表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぶりっ子少女の夢は玉の輿  作者: 猫目 しの
異世界の日々
74/123

花の妖精の力②

 



何の問題もなく買い物は終わったので私たちは森の中に入る、荷物はライアとシアンの二人が持って、フィアとアルトが辺りを捜索しながら戦うことになった。

私? 私が荷物なんて持つわけないでしょ?




「ここら辺にはまだビックラットは現れてないみたいだな」


「痕跡ないね」




ビックラットは鋭い爪も持ってるから住処の近くには縄張りを示す為に爪痕を残すらしい。

猪ほどの大きさがあっても爪痕の位置は低いとこにあるから初心者の冒険者は見落としがちになるんだって、フィアとアルトは狼の獣人だから鼻も利くし、見落とすこともないでしょうね。




「もう少し奥か……」


「他にこの依頼を受けた人は先に行ってるみたいだから鉢合わせになるかもね」




警戒しながら奥に奥に進んで行くけど、特に何の痕跡も見つけられてない。

隠れているのか、それとも冒険者が倒したのが最後の群れだったのかわからないけど見つからないなら見つからないで仕方ないわ。




「おかしい……」




感覚として20分くらい歩いているのに何の痕跡もないからもしかしたら居ないのかもね。

そんな風に軽く考えていた私とは逆に索敵してるフィアとアルトの表情は段々と険しくなってきている。




「どうしたの?」


「リル、魔物が居なさすぎるの」




魔物が居ないなら別にいいことじゃないの?

街からは少し離れた森だけど魔物が居たらいつ森から出て来て街に来るかわからないから街の人も森に居ない方がいいでしょうし。


でも、私の考えは間違ってるんでしょうね、シアンも何か考えてるような表情してる。




「魔物が居ないと駄目なの?」


「魔物はほどんどが肉食なんだが草食も魔物も居るんだ。 その草食も魔物すら見当たらないのは不自然すぎる」


「リルは何か聞こえない? 土の中にはワームも居る時あるんだけどそのワームすらも出てこないから……」




声ね……そう言えば気にしてなかったけども森に入ってから何も聞えてないわね。

魔境の森ではずっと色んな声が聞こえてたし、今改めて思うとこの森は静かすぎるわ。




「何も聞えないわ。 私の聞こえる範囲には魔物は居ないわね」


「やっぱり……」


「魔物が居ないなんてギルドからは何も聞いてないね。 もう少し探索して何もなければギルドに報告した方がいいかもしれない」




指摘されてやっとわかったけど何の声も聞こえない森なんておかしかったわね、違和感しかない森だし私的にはさっさと帰りたいんだけど……。

まあ、ライアたちはまだ帰る様子はなさそうだし仕方ないから付き合ってあげるわ。




「私は聞くことに集中してるわ。 もし、声が聞こえたら教えるね」


「そうだな、フィアとアルトは索敵しながら前方を担当してくれ。 ライアは後方、俺は左右を担当する」




リーダーであるシアンが決めたことなら私たちに問題はない、集中するって言ったけども私は集中しなくても魔物も声は普通に聞こえるからただ歩くだけでいいのは楽よね。

深い獣道を進みながらも辺りを索敵していると魔物が居たであろう跡はあるんだけど、魔物の声は全く聞こえない。




「……これは早めに報告した方がいいかもしれないな」


「こんなに歩いているのに一匹も見かけないなんて……」




もう森に入ってから一時間は経つけども魔物が一匹も居ない、本当なら縄張りを主張する魔物が現れたりするけどもその様子も一切ない。

こんなおかしな森だなんて聞いてないんだけど。




「声も全然……」




あれ? 何か小さいけど声が聞こえるような気がする。




「あっちの方から何か小さいけど声が聞こえるよ」


「俺には何も聞こえねえけど?」


「もしかして魔物じゃ……」




ああ、フィアやアルトに聞こえてないなら魔物の声なのかもね。

人間である私より獣人の二人の方が耳も良いから私にしか聞こえてないなら確実だね。




「話の内容は聞こえるか?」


「ここじゃ小さすぎてはっきり聞こえないわ。 もう少し近付かないと」


「じゃあ、慎重に進もう」




ライアの提案に賛成すると私たちは声の聞こえる方に向かって歩いて行く。

声のする方に近付いて行くとまだ小さいけど、話の内容が聞こえるくらいまでにはなった。




【ベラ様、喜ぶ】


【人間、たくさん】




魔物の声ってのはわかったけど……ベラ様って誰なんだろう?

でも、私に聞こえるってことはこれ以上近付くのは危ないでしょうね、今は運良く気づいてないみたいだけど。




「……聞こえる範囲に入ったわ。 これ以上近付くのは止めた方がいいわね」


「何を喋ってるの?」


「人間がたくさん居るからベラ様が喜ぶって」




もしかして、ベラ様ってのはあの魔物の親玉ってことかしら?

声だけ聞いてるとどんな魔物なのかは見えないからわからないけど、人間を食べるタイプの魔物なのは確かかも。




「人間ってもしかして……学園の生徒かもね」


「だったらもう……」




いくら戦闘を学んでるからって私たちはまだ10歳の子供。

本格的な戦闘はまだ習ってないから気をつけていないと食べられる可能性はあるわ。


捕まったとしとしたらもう魔物の胃の中の可能性のが高いわね。




【ベラ様、いっぱい食べる】


【魔物、人間、たくさん探す】




この森に魔物が居なかった理由はそのベラ様が食べたからかもしれないね。

どんな魔物かわからないけど、私たち学生が手を出せる相手じゃないでしょう。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ