旅行は海へ
「来週の強化合宿はリファイナでやるからな」
唐突なディオ先生の話ではあったが聞けば毎年リファイナって海の近くの街で一年と時に強化合宿をやっているらしい。
サバイバル演習が中止になったこともあり今回の合宿では教師も気合が入ってるって、ディオ先生は気合なんて入ってないみたいに見えるけど。
「私、海見るの初めて……!」
いつも大人しいフィアも海を見たことがないのかわくわくしてるみたい。
私もこの世界に来てからは海を見たことがないから当たり前なのかもしれないわね。
でも、まだ十歳だから胸もそんなにないから水着着ても目立たないかしら?
いや、私の魅力は胸だけじゃないから誰よりも可愛いに決まってるわ。
調べたら一応水着っぽいのはあるみたいだから買いに行かなければならないわね。
「海ってしょっぱいらしいねぇ~」
「リルって何でも知ってるのね」
「そうでもないよ~、泳ぐための服があるみたいだから一緒に買いに行かない?」
「一緒に買い物嬉しい! アルトも連れて行くね」
貴族は基本的に買いに行くなんて有り得ないから家に居た時はあまり買い物したことなかったけど、今は関係ないからね。
長期休みもずっと寮に居るつもりだし、学園に居る間も卒業してからも帰る予定はない。
フィアと今日の放課後の約束をしながらもフィアはアルトを荷物持ちにしたいみたい。
アルトは嫌そうな表情をしてるがフィアのやりたい事を拒否したことはないから放課後は来るでしょう。
「ライアとシアンは何か用事あるか?」
「うーん、……特にないから一緒に行こうかな」
アルトは男一人で買い物について行くのが嫌なのかライア達の方を見てる。
ライアは少し考えていたがアルトが可哀想になってきたのかクスクスと笑いながら頷いていた。
全く、アルトってばこんなに可愛い二人と一緒なのに嫌そうにしなくてもいいじゃない。
両手に花状態を嫌がるなんて男じゃないわ。
「……ライアが行くなら行く」
シアンは相変わらずライアが一番みたいね。
この国の王子であるから当たり前なのかもしれないけど、平和な王都だけどやはり警護しなければならないのかしら。
まあ、どちらでもいいけど。
「じゃあ、今日の放課後は一緒に行こうねぇ。 ライアとシアンも一緒なんてリル嬉しい!」
にっこりと笑顔を浮かべながらも上目遣いにライアとシアンを見上げる。
私の可愛い仕草を見ても妹の様にしか思ってないなら意味ないかもしれないけど。
そうこうしている間にアーマートソン先生が入ってきたのでザワついていた教室は静かになる。
あー、ちょっと楽しみかも。
ーーーーーーーーーーー
今日の授業は全て終わり私達は制服のまま街に行くことにした。
私は制服でも動けるようにいつもペチパンを穿いてるので問題はない。
まあ、シアン達が居るから私が戦う事なんてあるわけないけど。
「これ、リルに似合う」
水着っぽいのが売ってる店につくと私とフィアはすぐに水着を選び始めた、シアン達も海に入るかもしれないので選んでるようだけど。
あっちの様に肌の露出が激しいビキニとかはなかったけどまあまあ可愛いワンピース系の水着は結構あるみたい。
「フィアはこれにしてみたら?」
「うん!」
もう少し前に海に行くことがわかってたら水着だって私に似合うようにオーダーメイドで頼んでけど流石に来週じゃ間に合わないから既製品でいいわね。
それともまだまだ身長も伸びるから成長しきってからのがいいかしら。
私とフィアはお互いに選んだ水着を持って試着室に入る。
試着してみたけど……私の可愛さはもっと引き出せる気がする、でも今はギルドの依頼料でやっていくからあまり高いのは無理ね。
これもまあまあ可愛いし、安めだからいいかも。
「ライア~、シアン~、どう?」
女はあまり肌を見せるのはいけないって風習みたいだから露出は少ないけど、私なら魅力的に見えるんじゃない?
試着室を開けて外に居るライア達に声をかける、可愛い私が居るんだから褒めるのは当たり前よね。
ライア達を探そうと顔を出そうとしたがすぐに試着室のカーテンが閉まった。
はぁ? わけわからないんだけど!
「……シアン、いきなり閉めたら危ないよ」
閉まったカーテンの向こうから笑いを押し殺したようなライアの声と何かよくわからない無言の圧力を感じる。
てことは、いきなり閉まったのはシアンが閉めたわけ?
「リルちゃんに何してるの」
試着が終わっているのかフィアの声も聞こえてくるけども、カーテンは中々開かない。
いや、私も開けようとはしてるけどシアンの力のが強いし、無理に開けてカーテンが壊れてしまったら大変よ。
その時の弁償はもちろんシアンにしてもらうけど。




