海はドキドキ出逢いの場?
「あー、今日は昨日あったトラブルによって授業はなくなったから自由にしていいぞ」
朝、食堂に集められた私たちはディオ先生にそう告げられる。
まあ、あんなことがあって他の先生たちも調べものとかいっぱいあるみたいだから授業なんてしてる暇はないよね。
「今日は何をしよっか?」
「街に行ってもいいみたいだから街もいいね」
「昨日は全然海に入れなかったから海にしようぜ!」
突然の休みだけど、授業より遊ぶ方がいいのか周りの生徒も今日の遊ぶ予定を立ててるみたい。
私もつまらない授業よりはいいよ、たまに算数の勉強とかもあるけど簡単すぎてつまらなさすぎるわ。
「リル、私たちはどうする?」
「リルは海に行きたいな~」
折角水着も買ったんだし、それに街に行っても王都もが栄えてるんだから良い物も売ってないでしょ。
宿にずっと籠ってるのも暇になっちゃうからね。
「うん、いいんじゃないかな」
「昨日はすぐに海から上がる羽目になったしな」
ライアとアルトも賛成してくれたから私たちは水着に着替えて海に行くことにした。
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「昨日の今日だから人は少ないな」
「大きな津波があったからね」
海は他の生徒は少ないからゆっくり泳げそうな感じね。
辺りを見回しても私たちの声が届く範囲には誰も居ないから演技する必要もないかな。
「早く泳ぎましょ」
怪我をしないようにしっかりと準備運動をしてから海に入る。
昨日は泳げない振りしてたけど、今日は沖まで泳いでみようかしらね。
「リルも泳げるんだね」
「ふふ、たまに泳いだりしてたからね」
あの時はキルクとピケと一緒に泳いでいたんだよね。
ラースもたまに泳いでいたけど、いつもミーナと一緒に私たちを見てたことの方が多いからね。
懐かしいなー……。
「リル?」
「何でもない!」
思わず昔を思い出していたら私を呼ぶフィアの声が聞こえた。
……いけない、ちょっとぼーっとしてたみたいね……、まだラースが亡くなって一年しか経ってないから仕方ないけど、いつまでもくよくよしてたらラースに怒られちゃうわ。
「おーい、あっちに洞窟があるみたいだぞ! 行ってみるか?」
「洞窟なんて何もないんじゃない?」
「古そうだし、何かあるかもしれないじゃん」
ちょっと先を泳いでいたアルトが戻ってきて私たちを洞窟に誘う。
洞窟なんて魔物なんかも居そうだし……もし崩れてしまったらどうするのよ。
……でも、ちょっとフィアも行きたそうな感じがするから仕方ないわね。
「私は武器は置いてきてるんだから守りなさいよね」
「リルは私が守るよ!」
やる気満々のフィア、……確かにフィアは魔法も使えるし体術も中々だから私よりは強いわよね。
丸腰でも私は弱いわけではないから大丈夫だとは思うけど。
攻撃も私は防御出来るし、洞窟が崩れてしまったらどうしようも出来ないけどね。
「よし、こっちだ!」
ライアとシアンは先に行ってるみたいだから私とフィアはアルトの後について泳ぐ。
ちょっと泳いだ先にある洞窟の前にはライアとシアンが見えた。
洞窟は想像してたより大きい、どこに繋がっているかはわからないけど深そうな感じね。
「やあ、待ってたよ」
「こんなとこあったの」
「先生たちからも洞窟があるなんて聞いてなかったから危ない場所ではないんだろうね」
危険で行っては行けないとこなら先生からも注意されるだろうし、こんなに大きな洞窟なら見逃したってこともないでしょ。
魔物が住み着いてる可能性は無きにしも非ずだけど……私たちなら大丈夫よね。
「シアン、行きましょう!」
私はシアンの腕にぎゅっと抱き着く。
シアン以外に候補者が居れば別だけど、シアンは高スペックだし……私なら可愛いから私に今は興味なくても時間をかければ落とせるわよね。
だって、私はこんなに可愛いんだもの!
「先頭はアルトにお願い出来るかな?」
「任せろ!」
「真ん中はシアンとリルディアちゃん、殿は僕とフィアちゃんだね」
獣人であるアルトとフィアは感覚が鋭いみたいで気配にも敏感だからかしらね。
シアンなら前も後ろもカバーすること出来るからこの順番でも問題はないわ、私はやる気ないからね。
「うん」
「じゃあ、行きましょう」
私たちは陣形を組んでシアンが出してくれた火と近くにあった木の棒で簡易の松明を作って洞窟の奥へと進んで行く。
洞窟の中は薄暗く松明がなければ奥に進むことは難しそうだけど、もし松明が切れてもシアンもライアも居るから大丈夫よね。
「やはり結構広いみたいだね」
「おー、まだまだ奥があるみたいだな」
会話をしながら歩いているけど、結構な距離があるみたいでまだ先が見えない。
風が通っているから開いた場所には出ると思うのよね。
とりあえず、歩いてるけど魔物が住処にしている様子もないし……何のためにこの洞窟があるのかしら?




