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ぶりっ子少女の夢は玉の輿  作者: 猫目 しの
異世界の日々
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花の妖精の力⑦

 



しばらく進んで行くと魔物の声と人が泣いてるような声が聞こえて来る。

岩の陰から覗くと即興で作ったのか岩の檻とその中には私と同じくらいの大きさの子供が四人……ってか、一人はレイアだった。


何でレイアがこんなとこに居るのかわからないけどレイアが居るなら私が姿を現すわけにはいかないわね、私が戦ってる姿なんて見られたらなんて言われるかわかったもんじゃないわ。

それに、レイアが居るってことはセルディアやクリュスも来るかもしれないし、まだ二人にはか弱い私を見せなきゃね。


檻の門番をしてるのはゴブリンが二匹。




「どうしようかしらね」


【リルディア?】




生きてることはわかったんだからこのまま放置して戻ってもいいんだけど……シアンに頼まれたのにそのまま帰っても問題ないかしら?

少しのことでも好感度が落ちてしまったら後々が面倒になっちゃうし、落ちた好感度は信頼と同じで戻すのが中々大変なのよね……。




「そうだわ」




さっき街で買い物した時に顔が隠れるようにフード付きのマントを買ったのよ、これなら顔も見られないながらにあの魔物を倒すことが出来るわ。

檻さえ開けてしまえば後は自分たちでどうにかするでしょう。


外に出た時に魔族と戦ってるシアンの迷惑にならないことだけ気をつければいいわ。

流石に喋ってしまうと私ってバレてしまうかもしれないから話さないようにしないとね。




「私を誰だと思ってるの! 今なら許してあげるからさっさと出しなさい!!」


【人間、うるさい】




他の三人は逃げきれないと悟っているのか泣いているけど、レイアはうるさいくらい元気だわ。

そんなこと魔物に言っても無駄なのに馬鹿じゃないの?


フード付きのマントをしっかり被って私は岩の陰から姿を現す。

……私の姿ってか、人間の姿を見てからレイアが更に煩くなったけど……そんなにうるさいとアンタだけ出さないわよ。




「……“水よ、我が力となりて敵を貫け水矢(ウォータ-アロ-)”」




万が一にでも私と疑われないようにネックレスの力を使って水属性をアピールしておこう。

馬鹿なレイアならこれだけでも私だなんて考えはなくなると思うし、盲魔だなんて馬鹿にしてる私が魔法を使うなんて思うわけないわ。




【ベラ様の餌!】




水矢(ウォータ-アロ-)はゴブリンに当たったのでゴブリンはこっちに気づいたみたい。

まあ、気づかせる為にやってるから問題はないんだけど、魔法で殺すことは私は考えてないから取り出していたナイフを一本ゴブリンに投げる。

一匹の肩に突き刺さるがゴブリンは一瞬怯んだだけで変わらずこん棒を持って私に襲い掛かってきた。


ゴブリン程度、私の敵ではないわ。



考えなしに目の前の敵を襲おうとしているのかこん棒を振ってくるけど軽くそれを避ける。

狭い洞窟の中なのでそんなに大きく避けることは出来ないけど、それはゴブリンも同じことだからね。


ナイフで目の前に居るゴブリンの首を切るとこん棒が当たる前に私は後ろに下がる、私の力では首を切り落とすなんてことは出来ないので首を掻っ切るしかない。

それでも、ゴブリンの首からは血が噴き出てる。


汚い血を浴びてしまったけど、まだもう一匹居るんだから気は抜けない。


二匹目のゴブリンに回し蹴りを食らわすとゴブリンの体勢がが崩れたので隙を突いて麻痺毒を塗ったナイフをゴブリンに突き刺す。

ゴブリン如きがこの私の邪魔をしてるんじゃないわよ。


数分もしたら麻痺で体が動かなくなったのか地面に倒れたゴブリンの首を掻っ切って殺す。

……私は私の為に手を血に染めることを決意したのは変わらないけど、何時まで経っても肉を切る感触だけは慣れないわね。




【リルディア?】


「……大丈夫よ」




心配そうにミィが私のことを見てるので捕まってるレイアたちに聞こえないように小声で話す。

苦労をするのは今だけだもん、将来は玉の輿に乗って絶対に楽して生きるんだから。


フードを更に深く被ってから檻にあったつっかえ棒を外してあげる。

魔物がしっかりとした鍵を使うわけないからこんなに簡単に開くものね、魔族が人間を下に見てるんなら余計に鍵なんて使わないでしょうし。


鍵を開けたので後は勝手にするでしょ。

ゴブリンやビックラットぐらいなら倒せるでしょうからそこまで面倒を見る必要はないわ。




「待ちなさいよ!」




もうこんな洞窟には用はないので来た道を戻ろうとするとさっきまで喚いていたレイアが私に近付いて来て私の腕を掴む。

私を睨みつけてくる暇があればさっさと帰ればいいのに、いつも見た目を気にしてるレイアがボロボロになってる姿はスッキリするわ。


でも、私はこんな所でレイアに構ってる暇はないのよ。




【……ミィ、このにんげんきらい】




ミィがそんな事を言うのは初めて聞いたけど、元々ミィは人間自体が好きじゃないみたいだもんね。

一体何を見て選んでいるのかさっぱりわからないわ。




「貴方、誰なの? この私が話しかけてるのだから喋りなさいよ!」




初対面の人間が貴族の令嬢だなんてわかるわけないのに何言ってるのかしらね?

構ってる暇はないんだから邪魔よ、レイアなんかが私の邪魔をするのは許されないわ。


レイアの言葉を聞くわけないので私はそのままレイアの手を振り払って歩き出す。

後ろの方でレイアのギャーギャーとうるさい声が聞こえるけど、それを無視して私とミィは出口に向かって行く。


 

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