花の妖精の力
あの後は買い物に行っていたフィアたちが戻って来た。
フィアが買った来たのは普通の指先まである手袋じゃなくて指が出るフィンガーレスグローブ、色は白がよぁったけど黒しかなかったみたいなのよね。
まあ、そこは私が妥協してあげるわ。
「今日はリファイナのギルドで依頼を受けろ。 どんな依頼を受けるかは班員と相談しろよ」
今日はタイミングがいいのかギルドの依頼を受ける授業なんてラッキーね。
このネックレスの魔道具の性能を試すチャンスだし、ミィがどれぐらいの力を持っているのかもわかるわ。
「フィア、アルト、昨日リファイナに行ったんでしょ? 何か変わったこととかなかった?」
「特に……あ、そう言えばビックラットの群れが近くで発見されたらしいよ。 発見した冒険者が群れは倒したみたいだけど、もしかしたら依頼が出てるかも」
「調査依頼より討伐依頼のがいいだろ」
ビックラット……確か子供は小型犬くらいのサイズで成長したら猪くらいのサイズのネズミよね……ネズミなんか気持ち悪くて触りたくもないけど調査依頼ならまだ楽よね。
一つの群れを見つけたらその近くには他の群れも居てどんどん増えるみたいだからギルドとしてもさっさと見つけたいって聞いたわ。
雑食で何でも食べるし、子供が食べられる可能性もあるからね。
「でも、ビックラットは放っておけないね」
「実入りが少ないから放置され気味だからな」
そう、ビックラットは害獣なのにどんどん増える理由はそこにもある。
お肉は不味い、皮は汚い、牙も爪も武器に使うには弱い、冒険者としてお金を稼ぎたいならビックラットの依頼なんて受けないし、逆に低ランクの初心者は受けても返り討ちにされる可能性もある。
中々に厄介な魔物らしいわね、倒しても処理をするのに一苦労なのに実入りは少ない、だから討伐自体は常時依頼だし。
今回調査依頼が出たとしてもどれくらいの群れがいるかの調査でしょうから、学園の生徒は絶対に受けないわ。
「今回その調査依頼が受けられるなら私はそれがいいわ。 これも試してみたいしね」
でも、今の私にはその調査依頼が受けられるなら好都合、ビックラットぐらいなら私も倒せるから魔道具のネックレスやミィの祝福を試すチャンスなんだもん。
一度簡単な依頼で試してからじゃないと危なくて一人での依頼の時に使えないわ。
今回ならシアンたちも居るから安全に試せるしね。
「リルディアちゃんにはそれもあったね」
「戦闘依頼の方がよかったがそれなら仕方ない」
調査より戦闘が得意なアルトは少し渋るが自分たちが崇めてる妖精の力の為ならそこは曲げるみたい。
だから、私たちはギルドについたらビックラットの調査依頼があったら調査依頼、なかったら討伐依頼を受けることを決めた。
リファイナまでは少し距離があり馬車なんてないので私たちは他の生徒に遅れながらもリファイナに向かう。
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リファイナに着いた私たちは門番の人に先生から貰った通行所を見せて街の中に入る。
海の近くの町だから街中では海鮮物が売られてるもたいね、帰ったら魚の干物くらいしか食べられないからちょっと刺身とか食べたいかも。
「ギルドはこっちだ」
昨日の内にギルドの場所も把握していたのかギルドまではアルトに案内して貰いましょ。
海鮮物とかはまた依頼が終わってからでも問題ないしね。
ギルドに入ると酒場もあるのかすっごい酒臭さもあるけど、受付に行くまで誰にも絡まれなかった。
「いらっしゃいませ。 リトリール魔法学校の生徒の方ですね」
「依頼を見せて頂けますか?」
「はい、こちらになります」
本来なら受付の横にあるあの大きな掲示板から取るんだけど、貴族も通ってる学園の生徒にもしものことがあったら大変だから依頼は厳選してるんでしょうね。
自分が偉いと思ってる馬鹿な貴族は身の丈に合わない依頼を受けたがるし。
「あ、ありましたよ。 ビックラットの調査依頼」
「そうだね、じゃあこれにしようか」
さっき話してたビックラットの調査依頼はまだあるようなのでよかったかも、他の依頼を見るとゴブリンの討伐とか薬草採取とかあまり面白くなさそうな依頼ばっかだしね。
しかも、この薬草採取って月見草だから夜にならなきゃ取れないやつじゃない。
全員のギルドカードを受付の人に渡す。
「ビックラットの調査依頼は他に二組のチームが受けております。 はい、受付完了しました」
にっこりと微笑みながらも何かの機器を操作した受付の人がギルドカードは返してくれた。
まあ、調査なのに間違った情報を掴んだら大変なことになってしまうからね。
私の邪魔になれなければ何でもいいわ。
「ありがとうございます」
ギルドカードを受け取るとまずは森に入る為の準備が必要なので薬や他の物を買う為に私たちはお店回りをすることにした。
なるべくならあまり時間はかけたくないからさっさと調査して実験しなきゃ。




