかけるように走っているとキンッキンッと金属のぶつかるような音が聞こえてくる、音が聞こえるのが大きくなるにつれて冒険者の二人は緊張が増してきてるのが私にもわかる。

私よりもこの冒険者二人の方が強いし、経験もあるのは認めるわ。


でも、戦いであるなら私にはバリアがあるんだから負けるつもりはない。

もし、この二人が役立たずなら私はこの二人がどうなろうとも構わないわ。




「いいかい? 君たちはお友達を助けたらすぐに逃げるんだよ?」


「はぁい」




シアンよりこの二人が強いわけないから多分シアンも完全に逃げることはしないでしょうね。

でも、私は良い子だから嘘でもちゃんと男の言葉に頷いてあげる、その方がこの二人も安心するでしょうしねー。




「レンス、そろそろ近いみたいだ」


「わかってるよ。 アッサムも気をつけてね」




進んで行くと少し開けた場所に出たのか戦いやすいようになっている、そして戦いやすいからなのかシアンがさっきの魔族と戦ってる様子だった。

魔族の姿を確認した二人はすぐに行動を始めた。


剣の男は剣を構えて魔族の方に突っ込んで行き、もう一人の男はまずはシアンから魔族を引き離す為にどこに持っていたのかクロスボウを打つ。




「あ?」




シアンと向かい合いながらも向かってくる気配に気づいたのか魔族は自分に向かってきた男の方を向いた。

飛んできた矢は魔族が持っていた大きなハンマーみたいな物で弾かれ、剣の男が振るった剣は魔族の腕に当たったので腕が切れた……かのように思えた。




「くっ! 何て硬さだ!!」


「虫けらがたくさん湧いたな」




魔族は掠り傷すら負ってないのか生身の腕に剣が止められていた、クロスボウの男も少し驚きながらも先ほどのように魔族に向かって矢を打つ。

シアンはギルドから応援……むしろ邪魔者かもしれないけども誰かが来たことを察したのか私たちの方に駆け寄って来る。




「リルディア、洞窟は大丈夫なのか?」


「うん、強い方が来てくれたから大丈夫だよ~」




邪魔者が来る前に中の魔物は殺したし、檻からも解放してあげたんだから死んでることはないでしょ。

魔物も大体はネムリソウによって眠ってるし、あれで怪我したら自分たちの実力不足なんだから文句言わせないわ。




「まだ学生なのに魔族相手に頑張ったね。 ここは俺たちに任せて君たちは逃げな」




魔法を纏わせた矢に切り替えたのか視線は魔族に向けたまま冒険者の男は言う。

……だけど、改めて見ると剣も矢も魔族には効いてないみたいでどんなに剣の男が切り付けても無駄みたい。


シアンも戦って魔族の力がどれぐらいなのかはわかってるのか眉をひそめてる。




「俺たちも戦える」




冒険者が負けると思っているのかシアンが引く様子はない。

フィアは魔族の姿にびっくりしていたけど、私やシアンが逃げてないので一人で逃げるつもりはないのかこくりと頷いた。




「……もし、危なくなったら逃げるんだよ?」




男も魔族がここまで強いとは思っていなかったのかシアンの言葉に一瞬悩んだようだったけど絶対に逃げろとは言わなかった。

接近戦は流石にさせては貰えないだろうけどね。




「”風よ、我が力となりて敵を貫け、ウィンドアロー”」


「”火よ、我が力となりて敵を葬れ、|炎渦《ブレイズウ゛ォーテックス》”」




剣の男が魔族から離れた瞬間を狙ってフィアとシアンは呪文を唱えて魔族を狙う……もちろん、私は戦うつもりはないのでミィと一緒に少し離れたとこから戦いの様子を眺めてる。

敵が増えても魔族からしたら邪魔な虫が増えたとしか思っていないのか、あまり狼狽える様子もない。




「いくら虫が増えようとも魔族最強のオデには勝てないぞ!」




勝手に言ってるだけだと思うけど、人間からしたらあんな硬い体を持ってるだけで結構戦いにくいわね。

剣で切り付けても切れないし、矢も弾く、魔法は効くかもしれないけど避けられて終わり、どう対処していいのか考えてるみたい。




【リルディア~、なにもしないの?】


「ええ、私はか弱い美少女だからこんな野蛮なことには参加しないの。 ミィも何もしてはいけないわよ、ミィのことがバレたら大変なんだから」




戦ってる様子を眺めながらも私は肩に居るミィに忠告だけしておく。

私の了解なしに勝手なことはしないとは思うんだけども念のために忠告しておかないと、もし勝手なことされてバレたら私が困るもの。




【ミィはにんげんになにもしないもん】




シアンやフィアたちが私の側に居てもミィは何も言わないけども、ミィから何かするつもりはないのか素直に頷いている。

妖精は本当に人が好きじゃないみたいね、私は特別な人間だから嫌われるなんてあり得ないけど。


……戦いの様子を眺めていたけど戦況はあまりよくないみたいね。




「アッサム! 仲間が来るまで頑張ってくれよ!」


「わあってる!!」




一番大変なのは接近戦で対峙してるあの剣の男でしょうね。

体の硬さで剣は効いてないけど、接近戦で誰かが戦っていないと魔法で狙おうにも近付かれたら大変になるもの、額から汗を流しながらも仲間が来るまで耐え続けるしかないって感じね。



 

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