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ぶりっ子少女の夢は玉の輿  作者: 猫目 しの
異世界の日々
37/123

【シアン・フロレイン】

シアン視点

 




俺には好きな奴がいる。




リルディア・セシルト、五大貴族であるセシルト家の娘。

俺が憎んでいた五大貴族の娘。




俺も元々は五大貴族の生まれだ。

火のフィオレ家に生まれ捨てられた子供、元の名前はアクト。


俺には生まれてから魔力がなかった。

五大貴族の子供は魔力が高いのが多いらしい。

魔力の高い者同士で政略結婚し、家を大きくしてきたからだ。


だから、魔力のなかった俺は元の両親からは居ない者として扱われ、兄妹や他の五大貴族の子供らからは虐められていた。

殴る蹴るは当たり前、酷い時には魔法の的にされてり変な物を食わされそうになったり。


俺が病気で苦しんでも元両親も使用人も何もしない。





俺は恨んでいた。


元両親も、兄妹も、他の五大貴族の子供も、使用人も、俺をこの世に生み出した神様も。








『魔力なしは生きてる価値ないなら、リルも生きてる価値ないのぉ?』





アイツは、……リルディアも魔力がなかった。

だが、アイツは男には好かれていた。



茶色の長い髪、ふわりと風に流されるとキラキラと輝いて見える。

白い肌は見て分かるくらい透明感があり瑞々しく、触れたことはないがツルツルしているだろう。

大きな黒い瞳はうるうるとして吸い込まれそうになるくらい美しい。

唇は赤くぷっくりして、触れたらとても柔らかそう。


ころころと変わる表情と可愛らしく、……俺はそれが憎かった。

男に媚びを売るためにわざとしているのがわかったからだ。





リルディアは俺に暴力を振らない、俺に興味がないから。

リルディアは俺に暴言を吐かない、俺に興味がないから。


リルディアが興味あるのは自身だけだった。





両親にも兄弟にも他の五大貴族の子供にも使用人にも誰にも興味がない。


自身だけが可愛く、だから強い男には媚びを売りそれで生きてきた。


俺は他の誰よりもリルディアが大嫌いだった。




俺に興味がないくせに俺が怪我をしていたら救急箱を渡してくる、誰にも気付かれない様に……。

俺に施しでも与えてるつもりなのだろうか。


憎くて、憎くて……憎くて。





俺に興味がないリルディアが一番大嫌いで、憎かった。










それが違うとわかったのは元両親に捨てられ、義父さん拾われた後だ。


俺はリルディアが憎かったんじゃない。

リルディアに俺を見て欲しかったんだ、俺を……好きになって欲しかった。


自身にしか興味がないリルディアに、俺に興味を持ってもらいたい。

あの綺麗な髪も、肌も、唇も、俺だけが触れたい、俺のモノになってほしい。

俺だけの表情を見せて欲しい。



独占欲だ。


他の男に媚びを売ってほしくない。


 


俺は自分のリルディアに対しての気持ちがわかってから、他の奴らに対する興味がなくなった。


最初は復讐しようと思っていた、元両親に兄妹に他の五大貴族の子供に使用人に。

俺が苦しんだ五年間、奴らの地位、権力、金、全てを奪ってやろうと。



だが、復讐なんてするより俺はリルディアが欲しい。

リルディアだけが居れば他はどうでも良い。






俺は強さを求めた、リルディアを守れる様に。

父さんに許可を貰い六歳でギルドに登録した。


実は俺には魔力があったらしい。

しかし、魔力が巨大過ぎて体が無意識にその魔力を抑えていたと父さんからは聞いた。

魔力を無意識に抑えているのはたまにあることらしい。


俺は嬉しかった、魔力がなくても強くなる予定だったが魔力があれば更に強くなれる。

リルディアを守る為には強さが必要だ。



父さんと修行し、ギルドの依頼をこなし、王子であるライアとも仲良くなりながらも俺は十歳になりある程度の強さも手に入れた。

ギルドランクはAになり、……強さ的にはSでも問題はないらしいがまだ十歳には早いと父さんが止めていた。



まあ、俺はギルドランクにも興味がない。

リルディアを守れる力さえあればよかったからだ。





学園の入学式前にリルディアと再会出来た。

五年間会わなかった、昔可愛いと思っていたのは俺が美化していたからかとも思っていた。

だが、五年振りのリルディアも可愛く、美しかった。


五年間、リルディアだけを想っていた。

強さを求めながらも、リルディアに会える日を楽しみにしてた。



リルディアはその可愛らしさにより、他の男に絡まれていた。

俺も触れた事もないリルディアの白く細い腕を掴んでいた男。



俺のリルディアに触るな!



思わず男を殴り飛ばしていた。

リルディアに危害が当たらない様に手を放させてからだが。


男を沈めた後、リルディアがお礼を言おうとしていたがアイツらに突き飛ばされていた。

水の貴族の娘、サラ・リデリア、風の貴族の娘、アリス・クレイン、そして元妹で火の貴族の娘、レイア・フィオレ。


コイツらを助けたわけではないのにお礼を言い名前を聞いて言い寄ってくる女共。

俺がアクトとは知らない、俺を虐めてきた女共。

会えば復讐心が湧いてくるかと考えていたがそんなことはない。

会っても何も興味がない。



倒れたリルディアはライアが起こしていた。

ライアがリルディアの手に触れている事にムッとしてしまうが、王子として転んでしまった女をそのまにましておけなかっただけだろう。

ライアは俺がリルディアを好きな事を知ってるが。


ライアが俺を呼んだので女共は無視してライアに近付いた。

近くで見るリルディアは更に美しい。

甘える様な声も可愛らしく、久し振りに独占欲を感じた。


俺の可愛いリルディア。






リルディアに再会してからは色々な事があった。



リルディアに近付く馬鹿な男と決闘をした。

違法な事も沢山やっていた様なので痛めつけてから教師に引き渡した。

まずは牢屋行きだろうが場合によっては死刑もありだろう。



ギルドに登録もしに行った。

登録していなかったリルディア、ライア、そして同じメンバーになった双子の獣人のアルトとフィア。

受付の女がリルディアに魔法を撃ったり、父さんがリルディアと戦ったり。

……父さんはリルディアを気に入ったみたいで俺に発破かけてたが。



サバイバル演習ではリルディアの素も見れた。

思っていた通り自分本位だし、口も悪い。

だが、俺には関係ない、そんなリルディアも愛してる。

リルディアに告白しようかと思ったが、フィアに邪魔もされた。

まあ、リルディアはライアの地位に興味があるみたいだから告白しても断られていただろうがな。

リルディアが戦えることもわかったが、そんな危ない真似は俺もさせたくない。

あの肌に傷がつくのは許されない。

そして、更に驚いたのが魔物と会話出来たことだった。

ライウルフと仲良く会話し、デスドラも従わせる。

美しくて、強くて、可愛い、俺のリルディア。


デスドラは俺と、ライウルフはフィアと契約することになった。

あのライウルフはリルディアが好きなんだろう、許さないが。





 

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