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ぶりっ子少女の夢は玉の輿  作者: 猫目 しの
異世界の日々
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海はドキドキ出逢いの場?③

 



「本当に妖精様なのか?」


【もちろん!】


「さあ? 自称妖精だからわからないわよ」




私に言われても本物かどうかなんて私は見たことないんだからわかるわけないでしょ。

それにそんな昔に姿を隠した妖精がこんな街の近くに住んでる理由すら不明だしね、魔物で騙してるって可能性もありえるから。


私にだけ姿が見える理由もわからないけど。




【じしょうじゃないもん、ほんものだもん……】


「てか、私以外に姿見せられないの? 昔は一緒に暮らしてたことあるなら姿見せれるんじゃないの?」


【それはむりなの~】




はぁ? 姿の見せることが出来たから人間に乱獲されそうになったんでしょ?

だったらこの頭の悪そうな妖精だって姿を現すことが出来るって思うのが当たり前じゃん。




「何で?」


【ようせいおうさまにきんじられてるの~。 にんげんはこわいいきものだからすがたはみせちゃだめだって~】




まあ、妖精がこんな馬鹿ばっかだったらまた乱獲されて終わりでしょうしね。

妖精王なんてのも居るなんて初めて知ったけど、人間で言う国王みたいな感じなんでしょう。


人間よりも忠誠心は高そうだから逆らうなんてことはなさそうだし。




「リルディアちゃん?」


「人間は怖いから姿を見せたらいけないって妖精王ってのに言われてるんだって。 だから、私からしたらこれが魔物か妖精かは区別つかないわ」


【まーもーのーじゃーなーいー!】




私からしたら声がはっきり聞こえるんだから静かにしなさいよね。

判断のしようがないから魔物だと思っても仕方ないでしょ、あんたが姿を見せないのが悪い。




「リル、花の妖精様なら花の妖精様にしか出来ないことがあるんじゃ……?」


「こんなちっぽけなのに出来るの?」


【できるもん!】




妖精が地面に手を向けるとポンポンっと小さな色とりどりの花が咲いた。

力を見せた妖精は腰に手を当てて”どうだ”と言わんばかりにどや顔で私を見ている。


フィアたちはいきなり辺りに花が咲いたことで驚いてるみたい。




「本当に妖精様が……」


「妖精だとして何であんたはここに居るのよ。 こんな人が入ってくるかもしれない洞窟にさ、人間が嫌いなら森の奥とかに住めばいいじゃない」




これが本当に妖精だったからって”様”なんてつける必要もないでしょ。

まあ、他の人には見えないらしいからこんな洞窟に居ても別に構わないんだけど、……それにしても一人でねえ?


私の言葉を聞いた妖精は固まってしまった。

そして、妖精の顔がどんどん泣きそうになっていくのと同時に先ほど咲いた花がしおしおと萎れていく。

花が急に萎れだしたので妖精様を崇めてるフィアとアルトは慌てていた。




【ミィ……ミィ……まいごなの……】




ぽつりと呟いたかと思えば涙が一気に溢れ出したのか大声で泣き始める。

あー、もう! 子供の泣き声はうるさいのよ!


思わず耳を塞いでしまうがこんな声が私にしか聞こえないなんて本当に迷惑!




「リル、大丈夫!」


「大丈夫じゃないわよ! 迷子か何だか知らないけどあんな大泣きしてうるさいったらありゃしない!」


「妖精様、お静まり下さい」




ぎゃんぎゃん泣いてる妖精を見えないながらに慰めようとしているのが見えながらも妖精は更に大きな泣き声をあげて、聞こえる私にとったらうるさくて堪らない。

信仰してる二人もライアもシアンもどうしたらいいかわからないのか少し困ってるよう。


……本当にうるさい!!




「いい加減にしなさい! 泣いても何も解決しないわよ!」




聞える泣き声が鬱陶しすぎて思わず声を荒げてしまう、フィアたちがびっくりしてるみたいだけど関係ない。

妖精は私の言葉が聞こえたのかぽろぽろ泣きながらも声を上げるのを止めてる。




【にんげん……】


「今までは仲間が居たから泣いても全て解決したのかもしれないわ。 けど、ここにはアンタの仲間は居ない。 ならば、アンタが一人でどうにかしなきゃいけないでしょ! 泣いてるばかりでいいの?」


【……よくない】


「じゃあ、泣くのを止めなさい」




結局は一人になるんだから自分の力でどうにかしなきゃいけない。

いつまでもメソメソしてて自体が変わるのを待ってたって意味がない。


だって、……だから私は私一人でもどうにか出来るように力をつけたのよ。



親だって血を分けた子供より自分が一番大事なのよ、あっちでもこっちでも同じ。


血のつながった両親だって結局は他人なんだから。




【……うん、ミィ、もうなかないもん。 にんげん、ありがとう】




ぐしゃぐしゃになった顔を拭えば妖精は決心したように顔を上げる。

泣いたばかりでまだ目は赤いけど、これでこの妖精がもう泣くことはないでしょう。


私の鼓膜を破ることもないから安心ね。




「リル……」


「とりあえず、泣き止んだわ。 本当にうるさかった」




耳から聞こえるって言うか頭の中に響くような感じだったから更に大変だったのよね。

玉の輿には乗りたいけど、こんなにうるさいんじゃ子供の世話なんて私には出来ないわ。




「妖精様も落ち着いたみたいだね」


「ええ、問題ないみたい」


【にんげん、にんげんのなまえは?】




は? 私の名前?

確かにずっと人間って呼ばれるのは鬱陶しいわよね……。




「私の名前はリルディアよ。 リルディア・セシルト」


【リルディア……ミィの名前はミィフォレント・リア・セレストテラン・アルソン。 リルディアに祝福を授けます 】




そう言う妖精は一瞬光に包まれたかと思うと私の右の手の甲に花のマークの痣が浮かび上がった。


……何これ?

てか、この妖精の名前ってすっごい長くて覚えられないんだけど、……覚える必要もないからいいんだけどね。



  

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